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新「MacBook」ハンズオンレポート
~最高200万円超のApple Watchも
(2015/3/10 14:42)
米Appleは9日(現地時間)、2015年秋に発表されたスマートウォッチ「Apple Watch」などの発売日や価格を開示するとともに、薄型軽量モバイル「MacBook」を発表。それに合わせ、国内でもMacBookおよびApple Watchのハンズオンが開催された。発表製品などの詳しい情報は既報の関連記事をご覧いただくとして、本稿ではMacBookを中心にインプレッションをお届けする。
MacBook
今回の発表で最も注目されていると思われるのが、12型の薄型軽量ノートPC「MacBook」だろう。最大の特徴となるのが、2,304×1,440ドット表示に対応する12型高解像度液晶「Retinaディスプレイ」を採用しつつ、高さ13.1mm、重量920gと、MacBook史上、最薄/最軽量を実現する点だ。
まず、実機を見て驚いたのはその薄さだ。MacBook Airも登場時その薄さに驚かされたが、MacBookの薄さを見た時の印象はその再来と言っていい。MacBook Airなどと同じように、側面や前方が薄く絞られたデザインとなっていることもあって、実機を見ると数字以上に薄く感じる。ノートPCでこれ以上の薄型化は不可能なのでは、と思わせるほどで、カバンなどへの収納性も大きく高まっていると感じる。
軽さも魅力で、MacBook Airを普段使っている人であれば、MacBookを持つとその軽さにかなり驚きを感じるだろう。Windows PCでは1kgを切る軽さのノートPCはかなり多く存在しており、中にはNECの「LaVie Hybrid Zero」のように800gを切る軽さの製品もあるため、筆者はMacBookを持ってみても、驚くほどの軽さという印象は感じなかった。しかし、これまで筆者が抱いていた、「MacBookシリーズは重い」というイメージは改めなければならないだろう。
これだけ薄く軽いにもかかわらず、筐体の剛性も確保されている。実際にキーボード部分や液晶部などをひねってみたが、大きくよじれたりしない。筐体素材にアルミニウムを採用する点も剛性を高める大きな要因で、その上で920gの軽さを実現している点には驚かされる。
シリーズ共通の質感の高さも健在。液晶を閉じた状態での側面部の一体感などはさすがのひと言だ。また、側面ポートは左側面にUSB 3.1対応のType Cコネクタが1つと、右側面にヘッドホンジャックがあるだけで、これも質感を高める要因の1つとなっている。
液晶は、冒頭でも紹介したように、2,304×1,440ドット表示対応の12型Retinaディスプレイを採用。アスペクト比は16:10。12型としてはかなりの高解像度となっており、写真などを表示してもドットは肉眼でほぼ認識できない。文字の表示もなめらかで、このあたりはWindowsにはない魅力と言える。視野角も十分に広く、発色も鮮やかで、表示品質はかなり優れる。
筐体薄型化の影響を色濃く受けているのが、キーボードとポインティングデバイスのトラックパッドだ。キーボードは、従来までと異なる新型のバタフライ構造のキーを採用し、安定性や均一性を高めた操作性を実現しているとする。
ただ、実際に触ってみると、そのストロークの浅さにかなり違和感があった。実際に計測はできなかったが、キーストロークは0.5mmほどしかないような感触で、打鍵感は、MacBook Airに比べてかなり厳しいという印象。それでも、強いクリック感が感じられるともに、キーピッチがフルサイズ相当あり、慣れればそれほど違和感なく利用できるかもしれない。この薄さながらキーボードバックライトを搭載している点は大いに評価したい。
トラックパッドは、「感圧タッチトラックパッド」と呼ばれる新構造のものを採用。こちらは、従来までの物理的なクリック機構が省かれており、パッド四隅に配置された感圧センサーによってクリック動作などを検知し動作するようになっている。
ただ、全く沈み込まないわけではなく、実際に操作してみるとごくわずかだがクリック操作時にパッド面が下に沈み込むようだ。また、クリック操作時には、パッド下部に配置された「Taptic Engine」による振動でフィードバックが指に伝わるようになっている。これによって、実際にクリック操作したような感覚が指に伝わり、スムーズに利用できた。パッドのどの部分でもしっかりクリック操作できる点も合わせ、物理クリック機構が省かれても利便性はほとんど失われていないと感じた。
クリック操作以外にも、パッド面を長押しするように指で押し込むと、圧力を検知して新たな操作が可能になっている点も便利だ。例えば、動画再生時にマウスカーソルを早送りボタン上に置いてパッド面を強く押し込むと、圧力の違いで早送りの速度が変わるようになっている。こういった新たな利便性を実現している点も、OSとハードを両方手がける同社製品の利点と言える。
側面ポートは、左側面にUSB 3.1対応のType Cコネクタが1つ、右側面にヘッドホンジャックが用意されるのみだ。今回のハンズオンでは、ACアダプタや各種変換アダプタの展示はなかったが、いくつかの情報は得られた。
まず、ACアダプタにはUSB Type Cコネクタが1つ用意され、付属のType Cケーブルで本体のUSB Type Cコネクタに接続して充電が可能。また、HDMI変換アダプタ「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」やVGA変換アダプタ「USB-C VGA Multiportアダプタ」には、それぞれ別途USB Type AコネクタとUSB Type Cコネクタが用意され、Type CコネクタにACアダプタを接続すると、本体を充電しながら同時に他のポートも利用可能となる。VGAアダプタとHDMIアダプタに用意されるUSB Type Aコネクタの仕様は正確には分からなかったが、USB 3.1準拠になっていると思われる。
本体色はシルバー、ゴールド、スペースグレイとiPhoneと同じ3色を用意。個人的には、落ち着いた印象のスペースグレイが好みだったが、自分が使っているiPhoneとカラーを合わせる楽しみがある点は、iPhoneユーザーにとって魅力となりそうだ。
Apple Watch
Apple Watchは、「Watch」、「Watch Sports」、「Watch Edition」の全モデルが展示された。
製品自体の機能面は、2014年に発表された通りで、新たな機能の追加はなく、できることは他のスマートウォッチと比べてあまり変わらない。それでも、実際に動作する製品を触って、スマートウォッチとして、質感は現時点で最も優れると感じた。側面のラインの美しさや質感の高さ、数多くの種類の素材のベルトが用意され、状況に合わせて選択できる点などは、さすがApple製品といった印象だった。
見た目には金属筐体で重厚感があるものの、実際に腕に装着してみると見た目ほど重くない。筐体素材に18Kを採用するWatch Editionも同様で、一般的な腕時計と同等の感覚で装着できそうだ。
ちなみに、3モデルの違いは筐体素材やバンド素材などの違いだけで、機能面の差はない。最上位は200万円超ということで、価格の開きもそうだし、装着感もバンドの素材や仕様によってかなり異なっている。購入しようと考えている人は、実際に製品を見たり触った上で決めた方がいいだろう。