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京大、コミケ会場などでのスマホ混雑を解消する技術を開発
(2015/3/5 14:00)
京都大学情報学研究科村田英一准教授、岡山大学田野哲教授、京都工芸繊維大学梅原大祐准教授らの研究グループは3日、近くにあるスマートフォンなどの端末同士が相互に連携して、共同で基地局と通信することで、多数の携帯端末が集まっても通信速度が低下せず、混雑を解消できる技術の実証に成功したと発表した。
何百、何千と人が集まるイベント会場などで、スマートフォンの通信速度が低下したり、そもそも通信できないということを体験したことがある人は少なくないだろう。これは、端末の数(通信容量)が近傍の基地局のキャパシティを超えるために発生する。コミケなど、特に人が多く集まる場合は、キャリア各社が臨時の移動基地局を出動させ、対応することもある。データトラフィック量はネットワークバックボーンの増強を上回るペースで増加しており、抜本的な対策が求められている。
LTEなど、携帯通信ではすでにMIMO伝送が使われているが、携帯端末の小ささにより、搭載できるアンテナ数は数本に限られる。一方、高周波数帯通信は、帯域幅が広く取れ、より高速な伝送ができるが、通信距離が短く、移動にも適さない。
そういった中、村田准教授らの研究グループは、異なる人が持つ近くの端末同士を高周波数帯で相互に連携させることで、等価的に多数のアンテナを備えた1つの端末として機能させる技術を開発した。
イメージとしては、ユーザーの端末は、1つのアンテナで基地局とLTEで通信するが、それと同時に高周波数の無線(5GHzの無線LANと思われる)で他人の端末と通信。他人の端末もまた、1つのアンテナとして基地局と通信し、結果として、1人のユーザーの端末は多数のアンテナを使って基地局と通信するのと同等の環境ができあがる。この時、それぞれのスマートフォンは互いに強調して動作するため、この技術を利用する全員が、通信速度の低下を免れる。
同グループでは今後、より高い周波数帯を利用した端末間連携を実現し、技術をより洗練させていくとしている。