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パナソニック、苦労話も披露した世界最軽量2-in-1「Let'snote RZ4」発表会
~新宣伝キャラクターの比嘉愛未さんも登場
(2014/10/2 20:46)
パナソニックは2日、ノートPCの「Let'snote」シリーズ2014年秋冬モデルを発表。新たな宣伝キャラクターとなった比嘉愛未さんも招かれて、新製品発表会を開催した。新製品の概要や仕様については、関連記事を参照されたい。
今回の発表会では、本日発表された製品の中でも10.1型で745gの世界最軽量2-in-1「Let'snote RZ4」にフォーカスして説明が行なわれた。同社はこれまで“世界最軽量の連打”として次々に世界最軽量の製品を投入してきているが、今回のモデルについては、“もっとコンパクトでかばんに入るPCが欲しい”、“タブレットではキーボード入力がやりにくいので解決してほしい”、“ビジネスでも個性的なPCにしたい”といった声をもらっていたことを開発の理由として挙げた。
法人向けタブレットPCの分野についてパナソニック株式会社ITプロダクツ事業部 事業部長の原田秀昭氏は「2018年まで年平均22%の成長を見込んでいる。このRZ4を起爆剤として、パナソニックとしては2018年に累計で500万台を達成できるように頑張りたい」と意欲を示した。
続いて登壇した同社ITプロダクツ事業部テクノロジーセンター プロジェクトリーダーの星野央行氏は、Let'snote RZ4の特徴を紹介。
大学ノートと同じ大きさでカバンに入れて持ち運べるサイズであることや、10.1型液晶を採用しつつ16:10比率のWUXGA(1,920×1,200ドット)を採用することで、ビジネス文書で重要な縦向き文書の見やすさを高めたことを紹介。さらにディスプレイ表面のアンチグレアシートはRZ専用に新開発したものを採用していることを明かした。
インターフェイスについては、フル装備で全て標準サイズのコネクタであることを強調。ミニD-Sub15ピンや有線LANについてはもちろん、USB 3.0も標準サイズを左右に分けて配置する。これにより、「外出時に変換ケーブルを持たずに、RZだけでどこへ行っても安心して使える」とアピール。
キーボードについては、ノートPCの操作性の中でも特に重要なものであるとし、しっかりとした押し心地を感じられるストローク1.5mm、ほぼ均等に16.8mmのキーピッチを確保したことで、長時間の文書作成にも使えるとする。
バッテリ駆動時間については、Core Mの採用に加え、Intelとともにソフトウェアをチューニング。さらに、従来機種の3分の2のサイズながら37Whの高容量を確保した新開発のバッテリや、ディスプレイのバックライト設計の見直しといった、長時間駆動実現までの技術的背景を紹介した。
本製品に初めて搭載されるソフトウェアの紹介も行なわれた。1つは「タッチパッド誤操作ユーティリティ」。パナソニックではWindows 8の操作を考慮して、円形のホイールパッドから矩形のタッチパッドへ変更したが、特にホイールパッドを利用していたユーザーから、キーボード操作中にタッチパッドに手が触れてカーソル飛びが発生することを指摘されていたと言う。
そこで、キーボード操作中でタッチパッドを操作していないときは、手が当たりやすい部分に手が触れてもタッチパッドは反応しないようにし、手が当たりにくい部分に触ると反応するようにするユーティリティを開発した。手が当たりにくい部分は手前側が底辺となる三角形で、この範囲は設定変更もできる。
もう1つは「画面共有アシストユーティリティ」で、外部ディスプレイを接続した場合に、必要なアプリケーションのみを外部ディスプレイに出力するためのソフトとなる。対象アプリのウインドウも反映して出力するので、例えばExcelのシートの一部分のみ他人と共有するといったこともやりやすい。
このほか、軽量化と堅牢性を両立するための本体設計についても言及。軽量化のためには外装の素材を薄くしたいが、ただ薄くするだけではたわんでしまうため、「VHフレームストラクチャ」という構造を採用。部位ごとに肉厚を変えるほか、田の字型に補強分を設けてビス留めすることで強度を確保。
さらに液晶側は、Let'snoteおなじみの“ボンネット構造”を採用するが、こちらの外装素材も薄くしているため、液晶を保護するために硬度の異なる2種類のダンパーを用いた「複合ダンパー構造」を採用した。
これにより、従来のLet'snoteと変わらない「頑丈性能」を確保し、「安心して使ってもらえる製品となった」(星野氏)とアピールした。
さらに発表会では、Let'snote RZ4の開発から販売までを検討するプロジェクトチームに参加した、ITプロダクツ事業部テクノロジーセンターの金子晴香主任技師と、ITプロダクツ事業部国内営業グループの小原好晋主事による、開発エピソードや販売戦略の紹介が行なわれた。
金子氏はLet'snote RZ4の軽量さについて「タッチで750gを切るのが目標で、各ユニットをどこまで削られるかが最大の焦点だった。(堅牢性も確保しなければならないので)世界で1番軽いPCというだけでも大変なのに、極限まで薄くすることに骨を折った。いくつも失敗と試行錯誤を重ねて誕生したのがVHフレームストラクチャ。家の骨組みをアイデアにした」とエピソードを披露。司会者は、このVHフレームストラクチャを採用した外装素材を手にし、目で見ても分からないが、実際に触ってみると確かに厚みが違うと感心していた。
そして、雑誌とほぼ同じサイズで、女性用のクラッチバッグにも問題なく収納できることや、Let'snoteの発表会ではおなじみの上に人が乗っても問題ないデモを披露した。
本体色は関連記事でもお伝えしている通り、新色の「ブルー&カッパー」が提供される。小原氏は「ビジネス用途においても人と違うカラーを持ちたいという声を多数いただいている。コンパクトPCを持つ人ほど色にこだわりをもっている」とする。
一方、開発側の金子氏の側は「目標の色を達成しつつ、塗装の耐久性を担保するのは大変。色の配合を少し変えるだけで耐久性が変わる」と、経験のない色で目標の塗装耐久を実現することに苦労が多かったことを明かした。
また小原氏は、パナソニックストアでの製品展開についても解説。5色の天板が提供されるほか、SIMカードの装着から開通確認まで行なった状態で届けられるLTE搭載モデルを紹介。特に後者については「国内生産ならではのサービス」と自信を見せた。
両氏は最後にコメントを求められ、「これからも軽量、長時間、丈夫のアイデンティティにこだわり、本物だけを届ける。真のモバイルPCを皆さんのその手で体験してほしい」(金子氏)、「これからはモバイルPCもファッションの一部として自己表現のアイコンになる。自らをアピールする強力な武器として今回のブルー&カッパーを選んで欲しい。世界最軽量の、コンパクト、高い性能も兼ね備えているので、いつでもどこでも“ガンガン”モバイルしてほしい」(小原氏)とアピールした。
発表会の最後には、インテル代表取締役社長の江田麻季子氏も登場。Core Mプロセッサの特徴を紹介し、Let'snote RZについて「今後のビジネス環境を見据えた最強の2-1in-1デバイス。要素技術を劇的に進化させ、これまでにない形でノートPCと高性能タブレットを両立した、日本が誇る画期的な2-in-1デバイスになった」とアピール。また、「今後もパナソニックとの協力関係を継続し、ニーズに応える革新的なユーザー体験を届ける。両社が実現する技術革新に期待してほしい」と訴えた。
発表会では、Let'snoteの宣伝キャラクターに就任した女優の比嘉愛未さんも来場。原田氏は「ビジネスパーソンの環境において世界最軽量をアピールしたい。それを際立たせる、軽やかで繊細でスタイリッシュなキャラクターとして比嘉愛未さんに登場してもらった」と起用の理由を説明した。
比嘉さんが出演するプロモーションWeb動画は10月2日より予告編を公開し、10日、17日、24日と3編を順次公開していく。また、10月31日からはTV CMも放映される。比嘉さんはLet'snoteを使いこなす上司に憧れる部下として出演する。
Let'snoteについての感想を求められ、「軽くて本当に驚きました。女性の私でも軽々と片手で持てるんです。ホンットに軽いんです、皆さん。嘘ではありません」とコメント。
また、新色のブルー&カッパーはツートンカラーが好みということあって気に入っていると言う。「このブルーがスタイリッシュで、女性だけでなく男性にも持っていただける素敵な色だと思います。デザインやカラーは大事で、そこで気に入らないと持ち運びたいと思いませんよね」と、軽さやコンパクトさだけではないLet'snote RZの魅力をアピールした。