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スパコンランキングのTOP500が新しいベンチマーク方法を模索か

10月4日 発表

 世界のスーパーコンピュータランキング「TOP500」は10月4日付けで、TOP500の今後を左右するであろうErich Strohmaier博士の見識を紹介した。

 Strohmaier氏は、ローレンス・バークレー国立研究所の研究者で、1993年6月から立ち上げられたTOP500の創始者の1人。氏は、米国エネルギー省のサイトの短い質疑応答の中で、TOP500の今後の行く末について、「パラレルプロセッサの登場により、ベクターコンピュータを数えるだけの“古い手法”はもはや役に立たない。多種多様なプログラムに対して、単1つのベンチマークではカバーできない」と述べ、LINPACKの性能だけでTOP500を決定することが時代にそぐわなくなっているとの見解を示した。

 またこれとは別に、LINPACKの父と呼ばれるJack Dongarra氏も、「実アプリケーションの性能の代わりとしてLINPACKの妥当性はかなり低くなっており、代替案が求められる」と述べており、この11月にスパコンのカンファレンスである「SC13」に併せて、新しいベンチマークを披露する予定。

 TOP500の今回のリリースでは、団体としての声明は述べられていないが、こういった意見を紹介することから、TOP500としてもStrohmaier氏と同様の考えであることが窺い知れる。

(若杉 紀彦)