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日本エイサー、イーゼルヒンジ採用薄型ノートなどを6月より順次発売

~8.1型のWindows 8タブレットも夏に投入

Aspire R7
6月21日より順次発売

価格:オープンプライス

 日本エイサー株式会社は、PC夏モデル6モデルを6月21日より順次発売する。価格はすべてオープンプライス。本稿では、COMPUTEX TAIPEIでも目玉となった「Aspire R7」、「Aspire P3」、「Iconia W3」、および電子書籍に特化したAndroidタブレット“マンガロイドZ”「Iconia A1」、そして18日に都内で開かれた記者会見の様子を紹介する。

Aspire R7

 「Aspire R7」(型番:R7-571-N58G)は独自の「イーゼルヒンジ」を搭載し、4種類のスタイルで操作できる15.6型ノートPC。6月28日発売で、店頭予想価格は13万円前後の見込み。

 イーゼルヒンジは、キーボード後部と液晶中央部に2つヒンジを装備し、スタンドで支える構造。一般的なクラムシェルノートとして使えるほか、液晶をやや手前に配置して画面により近い状態でタッチ操作したり、後ろに回転して画面を向かい側の人に見せたり、液晶を倒してタブレットのように使うことができる。

 15.6型ノートPCでタッチ操作を行なう場合、キーボードの奥行きが邪魔してディスプレイとの距離が遠くなり操作しにくくなるが、ディスプレイを近づけることでこの問題を解消。後部に回転するときは、ステレオスピーカーも左右が入れ替わるようになっており、映画を楽しむこともできる。一方タブレットとして使う時はまっ平らではなく、4度の角度が付けられ、文字を書いたりコンテンツを見たりするのに最適な角度になる。シンプルな機構だが使い勝手に配慮した。

液晶を手前に引き出してより近い位置でタッチ操作できる
液晶をひっくり返すと表示が上下に回転するほか、スピーカーも左右反転する
タブレットモードでは4度の角度がつけられている

 この機構のため、タッチパッドをキーボードの奥に配置するというこれまでに類を見ない配置を採用しているのも特徴。キーボードはバックライト付きで、タッチは10点に対応。

 主な仕様は、CPUにCore i5-3337U(1.8GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ8GB、Intel HM77 Expressチップセット、1TB HDD、1,920×1,080ドット(フルHD)表示対応15.6型ワイド液晶ディスプレイ、OSにWindows 8(64bit)を搭載する。

 インターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0、HDMI出力、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0+HS、Crystal Eye HD Webカメラ、音声入出力などを備える。Ethernetアダプタが付属する。

 バッテリは4セルで、駆動時間は約4時間。本体サイズは約376.8×254.5×20.6~28.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.4kg。

イーゼルヒンジの概要
4つのフォルムで操作できる
Asipre R7を閉じたところ
手前に液晶を引き出して操作しているところ
タブレットで操作しているところ
液晶をひっくり返したところ

Aspire P3

Aspire P3

 「Aspire P3」(型番:P3-171-N32Q)はキーボード着脱式のUltrabook。6月21日発売で、店頭予想価格は85,000円前後の見込み。

 名義上は東芝の「dynabook V713」と同じ着脱式Ultrabookだが、本製品はタブレットスタイルが中心で、キーボードはドック機能などを持たず、単純なカバー付きBluetoothキーボードとなっている。タッチは10点に対応。

 主な仕様は、CPUにCore i3-3229Y(1.4GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ2GB、Intel HM77 Expressチップセット、120GB SSD、1,366×768ドット表示対応11.6型ワイド液晶ディスプレイ、OSにWindows 8(64bit)などを搭載する。

 インターフェイスは、USB 3.0、Micro HDMI出力、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0+HS、照度センサー、ジャイロスコープ、加速度センサー、電子コンパス、内側HD/外側500万画素Webカメラ、音声入出力などを備える。

 バッテリ駆動時間は約6時間。本体サイズは295.4×190.8×9.95~10.15mm(同)、重量は約790g(キーボード除く)。

発表会場に展示されたAspire P3
キーボードカバーに嵌めた時でも、通気口が開いており、冷却性に影響はない

Iconia W3

 「Iconia W3-810」(型番:W3-810)は世界初の8.1型液晶搭載Windows 8タブレット。2013年夏発売で、店頭予想価格は6万円前後の見込み。

 世界で初めて8.1型の液晶を採用したWindows 8タブレット。Atomプロセッサを採用し、約8時間の駆動が可能。また、Office Home and Business 2013を搭載し、オフィス用途にも配慮した。

Iconia W3
本体よりやや大きい専用のキーボードドック
片手で持てるサイズ

 スペックの詳細は6月28日に改めて案内するとしているが、18日に都内で開かれた記者会見の展示機で確認したところ、CPUにAtom Z2760(1.8GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリは2GBであった。液晶解像度は1,280×800ドット(WXGA)。このためWindows 8のストアアプリのスナップ機能を利用できない。

 オプションで専用のBluetoothキーボードも用意。本体よりやや大型のキーボードだが、これは内蔵Officeの機能をフルに活かすためあえてこのスタイルを採用。8.1型というサイズがスポイルされるが、キーボード底面にタブレットを装着し一緒に持ち運ぶことができる。

発表会場に展示されたIconia W3
上部に音量調節ボタンやmicroSDカードスロットが見える
左側面には電源ボタン、Micro USB、Micro HDMI出力が見える
専用のBluetoothキーボード
電源ボタンやペアリングボタンが見える

Iconia A1-810

 Iconia A1(型番:A1-810)は2011年9月に発売した「ICONIA TAB A100」の後継モデル。6月28日発売で、店頭予想価格は23,000円前後の見込み。

 電子書籍の漫画を読むことを前提とし、“マンガロイド”の愛称が付けられたタブレット。従来からOSがAndroid 3.2から4.2.2にアップデートされたほか、CPUがクアッドコアとなり操作性が向上。また、画面が1,024×600ドットから1,024×768ドット(XGA)となり、アスペクト比が4:3となったことで、電子書籍コンテンツの余白が現れないようになった。

Iconia A1
漫画閲覧のイメージ
4:3の液晶でコンテンツの余白が少ないという

 コンテンツ面では、eBookJapanと提携し、5,250円分の図書券を同梱。漫画を中心に125,000冊の中から購入して読める。トランクルーム機能を搭載し、購入した電子書籍をWeb上で管理し、端末の記憶容量を圧迫せずに、ほかの端末に自由に移動して読むことができる。

 主な仕様は、SoCがMediaTekのMT8125(クアッドコアCortex-A7、1.2GHz、PowerVR SGX 544MP内蔵)、メモリが1GB、ストレージが16GB eMMC、液晶がXGA/10点マルチタッチ対応7.9型IPS、OSがAndroid 4.2.2。

 インターフェイスは、microSDカードスロット、Micro USB 2.0、Micro HDMI出力、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0、ジャイロスコープ、加速度センサー、30万画素内面/500万画素背面カメラ、音声入出力などを備える。

 バッテリは18.6Whのリチウムイオンで、駆動時間は約7時間。本体サイズは208.7×145.7×11.1mm(同)、重量は約410g。

発表会場で展示されたIconia A1
右側面のインターフェイスなど
上部は電源ボタンのみとシンプル

2013年は「本気の年」

ボブ・セン氏

 18日に都内で開かれた記者説明会では、日本エイサー株式会社 代表取締役社長のボブ・セン氏が挨拶。「この2年間、エイサーは独自のスタイルを持った製品をリリースすることができなかった。しかし2013年は世界初の8.1型Windows 8タブレットを他社に先駆けて投入するなど、我々にとってエイサースタイルをユーザーに紹介できる“本気の年”となる。今年はエイサーの本気に期待していただきたい」などと語った。

 本社より来日したチーフマーケティングオフィサー(CMO)のマイケル・バーキン氏は、「タッチを中心としたコンピューティングの進化によって、デバイスは単なる道具としてではなく、ユーザーの体験と感受性に直接訴えかけるものとなった。我々も近代の探求者向けとしてブランドを位置づけ、ユーザーが製品を使ってもらうことで自己の夢を実現できる、クリエイティブなブランドとして定義したい。新製品発売と同時にプロモーションも展開するが、一般の人が我々の製品を使うことで夢を実現するというサクセスストーリーとした。これによってユーザーにブランドの価値を訴えかけていきたい」などとと話した。

マイケル・バーキン氏
同社のブランドハウス
ユーザー経験を中心としたブランドの位置づけ

 発表会では、日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 OEM統括本部長の金子毅氏、およびインテル株式会社 執行役員 営業本部 本部長の大塚桂一氏もゲストとして登壇し、新製品の発表に祝辞を送った。

金子毅氏
大塚桂一氏

(劉 尭)