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NEC、無線通信速度を最大で2倍向上させる電磁ノイズ抑制技術

1月17日 発表

 NECは17日、高速無線通信技術を利用する無線機器において、機器のプリント基板に独自の人工材料を形成することで、アンテナ受信感度を最大で約10倍に向上させる電磁ノイズ抑制技術を開発したと発表した。

 開発した技術は、金属を周期的に並べることで自然界にはない性質を引き出す人工材料であるメタマテリアルの一種で、特定の周波数の電磁波を遮断する「電磁バンドギャップ(EBG: Electromagnetic Band Gap)構造」と呼ばれるもの。

 同社は新たにらせん状の金属線からなるオープンスタブ共振器を採用したμEBG構造を開発し、2.1×2.1mmと従来の約10分の1という世界最小のユニットセルサイズを実現。これにより、EBG構造をプリント基板に内蔵できるようになった。

 無線通信機器では、基板上のデバイスが発生する電磁波が基板内を伝播、空間に放射されることでアンテナに悪影響を及ぼす。今回開発した技術を用い、EBG構造を基板内層に実装させたところ、アンテナ感度は最大で約10倍に、受信スループットも機器間の距離120mで約1.4倍、280mで約2倍に向上したという。

 同社とNECアクセステクニカは、この技術を活用した製品を2013年に発売する予定。

EBG構造を基板内層に実装することで電磁ノイズの電波を抑制
評価ボード
ユニットセルの配置とノイズ電波抑制効果
表面磁界測定結果
パケットエラーレート測定結果
受信スループット特性評価

(若杉 紀彦)