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東大や阪大ら、世界最強のX線レーザービームを実現

12月17日 発表

 公益財団法人高輝度光化学研究センター、国立大学法人大阪大学、国立大学法人東京大学および独立行政法人理化学研究所は共同で17日、X線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free Electron Laser)施設であるSACLA(サクラ)において、世界で最も強いX線レーザーμビームの実現に成功したと発表した。

 SACLAでは2011年10月に世界最短波長のXFELを実現。その応用範囲の拡大には、XFELの強烈な照明下で安定し、かつ集光効率の高い光学素子が必要だったが、これまで存在していなかった。

 今回本研究グループは、理化学研究所が開発したELID(Electrolytic In-process Dressing)研削法と、大阪大学が開発したEEM(Elastic Emission Machining)加工法を駆使し、反射面が楕円状で、原子レベルの表面形状精度を持つ420mm長の大型鏡を作成。これにより、縦1.2μm、横0.95μmという理論通りの集光サイズを持つXFELマイクロビームを実現し、世界で最も高い6×10^17W/平方cmという集光強度を達成した。

 同グループでは、今回の成果により、X線集光鏡の開発において、今まで以上に日本が世界を大きくリードすることになり、今後は今回のマイクロビームより1万倍強いナノビームの研究を進めるとしている。将来的には、動いているタンパク質分子の原子構成を瞬時に観察できる顕微鏡などの開発へとつなげる。

(若杉 紀彦)