レノボ、IdeaPad YogaをはじめWindow 8搭載PC発表会開催

IdeaPad Yoga

10月18日 開催



 レノボ・ジャパン株式会社は、「IdeaPad Yoga13」をはじめとしたWindow 8搭載製品10シリーズ14モデルの製品発表会を開催した。冒頭で同社の渡辺朱美代表取締役社長は今回の発表の背景を次のように説明した。

 「Yogaは今年(2012年)1月に米国で開催されたCESに出品し、ベストPC賞など14の賞を獲得した、これまでの使い方を一新する革新的な製品となっている。調査会社の発表では、Lenovoが世界ナンバー1シェアを持つPCメーカーとなったという結果も出ているが、確かに各ベンダーが苦戦する中、過去3年連続成長を続けている。その要因はYogaのような革新的な製品群の提供と、プロテクト&アタックというバランスの取れた戦略を実施していることが挙げられる。レノボの得意な法人市場をプロテクトし、苦手な中小企業市場とコンシューマ市場はアタックする姿勢で望んでいるが、今回の製品発表はコンシューマ向けのもので、法人向けのWindow 8搭載製品も近日中に行なう」。

 Windows 8搭載機の発表会ということで、日本マイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長も登場し、「Windows 8は考えられるニーズにほぼ応えることができるOSで、たくさんのバラエティに飛んだ機種が各PCメーカーから発表される。今回のレノボさんの製品も革新的なものばかりで、年末商戦から来春まで一緒に市場を盛り上げ、活性化していきたい」と話した。

レノボ・ジャパンの代表取締役社長 渡辺朱美氏日本マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口泰行氏レノボ・ジャパンの渡辺社長と日本マイクロソフトの樋口社長

 この後、Lenovoグループでコンシューマビジネスを統括しているバイスプレジデントのビクター・リオス氏が登場し、コンシューマ製品戦略を説明した。

 「Lenovoグループでは、『PC+』という戦略をとっている。PCと他の機器を組み合わせて利用するというもので、当初は中国で携帯電話からスタートし、スマートフォンへと拡大し、2012年にはスマートTVも発売した。スマートフォンは中国では、13%とトップシェアを獲得する実績をあげた」。

 国内のコンシューマ市場戦略については、レノボ・ジャパンの執行役員常務・大村憲三氏は、「急激というわけではないが、昨年(2011年)末に比べ1.5ポイントと着実にシェアをアップしている。今後は低価格に加え、高付加価値製品を投入し、さらなるシェア向上を目指す」と新製品以降は高付加価値をアピールする方針を強調した。さらに、「外資系PCメーカートップシェアを目指す」との目標を掲げた。

 さらにシェアを上げていくために、広告、メディアへの露出、店頭での露出の3つが重要だとして、「現在、大手販売店の中に、ショップ・イン・ショップスタイルのスペースを全国で7店舗設けているが、2013年3月末までに10店舗までに拡大し、その他の店舗でも什器の充実を図る」とさまざまな場でのレノボ製品をアピールしていく体制を拡充する方針を説明した。

レノボ・グループでは、バイスプレジデント コンシューマビジネス オペレーション ビクター・リオス氏レノボ・グループのコンシューマ戦略レノボ・グループの全世界でのコンシューマ事業の軌跡
Ideaシリーズはレノボ・グループの中核製品市場トレンドが製品ポートフォリオを形作る国内のレノボコンシューマ事業の現状
コンシューマ製品も高付加価値戦略へプロダクトポートフォリオの拡充外資メーカーPCナンバー1を目指す

 新製品詳細については、レノボ・ジャパンのIdeaPad製品担当の櫛田弘之氏が説明を行なった。今回、発表した新製品は、ノートPCではトラディショナルな製品に分類される、メインストリームの「IdeaPad Z」シリーズのZ480、Z500の2製品、アタックすべき市場のウルトラモバイルの「IdeaPad U」シリーズのU510、イノベーションノートブックの「IdeaPad Yoga」の4製品。デスクトップではオールインワンタイプのスタイリッシュな「IdeaCentere Aシリーズ」のA520、エントリーモデルの「Lenovo C」のC345、トラディショナルタイプの「Lenovo H」のH550s。そしてWindow 8搭載11型タブレットの「Idea Tab K3011W」だ。

ノートブック製品の位置づけWindows 8搭載デスクトップ製品Windows 8搭載タブレット新製品
IdeaPad U510IdeaPad Z500IdeaCentre A520
Lenovo H505sLenovo G580
IdeaPad Z480、レッドIdeaPad Z480、グレーIdeaPad Z480、ブルー
IdeaPad Z500IdeaPad U510

 今回展示はされていなかったが、Android搭載タブレットのAシリーズ、Sシリーズも今後、新製品を投入する予定いだという 。

 IdeaPad Yoga 13は、Ultrabookでありながらハイパフォーマンスで、メイン製品として使えるスペックで、通常のノートPCスタイルで利用するだけでなく、タブレット、テント、スタンドと4つのモードを使い分けられる。液晶ディスプレイにはIPS液晶パネルを採用し、重要なアプリケーションもワンタッチで起動することが特徴となっている。

 色はグラファイトグレー、クレメンタインオレンジの2色で、Intel Core i7-3517Uにメモリ8GB搭載したモデルと、Core i5-3317Uにメモリ4GBを搭載したモデルがあるが、「Yogaのような製品を最初に買われるお客様はハイエンド好きだと考え、i7搭載モデルを店頭で13万円前後、i5搭載モデルを12万円前後と、i7搭載モデルを魅力的な価格設定とした」(櫛田氏)ことも特徴となっている。

 4つのモードの使い分けとしては、「ノートブック、タブレットはよくある使い方だが、テントは省スペースで利用できるので、出先で狭いお店のテーブルに置いてといった時に力を発揮する。スタンドはソファに座ってなどテーブルのない状態で利用する際、両手が自由になるのでタッチ操作がしやすくなる」(櫛田氏)と場面にあわせて特性が活きるという。

 ヒンジは25,000回開閉の耐久テストを実施しており、「1日当たり5回から10回動かしても6~7年は持つ計算になるので、ノートPCとしての寿命は十分にクリアしている」という。

 重量は1.5kgを切った1.498kg。高付加価値商品として見た目も重視し、表面はラバーフィーリング仕上げとなっている。

 なお、海外ではWindows RTを搭載した11型のYogaを発売しているが、「日本では13型に注力するということで、この製品は発売しない」(大岩執行役員常務)と説明している。

レノボ・ジャパン株式会社 IdeaPad 製品担当の櫛田弘之氏レノボ・ジャパン株式会社 執行役員常務 大岩憲三氏360度オープンのUltrabook「Yogo13」ついに登場
IdeaPad Yoga13の特徴Yoga13の主なスペックYoga13の主な特長その1
Yogaの13の主な特長その2さまざまなスタイルで利用可能
どんな開閉状態でも使いやすいテクノロジー2つのヒンジで0度から360度まで回転ISP液晶パネル採用
液晶パネルの開閉角度で自動的にキーボードロック1.5kgを切る軽量化を実現
レノボ独自のソフトウェア搭載見た目も重視
IdeaPad Yoga13

 Windows 8搭載タブレット「IdeaTab K3011W」はノートPCとタブレットの良いところ取りをした製品。Atom Z2760を搭載し、タブレットでありながら、取り外し可能なキーボードを標準搭載し、タブレット8時間、キーボード内蔵バッテリ8時間で合計16時間バッテリ駆動する。11.6型IPS液晶を搭載し、キーボードは簡単に着脱可能で、利用場面によって使い分けることができる。タブレットは5本の指を同時に認識する5点マルチタッチ。タブレットは667g、キーボードは683gで、両方あわせても1.35kgとなっている。

 「元々はタブレットとして誕生した製品に、ノートPCの良いところを組み合わせた製品。バッテリ駆動時間が16時間と長いので、十分外出先でも利用することができる。12月上旬販売開始予定で、スペックは現時点で確定していないものもある。価格は7万円前後を予定している」(レノボ・ジャパン IdeaCentere・タブレット製品担当 藤井宏明氏)とした。

レノボ・ジャパン株式会社 IdeaCentre・タブレット製品担当 藤井宏明氏IdeaTab K3011Wの特徴
IdeaTab K3011Wのキーボードの着脱
IdeaTab K3011W

(2012年 10月 19日)

[Reported by 三浦 優子]