NECは18日、Androidタブレット「LifeTouch L」の発表会を開催。同社パーソナルソリューション事業本部長の西大和男氏が同社のスマートデバイス戦略を、パーソナルソリューション事業本部クラウドデバイス事業部統括マネージャーの渡邉敏博氏が新製品の特徴を説明した。
製品の詳細は関連記事に詳しいが、発表会で取り上げられた特徴的な点についてこちらでも紹介する。
西大和男氏 | 渡邉敏博氏 |
●購入してすぐ使える家庭向け製品
本製品の大きな特徴は、「簡単に使える」、「機器連携」、「子供向けモード搭載」の3つ。
本製品のストレージ32GBモデルは、初心者を含むマジョリティを対象としており、購入後にマーケットで検索/ダウンロードしなくても即使えるよう、約50種類のアプリをプリインストールした。インストールしただけでは、アプリ一覧にアイコンが雑多に並ぶだけだが、独自のナビアプリ/ウィジェットも搭載し、メール、写真、Officeといった用途をたどっていくと、その機能を持つアプリを起動できる。このほか、同社が検証したお勧めアプリの紹介サイトも運営する。
「アプリ&サポートナビ」アプリで、目的からアプリを探せる | 同様の機能はホーム画面にもウィジェットとして搭載 | 特設サイトでLifeTouch L向けアプリの紹介もしていく |
機器連携は、デジカメ、プリンタ、TV/レコーダーと連携できるようになっている。デジカメは、USBケーブルで本体につなぐと、ウィジェット上にサムネールが自動表示され、後は目的の写真を選んで、本体へコピーしたり、SNSなどにアップロードできる。印刷機能も標準搭載し、ネットワークプリンタやPCにUSB接続されたローカルプリンタから印刷することができる。TV/レコーダーとは、DTCP-IP対応のソフトを使ってストリーミング視聴や、番組の持ち出しができる。同社では5GHz帯のWi-Fiも使えるので、他の機器や電子レンジなどのと干渉が少なく、また、TIのOMAP 4460 CPUにより、ダイレクト録画された番組もコマ落ちなく再生できることをウリとしている。
デジカメをつなぐと、独自ウィジェットにサムネールが自動表示され、必要なものをコピー/アップロードできる | PC用のネットワーク/ローカルプリンタを利用可能 |
子供向けモードの「こどもーど」は、家庭内で親子が1つの製品を共有することを想定し開発された機能。こどもーどをオンにすると、子供に利用許可するアプリの選択と、Webフィルタリングができるようになる。例えば、マーケットアプリや設定アプリを無効にしておけば、不用意に製品の設定が変えられることがなくなる。こどもーどは、1度オンにすると、パスワード入力して通常モードにしても、スリープすると再度有効になるので、自宅に置きっ放しにしておいて、その間に子供が触っても、こどもーどで実行される。
こどもーどの概要 | 子供向けアプリもいくつか搭載する |
ハードウェアの主な仕様は、CPUがTI OMAP 4460(1.5GHzデュアルコア)、メモリ1GB、ストレージ16/32GB、1,280×800ドット表示対応10.1型IPS液晶、Android 4.0。本体サイズは257×181×7.99mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約540g。バッテリ容量は約7,400mAhで、駆動時間はWeb閲覧時で約13時間、動画再生時で約10時間。
本体正面 | 背面 | 上面 |
左側面 | 下面 | 右側面 |
本製品は同社初のコンシューマ向けAndroidタブレットとなるが、今回の発表会では法人向けにも投入されることが明らかにされた。法人向けでは、これらのコンシューマ向けアプリは排除され、代わりにリモート会議ソフト(要別途契約)などを利用できる。ハードウェアは本体色が黒となること以外は16GBモデルと共通。発売は7月下旬。
●iPadとも十分張り合える製品西大和男氏によると、現在NECでは、タブレット製品について、同社の「C&Cクラウド」戦略のフロントエンド端末の中で、サイズ的にはPCと携帯電話(スマートフォン)の中間的存在であり、かつこれまでにない利用スタイルを提供する重要な役割を果たす製品と位置づけているという。
このタブレットの中には、Android製品もWindows製品も含まれており、同社は、それらがネットワーク/クラウドを通じて、OSの垣根を越え、PCやスマートフォンなど他の端末ともシームレスにつながるUIやソリューションの提供を目指す。
具体的な製品構成としては、Android搭載の「LifeTouch」(個人/法人向け)、Windows搭載の「VersaPro」(法人向け)と「LaVie Touch」(個人向け)、携帯電話キャリア向けの「MEDIAS TAB」、カスタマイズ前提の法人向け「パネルコンピュータ」の5つとなる。
こういった多彩な製品バリエーションと、豊富なアプリケーション、機器連携を武器に他社との差別化を図るが、西大氏は今回のLifeTouch Lについて、「ハードウェアとしてだけみても、iPadと十分に張り合える製品」と述べ、高性能と薄さ軽さを両立させた本製品に大きな自信を見せた。
同社では2013年までにタブレット製品で累計出荷数100万台突破を目指す。
NECの5つのタブレット製品群 | 推進体制も強化する | 2013年度に累計100万台突破を目指す |
(2012年 6月 18日)
[Reported by 若杉 紀彦]