株式会社ヤマダ電機は、統合型オンラインプラットフォーム「ヤマダ電機マルチSNS」を6月7日よりサービス開始した。
ヤマダ電機マルチSNSは既存の家電ショッピングサイト「yamada-denkiweb.com」、日常品ショッピングサイト「ヤマダモール」、口コミレビューサイト「ピーチク パーク」に加えて、新たに開設予定のゲームサイト「ヤマダゲーム」、ネット対応TV向けコンテンツ「やまだテレビ」、写真共有サービス「ヤマダフォト(仮称)」、中古販売サイト「ヤマダセカンド(仮称)」を同一のIDとパスワードで利用できるプラットフォーム。
ヤマダ電機マルチSNSでは、各サイトでのユーザーの利用状況や活動状況に応じて、ユーザーのランク付けを行なう。現時点ではランクの付け方や、ランクごとの優遇などは未定だが、リアル店舗も含めて、例えばポイント還元率の増加など、高ランクユーザー向けのサービスを用意するとしている。
ネット事業展開の方針 | マルチSNSのイメージ |
新設の「Yamada Game」は多くの携帯電話向けオンラインゲームを提供する予定で、買い物などで貯めたポイントをゲーム内で利用できる仕組みなどを用意する。対応端末はAndroid 2.2以降のスマートフォンやフィーチャーフォン。
やまだテレビは、アクトビラビデオフルに対応したTVを対象に、コミュニケーションやショッピング、生活情報、旅行情報、ビデオオンデマンドなどを提供する。
ヤマダフォトは写真中心のSNSサービス。現在開発中で、2012年夏より提供予定。また、ヤマダセカンドは中古品販売サイトとなる予定で、株式会社デファクト・スタンダードの「ブランディア」と提携し、家電だけでなく、ブランド品、アパレル、貴金属などを販売する。こちらの開始は7月中を予定している。
ヤマダゲーム | Android向けオンラインゲームを提供 | オリジナルコンテンツも10月以降展開予定 |
リアル店舗を絡めた展開 | やまだテレビ | やまだテレビの利用イメージ |
ヤマダフォト | ヤマダセカンド |
Windows 8向けのアプリとタブレットも用意する予定 |
さらにヤマダ電機マルチSNSを利用できる、Windows 8向けのMetroアプリをMicrosoftと共同で開発中で、2012年末に投入予定としている。これを搭載したタブレットPC端末も用意する予定としているが、提供方法、ブランド、スペック、価格などは一切未定。
7日に行なわれた発表会では、ヤマダ電機 代表取締役社長 兼 代表執行役員COO 一宮忠男氏がサービスの概要を説明。「現在ヤマダ電機のアクティブ会員(過去1年に利用実績のある会員)は2,350万人にのぼるが、この大規模なコミュニティをマルチSNSと統合することで、コミュニティ外ユーザーの誘導も行なえる。またリアル店舗との強化も図れる」と説明した。
また、現在の同社のネットでの売上実績は年間300億円だが、SNSの投入により年間売上1,000億円ベースの実現を目指す。同社 取締役 兼 執行役員副社長 飯塚裕恭氏は、「マルチSNSでは会員をランク付けするが、ワンランク上の会員をそれぞれ5%増やすだけで500億円の売り上げ増に繋がると見込んでいる。新たに開始されるゲームやフォトサービスにより売上を上積みしたい」と語った。
質疑応答では、Windows 8搭載タブレットへの質問も投げかけられたが、一宮氏は「現段階ではまだMicrosoftとアプリケーションを共同開発している段階で、どのハードウェアに載せるのか、どんな形で提供できるのかといったことは一切決まっていない」と答えた。
一宮忠男氏 | 飯塚裕恭氏 |
ヤマダ電機のコミュニティは2,350万人規模 | 年間売上の拡大 |
(2012年 6月 7日)
[Reported by 劉 尭]