NECパーソナルコンピュータ、2012夏モデル発表会
~Ultrabookは開発中

LaVie Lの新色ゴールドを持つフリーキャスターの西島まどかさん

5月17日より順次発売

価格:オープンプライス



 NECパーソナルコンピュータ株式会社は8日、2012年PC夏モデルの発表会を開催。レノボとの合弁による成果や今後の方針、新モデルを紹介した。製品個々の詳細については関連記事を参照されたい。

NECパーソナルコンピュータ 高塚栄 代表取締役社長

 発表会の冒頭、NECパーソナルコンピュータ 高塚栄 代表取締役社長は、NECレノボ・ジャパングループ発足以来の成果を紹介。当初は文化が違ってどのように効率的にやっていくのか不安な部分もあったというか、現状は「極めてうまく進んできていると考える」と評価した。

 NECレノボ・ジャパングループは2011年7月に発足し、それ以降、9月に秋冬モデル、10月に「とことんサポートPC」を発表。2012年1月にはサポート無償化、1日修理などのアフターケアの面で成果があった。2月にはデスクトップPCだけだが春モデルを発表し、2011年全体で、NEC単独でシェア1位を獲得。2012年に入ってからも、1~3月もシェア1位だという。

 高塚社長は1日修理について、「PCが生活の中で重要な位置を占めている。1日でも早く修理をしてお返ししたい」という考えから、早期の1日修理体制の立ち上げられたとした。

 2012年度の方針については、前任の高須氏からの「安心・簡単・快適」の3つを継続しつつ、「イノベーションへの挑戦」というテーマで進め、「安心・簡単・快適に加えて、驚きを与えたい」と語った。

 具体的には、既存製品は先進性や高品質といった基準の追求、PCのTV機能の再定義、わくわくするような新商品を3つを挙げた。TVの再定義は「以前はTVが映るだけが特徴だったが、今回の商品は機能の高いものになった。PCが個室の情報端末の本命になると期待している」とし、新商品については、「(今期は)Ultrabook、タブレット、Windows 8といったキーワードがあり、イノベーティブな製品にも取り組む」とした。

 高塚氏はPCを中心に据えるためのクラウドにも触れ、TVやタブレット、スマートフォンなど、さまざまなスクリーンの端末があるが、全てからアクセスできるクラウドは重要なファクターになるとする。そのクラウドを活用する中心にPCがあり、ますます重要になるだろうと期待を込めた。

NECレノボ・ジャパングループの歩み2012年度は「イノベーションへの挑戦」
NECパーソナルコンピュータ 商品開発・商品企画担当 小野寺忠司執行役員

 続いて、NECパーソナルコンピュータ 商品開発・商品企画担当の小野寺忠司 執行役員がレノボとの商品企画、開発体制を説明。レノボには中国、米国、そしてIBM時代からの大和研究所の拠点があり、NECパーソナルコンピュータは日本市場に特化した米沢事業所がある。

 レノボのグローバル体制により、NECパーソナルコンピュータにもアドバンテージがあることを紹介。1つは共同購入によるスケールメリットで、その金額を開発へと再投資して戦略商品を開発。また、レノボが世界でも大きなプレーヤーになっていることから、いち早く最先端の技術にアクセスできる点、NECパーソナルコンピュータの技術をレノボの製品にも適用して効率化することを挙げた。

 高塚社長によると、レノボのボリュームはNECパーソナルコンピュータの14~15倍程度で大きなスケールメリットがあり、これらが新たな付加価値の開発投資や、電話サポート無償化などにつながっているという。

 そして小野寺氏は、企画と開発の両輪をスピードアップし、「世界初」や「世界一」の技術を目指してやりたいとした。

レノボグループによるNECのアドバンテージ「世界一」や「世界初」を目指す
NECパーソナルコンピュータ コンシューマPC商品企画本部 栗山浩一本部長

 最後に、NECパーソナルコンピュータ コンシューマPC商品企画本部の栗山浩一 本部長が新商品を紹介。その中で、今回のVALUESTAR W/Nシリーズと、LaVieシリーズを連携させる機能を見せた。

 大きなトピックは、VALUESTARのTVチューナを使って、LaVieからネットワーク経由でライブ放送を視聴できる機能。動作条件は今回の夏モデルのうち、配信できるモデルはダブルチューナ搭載のVALUESTARシリーズ。視聴は専用ソフト「SmartVision PLAYER」を利用する。SmartVision PLAYERは今回のLaVieシリーズにプリインストールされるほか、Windows 7を搭載する従来のLaVieシリーズ向けにも、有償で提供予定。配信側については、従来モデルのSmartVisionアップデータなどは無く、今回のモデル以降の対応となる。空きチューナを利用するため、ダブル録画など2つともチューナを使っている場合は配信できない。

 SmartVision PLAYERはライブのほか、録画番組の視聴も可能。配信側は、録画済みの番組をトランスコードしながらスマートフォン/タブレットに配信したり、ネットワーク経由で持ち出せる「外でもVIDEOワイヤレス」機能などが追加された。SmartVision自体にも、DLNAおよびDTCP-IP対応TV/レコーダの録画番組が観られるクライアント機能を搭載する。

TV機能の連携を強化ライブ視聴ソフトは「SmartVision PLAYER」VALUESTAR Wから、LaVie Lにライブ配信しているデモ

 このほか、節電のトピックとして、でんき予報と自動で連動するピークシフト機能(LaVieシリーズ)や、電力需給に合わせて自動でECOモードに切り替える機能(LaVie E以外すべて)などを紹介した。

 質疑応答ではUltrabookについて聞かれ、高塚社長は「必ず聞かれると思っていた。あっと驚くものを世の中に出したい。開発しているのは事実」と、既報通り開発中であることを表明した。

(2012年 5月 8日)

[Reported by 山田 幸治]