日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は9日、ワークステーション「Z」シリーズの新製品を4製品発表。これに伴い都内で記者説明会を開催した。
別記事で既報の通り、日本HPはツールレスでメンテナンスができる一体型ワークステーション「Z1」を発表。このほかにも、「Z400」、「Z600」、「Z800」の後継となる「Z420」、「Z620」、「Z820」の3製品を発表した。
Z420/Z620/Z820の3製品ともに、NehalemベースからSandy Bridge-Eベースへアーキテクチャを一新。最大メモリ搭載容量は順に64GB、96GB、512GBとなった。また、水冷ユニットが第3世代となり、ヘッドとラジエータが一体型となったタイプを採用した。さらに、下位モデルでもNVIDIAのGPGPU専用カード「Tesla C2075」が装着できるようになっている。
Z420はシングルCPUがベースのワークステーション。CPU、メモリ、HDD、ビデオカード、OSなどを選択できる。最小構成は、Xeon E5-1603(2.80GHz)、Intel C602チップセット、メモリ2GB、500GB HDD、ビデオカードなし、DVD-ROMドライブ、OSなしなどとなっている。価格は141,750円から。
Z620はシングルCPUベースだが、オプションのライザーカードでデュアルCPUへアップグレードできる。価格は160,650円から。
Z820はデュアルCPUベースのワークステーションで、Xeon E5-2600番台を搭載。価格は21万円から。
発表会の冒頭では、同社 取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の岡隆史氏が挨拶。「我々HPは、“Computer is Personal Again”(コンピュータは再び個人的なものに)のスローガンを抱え、それぞれのユーザーに適したコンピューティングを提供してきた。例えばタッチ対応の一体型や、メンテナンス性を高めた製品、持ち運び可能なノート製品、シンクライアント、低価格PC、ガラスやデザイナーによる絵柄など、ファッショナブルなデザインを実現した製品など、イノベーションを駆使して、各々のユーザーのニーズに応えてきた」と語った。
その一方で、日本HPとして日本市場に特化した製品やサービスも展開してきたとする。「短納期のニーズに対する東京生産、小規模顧客にも対応できるカスタマイズ、休日修理サービスなどが挙げられるが、今回の一体型のZ1シリーズも日本発の製品である。妥協のないパフォーマンスを、日本のオフィス事情に合わせて、コンパクトに集約。Z1の能力で、デザイナーやアニメーターなどはアイディアを存分に発揮できるだろう」と述べた。
岡隆史氏 | HPのスローガン |
日本ならではのサービスや製品 | Z1の特徴 |
同社 パーソナル・システムズ事業統括 ソリューション製品本部 本部長の小島順氏は、「海外のワークステーション開発担当者を実際に日本に連れてきて、日本ならではの狭いオフィス事情を見てもらい、それからZ1の開発に携わった。狭いスペースでも十分なパフォーマンスを引き出すとともに、Zシリーズの流れを汲むツールレスメンテナンスを採用。日本で要求した製品は世界でも売れるだろう」と説明した。
Z1の想定利用シーンとしては、CADやエンジニア設計のほか、デザインが求められる教育分野、官公庁、組み込みなどを挙げた。また今回、デザインと性能を重視するエグゼグティブや、高解像度を必要とするパワーオフィスユーザーへの展開も見込むという。
小島順氏 | Z1のマーケット | メンテナンス性に優れた筐体 |
世界初を謳う“真の”オールインワンワークステーション | Z1の想定顧客 | Z420/Z620/Z820の特徴 |
水冷ユニットの進化 | パフォーマンスの比較 |
サポートやツールも充実させた | 製品ラインナップの一覧 |
(2012年 4月 9日)
[Reported by 劉 尭]