株式会社リンクスインターナショナルは21日、香港Galaxy Microsystemsと代理店契約を締結したと発表した。第1弾製品として、GeForce GTX 550 Ti/560 Ti/580などを4製品を順次投入する。
GeForce GTX 550 Ti | GeForce GTX 560 Ti | GeForce GTX 560 Ti White Edition |
GeForce GTX 560 Ti White Editionの裏 | GeForce GTX 580 MDTのデモ |
代表取締役 川島義之氏 |
代理店契約の発表にあわせて、同社は都内で記者会見を開催し、リンクスインターナショナルの代表取締役 川島義之氏が挨拶。「我々は代理店事業を展開しているが、日本で海外のさまざまなメーカーのシェア拡大を実現した。しかしながら取り扱っているカテゴリとしてちょうどビデオカードの分野が手薄であり、今回タイミングよくGalaxyと提携することができた。日本で一番可能性のあるブランドとして期待しており、今後は事業の拡大でシェアNo.1を目指したい」と述べた。
また、Galaxy MicrosystemsのKevin Poon氏は、「これまで日本でも多くのパートナーと協力して、たくさんの活動をしてきた。今回新たにパートナーが加わるのは嬉しく思う。日本のユーザーの技術や知識は世界でもトップレベルであり、オーバークロックやゲーミング分野に注力している我々はこれらのユーザーニーズにフィットする。特にGalaxyではPCB(基板)設計に注力しており、デュアルBIOSやマルチディスプレイなどオリジナル機能が多い。これらの製品を、リンクスを通して投入していくことで市場を広げていきたい」と述べた。
NVIDIA チャネルマーケティング&セールスマネージャーの高橋一則氏もゲストとして登壇し、「今回の代理店契約のアナウンスは我々にとっても喜ばしいことだ。Galaxyは日本市場を意識した製品開発や、オーバークロック大会を実施するなど、ハイエンドを意識した製品展開をしている。一方でリンクスも日本で実績のある代理店であり、ゲーミングに関してはさまざまな周辺機器とのコラボを実現している。今後はこのリンクスの動力源を活用して、ユーザーイベントなどへの展開に期待をしたい」と語った。
Kevin Poon氏 | 高橋一則氏 |
Duck氏によるデモ |
発表会では、オーバークロッカーとして有名なDuck氏も登場し、白基板の「GeForce GTX 560 Ti White Edition」を使った液体窒素のオーバークロックを披露した。560 Ti White Editionは、同じ製品名ながら実は中身が少しずつマイナーチェンジしており、今回リンクス経由で投入されるのは第3世代となる。第1世代と比べると、電源回路周りの設計が一新されており、より極冷(いわゆる液体窒素などで冷却する環境)に強い仕様になっている。
Duck氏によれば、従来ビデオカードを極冷する際は、ビデオカードを特殊な素材でコーティングするなど、結露防止対策(いわゆる養生)を取る必要がある。これは液体窒素によって冷えた空気が、基板上のGPU以外の電源回路などのパーツの発熱によって結露し、ショートしてしまうためだ。しかし560 Ti White Editionではパーツの発熱が極端に少なく、結露してしまうことがないため、養生を施す必要がないという。
また、現在開発中である「OC Panel」への接続コネクタも新たに用意。詳細は触れられなかったが、試作品を見る限り、10個のトグルスイッチが用意されており、それぞれのスイッチの切り替えによって電圧を調整したり、BIOSの切り替えやオフセット電圧の設定などが可能となっていた。
デモでは、コアクロックをあっさり1,300MHz超(リファレンスは822MHz)にオーバークロックし、3DMark11が完走する様子を見せた。560 Ti White Editionの第3世代ではBIOSが未調整のため、-60℃以下になると描画が遅くなる「コールドバグ」が存在する。しかしながら-50℃以上だとフリーズしてしまう恐れがあるため、液体窒素の微妙なさじ加減が必要だ。特に3DMark11のシーンとシーンの間のローディング中は負荷が下がり、液体窒素の容器にまだ液体窒素が残っていると、途端に-60℃を下回ってしまう恐れがある。筆者も実際に試してみたが、シーン2のローディング画面で-60℃を下回ってしまい、スコアがかなり低下してしまった。タイミングを見計らってちょうどいい量の液体窒素を投入できる人というのが、「プロのオーバークロッカー」と呼ばれる由縁だろう。
(2012年 3月 22日)
[Reported by 劉 尭]