米Intelは1月19日(現地時間)、2011年第4四半期および通年の決算を発表した。
これによれば、通期の売上高は前年比24%増で過去最高となる540億ドル、営業利益は175億ドル、純利益は129億ドル、1株あたりの利益は2ドル39セントとなった。2011年に営業活動を通じて約210億ドルの現金を創出し、41億ドルの配当金を支払った。また、6億4,200万の普通株式を141億ドルで買い戻した。
第4四半期単期では、売上高は139億ドル、営業利益は46億ドル、純利益は34億ドル、1株あたりの利益は64セントだった。
リリースの中でIntel社長 兼 CEOのポール・オッテリーニ氏は、「当社の優れた業務遂行により、売上は100億ドル以上増加し、年間の売上高と利益のすべてで過去の記録を大きく上回りました。2012年は素晴らしい製品と技術が控えており、Ultrabook製品やデータセンター、セキュリティ、さらにはIAベースのスマートフォンやタブレットの投入により、世界規模の成長機会に期待しています」と述べた。
●2012年、日本ではUltrabookに注力決算発表に合わせて、日本法人であるインテル株式会社は、都内で記者会見を開催し、同社代表取締役社長の吉田和正氏が、決算内容を報告するとともに、2012年の展望について語った。
Intelは2011年度の売上高が500億ドルを超え、過去最高を記録したが、吉田氏によれば、これは特に新興国におけるICTの需要と、スマートフォンの普及に伴うクラウドサービスの普及、それによって発生したデータセンターの増加によって牽引されたものであると分析した。
2012年について、まずUltrabookの普及について言及した。「Ultrabookは現在第1世代にあたるが、既に消費者や量販店から高い評価を得ている。現在は全世界で約60種類の製品開発が進行しており、2012年はタッチ操作ができるもの、タブレットとしても使えるものなど、さまざまな形状で新たに市場に投入されていくだろう」と述べた。
一方Intelにとっても、技術革新こそがコアコンピタンスであり、2012年はトライゲートトランジスタ、22nmプロセスを採用したIvy Bridgeこと第3世代Coreプロセッサを投入し、Ultrabookのプラットフォームを刷新していく。Ultrabookにおいて処理能力の向上、消費電力の削減という2つの目標を実現したいとした。また、ハードウェア面のみならず、ソフトウェア面でもパートナーと協力し、ユーザーによりよい体験を実現していきたいとした。
2012 International CESでは、IAアーキテクチャを採用したAndroidのタブレットやスマートフォンを発表し、LenovoおよびMotorolaから2012年第2位四半期以降に中国および世界市場投入していくことが決定したが、日本においても早期投入できるよう努力していきたいとした。
クラウドサービスの増加により、需要が増しているサーバー分野においては、Xeon E5プロセッサの投入により、性能向上と消費電力の削減に努る。また、クラウドにおいては利便性のみならず、安全面でも重要視されていることを指摘し、買収したMcAfeeの技術をハードウェアに組み込むことで、Intelのハードウェア特性を活かした革新的なセキュアアーキテクチャを実現し、企業においてそれを活用できる環境作りを目指すとした。
一方で、ICTの活用により、社会に貢献していくというインテルの考え方も引き続き推進していくとした。
日本においては、企業のグローバル化、人材採用などにおいて、大きな問題を抱えているが、ICTによってこれらの問題を解決していきたいとする。インテルは2011年から、つくば市および筑波大学と協力して、「つくば2015:つくばが変わる、日本が変わる」と呼ばれるプロジェクトを実践。ICTを活用し、教育環境を改善することで、考える力、問題を解決する力、ICTの利用能力を備えた21世紀型スキルを持つ人材を育成することで、社会に貢献していきたいとした。
震災復興やヘルスケア、エネルギー問題においても、ICTを活用/提案していくことで、インテルが考える「人の絆を深める、より豊かな社会を形成する」ことを実現していきたいとした。
Ultrabook製品も展示 | 日本HPが19日に発表したUltrabook「Folio 13 Notebook PC」 | SSDシリーズ |
電子書籍についても取り組んでいる | A&DのBluetooth対応血圧計。血圧数値をBluetoothでPCに転送し、一元管理できる | 血圧計対応のソフトウェア。Intelのロゴが見える |
(2012年 1月 20日)
[Reported by 劉 尭]