富士通、ノートで「出雲モデル」、デスクトップで「伊達モデル」を展開
~島根富士通で出雲モデル第1号を出荷

出雲モデルと伊達モデルによるプロモーション

9月22日 発表



 富士通株式会社は22日、ノートPCの生産拠点である島根富士通(島根県斐川町)で生産する製品を「出雲モデル」として、デスクトップPCの生産拠点である富士通アイソテック(福島県伊達市)で生産する製品を「伊達モデル」として、プロモーションを行なうことを発表した。

 島根富士通は1990年に開設以来21年間に渡り、ノートPCを中心に生産を行ない、富士通アイソテックでは、1975年に開設以来、現在ではデスクトップPCのアセンブリを行なっている。

 富士通では、Made in Japanの高品質、高信頼をアピールするために、出雲モデル、伊達モデルとしてのプロモーション展開を行なうとした。

出雲モデルのロゴマーク伊達モデルのロゴマーク出雲モデルの第1号製品のネジを締める(左から)島根県簸川郡斐川町の勝部勝明町長、島根県出雲市の長岡秀人市長、富士通 パーソナルビジネス本部本部長の齋藤邦彰執行役員、島根富士通の宇佐美隆一社長
完成した出雲モデル第1号製品出雲モデルの第1号モデルを前にする齋藤執行役員出雲モデルが生産される島根富士通

 富士通 パーソナルビジネス本部本部長の齋藤邦彰執行役員は、「富士通がいち早く優れた技術を市場に投入できるのは、設計、開発、製造、営業が、国内でタイトにリンクしている点が大きい。島根、福島にカスタマイズ機能を持った量産工場を持っており、きめ細かいカスタマイズ、素早いターンアラウンド、自社設計、自社生産によるベストフィットPCを生産できる。これを武器にお客様の満足度を高めることができる。ボリュームだけ、価格だけの製品ではなく付加価値型の製品を作ることが国内生産で生きる道。今後、出雲モデル、伊達モデルの比重をどけだけ増やせるかが鍵になる」と語った。

 また、島根富士通の宇佐美隆一社長は、「出雲地域は離職率が1%以下となっており、従業員の能力を最大限に活かすことができるのか特徴。年間に約半分の従業員が入れ替わるといわれる中国の生産体制にはないもの。島根富士通によるモノづくりは永遠に続いていくだろう」と、出雲モデルが高い品質である背景について述べた。

富士通 パーソナルビジネス本部本部長の齋藤邦彰執行役員島根富士通の宇佐美隆一社長

 なお、富士通は2011年で、パソコンを投入してから30年目を迎えることになり、今後、年間1,000万台の出荷を目指し、海外出荷比率を70%にまで引き上げる考えを示した。

 島根富士通では、2011年9月22日、島根富士通で、出雲モデルの第1号機を出荷。島根県出雲市の長岡秀人市長、斐川町の勝部勝明町長が島根富士通を訪れ、出雲モデルの第1号機の出荷に立ち会った。

 島根県出雲市の長岡秀人市長は、「出雲は、知名度では全国的にも高く、日本のふるさと、神話の国というイメージがある。2010年から、富士通に出雲というブランドを活用してほしいとお願いしてきた。10月1日の斐川町との合併を機に、こうした製品が登場することは喜ばしい。シャープの液晶TVの亀山モデルを超えるアピールができるだろう。国内で一貫したよりよいものを作る姿勢が出雲のブランドにふさわしい」とコメント。さらに、富士通が生産拠点を立地していることもあり、出雲市と斐川町が、福島県伊達市に救援物資を贈るといった支援が行なわれたことも明らかにした。

 斐川町の勝部勝明町長は、「10月1日の出雲市、斐川町の合併を記念して、出雲モデルが登場することに感謝をしている。この地の発展には、島根富士通の貢献が大きい。今後の出雲市の発展にも島根富士通は欠かせない。斐川町民は、真面目であり、勤勉である。それもあり、島根富士通が立地されたと考えている。出雲の国は縁結びの国である。世界各国の人たちと絆を結び、縁を結ぶPCとなり、島根富士通の今後の3,000万台の累計生産に向けての発展を期待したい」とした。

島根県出雲市の長岡秀人市長島根県簸川郡斐川町の勝部勝明町長

 島根富士通は、島根県簸川郡斐川町に立地するが、10月1日付けで同町が島根県出雲市に編入合併されることになり、出雲市で生産することになるため、これにあわせて今回の「出雲モデル」のブランド戦略を推進することになる。

 斐川町は、1955年に斐川村として誕生。1965年には斐川町となり、島根富士通近くの荒神谷遺跡では、青銅器の大量出土などが大きな注目を集めた。また、三大美人湯の1つでもある湯の川温泉も町内にある。

 島根富士通は、出雲縁結び空港と出雲市の中間に位置し、出雲大社も車で約20分の距離にあり、出雲とは近い関係にあったが、生産拠点が出雲市内ではないことから、「Made in Japan」とし、出雲ブランドの使用は行なわないでいた。

出雲市役所では斐川町の合併を示す垂れ幕がかかっている斐川町役場でも出雲市への移行を示す表示が掲示されていた町役場の自動車にも合併の表記が行なわれて、町全体に告知している

(2011年 9月 22日)

[Reported by 大河原 克行]