エプソン、プロジェクター10機種を一斉に投入
~A4サイズ/1.7kg/44mm厚のモバイルモデルが登場

10月中旬から順次発売
価格:オープンプライス



 エプソンは、ビジネス市場向けの「オフィリオプロジェクター」10機種を10月中旬から順次発売する。価格はオープンプライス。

 今回発表されたのは、スタンダードモデル3機種、薄型のモバイルモデル4機種、会議室やホールに固定される常設モデル3機種。

 注目されるのは、モバイルモデルの最上位機種「EB-1775W」だ。A4サイズ/約1.7kgの軽量ボディで、3LCD(3源色液晶シャッター)方式では最薄の厚さ44mmを実現している。また、ノートPCと同等のWXGA(1280×800ドット)の解像度と、3,000lmという明るさを実現した。10月下旬の発売で、店頭予想価格は17万円台後半の見込み。

 また、投影時に必要な調整を自動化した「かんたんセットアップ」を搭載し、専用ボタンを2回押すだけで、スクリーン枠に合わせて映像を四角く調整し、フォーカスも合わせてくれる。

 モバイルモデルでは、プロジェクターを使用する現場での使いやすさに配慮されている。短焦点レンズ搭載によりスクリーンとの距離が短く机のスペースが広く使える点や、本体前面から排気することで同席者に熱風を吹き付けないなどの点が強調されていた。

 ホームシアタープロジェクタ「dreamio」3機種と合同で行なわれた発表会では、主要機種の実機デモが行なわれ、EB-1775Wの「かんたんセットアップ」機能を試す人が多かった。また、店頭予想価格8万円台後半ながらワイド画面に対応した「EB-W10」も人を集めていた。こちらは10月中旬に発売予定。

EB-1775W。片手で持てる軽さと薄さ右のスタンダードモデルと比べると薄さが際立つスタンダードモデルながらWXGA対応の「EB-W10」
かんたんセットアップの実演。わざと画面をずらして「かんたんセットアップ」ボタンを押した状態。まず「自動タテヨコ補正」を行なうまだスクリーンから画像がはみ出している。黄色の枠がスクリーンより大きくなるように本体位置かズームで調整する画像とスクリーンがピッタリ合う
かんたんセットアップで、すぐに確実に使えるを実現する今回発表された製品の予想市場価格一覧今回発表の10機種で7万8千台を見込む

 なお、ビジネス用プロジェクターでは、本体が低価格化する一方で、出張修理が前提のため無償修理契約費用が高いのがネックになっていたが、今回から、故障時には製品を引き取って3日後に修理して届ける「エプソン引取保守パック」が用意された。これは、修理に多少の日時がかかっても、費用負担を抑えたいというユーザーに適している。EB-1775Wを例に取ると、購入同時3年で19,980円となっている。

出張修理はいらないが、手間をかけずに早く安く直したいという要望がある2つの保守契約から選択できる新サービスは、1年間の無償保証と手厚い代替機サービスの中間にあたる

 ビジネス用プロジェクターは発展を続けており、2010年度の国内市場は18万8千台が見込まれている。うち、エプソンでは9万4千台を売り上げるもくろみで、シェア50%以上を確保するとしている。質疑応答では「できれば10万台を越えたい」という発言もあった。

世界市場ではリーマンショックの影響も少なく、成長が続いているエプソンの地域別シェア国内プロジェクター市場の推移。エプソンは2009年に入ってシェアを伸ばした
10人以下の会議でもプロジェクターを使用するようになった重視されるのは「明るさ」「価格」「重量」「サイズ/形状」PC液晶のワイド化に合わせて、プロジェクターのワイド化を訴求する

(2010年 9月 17日)

[Reported by 伊達 浩二]