8月16日(スイス時間) 発表
世界貿易機関(WTO:World Trade Organization)は16日(スイス時間)、EUがIT製品に不当な関税を課していると日本、アメリカ、台湾が提訴した問題について、日本側の主張を認める判断を下した。
WTOに加盟している国、地域はIT製品の関税を0%にする「情報技術協定」を結んでいるが、EUはプリンタ複合機をコピー機、液晶ディスプレイをTVとして扱い、6%~14%の関税を課している。ケーブルTV受信機(セットトップボックス)も同様に扱われている。これに対し、日米台が協定違反だとしてWTOに提訴していた。
直嶋経済産業大臣は「これは、政府・産業界が長年にわたり緊密に協力して得た大きな成果であり、我が国としてこの判断を歓迎する。また、我が国の正当な輸出機会を守るためにWTO紛争解決手続を活用することの有効性を示すものであり、非常に意義深い。EUが本小委員会の判断を受け入れ、速やかに関税賦課を廃止することを強く求める」との声明を出している。
社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)、社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会は(CIAJ)は、共同でコメントを発表。
「産業界では最新技術を製品に盛り込み多機能化させる傾向にあり、その結果、ITAの対象外とされて輸入関税が課される懸念があったが、今回のパネルの裁決によりそれが払拭されたことは、産業界の国際競争力の観点からも大変意義深いものである。産業界としては、今回の裁決に基づきEUが速やかに関税措置を撤廃することを希望するとともに、今後ともITAの維持と発展を通じた世界経済の更なる発展を期待したい」としている。
(2010年 8月 17日)
[Reported by 山田 幸治]