マイクロソフト、Office 2010を一般向けに販売開始

6月17日 発売



 マイクロソフト株式会社は、オフィス統合ソフト「Office 2010日本語版」の一般向け販売を17日より開始した。また、各社のプリインストールPCも本日以降、順次出荷開始される。これを受け同社は、Consumer Experience Media Dayという報道向けイベントを開催した。

 すでに発表されているように、店頭などで発売されるパッケージは「Personal」、「Home and Business」、「Professional」と、学校/学生向け「Professional Academic」の計4種類。同社インフォメーションワーカー ビジネス本部 業務執行役員 本部長の横井伸好氏によると、Office 2010のベータ版は、国内だけでこれまでにOffice 2007の3倍以上となる57万回のダウンロードがあり、製品版の予約受注数量はOffice 2007の2倍に達するといい、今後の普及に強い手応えを感じているという。

 さらに横井氏は、17日の時点で19社から424機種のOffice 2010プリインストールPCが発売されることを紹介。また、同ソフトのユーザーは、SkyDriveを利用してブラウザ上でOfficeドキュメントのプレビューや編集が可能な「Office Web Apps」が本日から利用可能(その他のユーザーには順次適用)されること、Office XP以降のユーザーに対してIME 2010を無償ダウンロード提供開始することも改めて告知した。なお、PCプリインストール向けには安価なPersonal 2年間ライセンス版も用意される。

Office 2010のパッケージ版を紹介する横井伸好氏発売日を迎え、すでに評判は上々プリインストールPCも424機種が出荷開始

 こちらも過去記事で報じているとおり、東京の量販店店頭においては、冴子先生によるデモイベントも随時開催される。

堂山昌司氏

 Windows OSとOffice製品は、これまで同社の売上の主軸をなすものだった。この事実は向こう数年は変わらないと思うが、今現在、同社がもっとも注力しているのは、クラウドを活用したオンラインサービスだ。事実、同社代表執行役副社長の堂山昌司氏の冒頭のコメントでは、Officeについてはほとんど触れられず、Windows LiveやMicrosoft Advertisingなどのオンラインサービスの好調さについてアピールした。

 各Officeアプリケーションも、基本はPC上で動作するスタンドアロンクライアントアプリケーションだが、今回のバージョンでは、PC以外にWebブラウザおよびスマートフォン上でのアクセス、共有、編集と言った機能に特に焦点が当てられており、これもオンラインサービスを提供するソリューションの1つとして訴求されつつある。

 その具体例として、SkyDrive上に保存されたOneNote文書をスマートフォンで開き、そのままスマートフォンで写真を撮影して、貼り付けると、PCで開いている同じ文書にも、その変更が即座に変更されるデモが紹介された。

 このほか、Officeとは直接関係しないが、ソーシャルネットワークサービスとの連携能力が大幅に強化されたWindows Live Messengerや、複数の写真を1枚に合成して、被写体の状態をもっとも良いものにする機能などが追加されたWindows Live Photo Galleryなどもデモを交えて紹介された。これらを含むスイート製品のWindows Live Essentialsは、近日中にベータ版が提供され、年内に正式版がリリースされる見込み。

Windows PhoneもOffice 2010に対応これでSkyDrive上のOneNoteドキュメントを開き、写真を添付するとPCで開いている同じドキュメントにも即座に変更が反映
次期Live Photo Galleryの合成機能のデモ。この2枚の写真は、いずれも誰かしら正面を向いていないそこで合成機能を使い、写真上の任意の場所を指定すると、選んだ写真のどちらを使うかを選択できるあとはOKを押すと、選んだ方の画像が不自然な継ぎ目なく合成される
会場にはOEM PC各社の代表も勢揃い本日から店頭イベントを行なう冴子先生もフォトセッションに登場Windows Phone 6.5.3搭載の東芝製(KDDI)スマートフォンIS02

 なお、Office 2010からはプリインストール版も初回利用時(正確には30日以内)に、ユーザーがプロダクトキーを入力してアクティベーションすることが必要になった。プロダクトキーとインストールDVDは、灰色のパッケージに封入されているので、マイクロソフトでは、PC開梱後に誤って捨てないよう注意を呼びかけている。

 また、サポートに関してこれまでは4件までが無償サポートの範囲となっていたが、これは実際のユーザーの利用状況を考慮し、初めて問い合わせをした日から90日間へと改められた。

プリインストール版に同梱されるOfficeのパッケージ今回からアクティベーションが必要なので、この中にあるプロダクトキーは保管しておこう

(2010年 6月 17日)

[Reported by 若杉 紀彦]