パナソニックは2日、新型コンバーチブルタブレットPC「Let'snote C1」シリーズの発表会を都内で開催した。
Let'snote C1は、12.1型コンバーチブルタブレットPCとして世界最軽量、Let'snoteシリーズと同等の堅牢性や、長時間駆動を実現した製品。詳細は関連記事を参照されたい。
クラムシェルの形状 | コンバーチブルタブレットの状態。マルチタッチとペン入力の両方が可能 |
パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 奥田茂雄氏 |
発表会では、パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 システム事業グループ ITプロダクツビジネスユニット長の奥田茂雄氏が、新製品のコンセプトを説明した。
同社はモバイルノートPCのみを追求しており、「外に持ち出すことで業務効率に貢献したい」として、軽さと頑丈さという相反する要素を同時に実装してきた。奥田氏は、「フィールドモバイルのTOUGHBOOKは、タブレットやタッチ操作のインターフェイスでも評価されている。ビジネスモバイル(Let'snoteシリーズ)でもタッチの市場を広げたい」と語った。
今回投入した背景については、Windows 7のタッチ操作の認知が拡大しており、市場のタッチインターフェイスの普及を挙げた。しかし、コンバーチブルタブレットの弱点として、ヒンジが弱く壊れやすかったり、重量が軽くならない、長時間駆動できない、頑丈ではない、などといった課題があった。今回それらの問題点を、これまで同社がLet'snoteおよびTOUGHBOOKで培ってきた技術を用いて克服。「パナソニックならではのコンバーチブルタブレットPCとして開発した」という。
新製品の用途は、「さまざまな業界での活用を想定している。対面でのプレゼン、操作を簡略化する業界に役立つと考えている」とし、製薬やヘルスケア、保険業務、小売店といった幅広い分野に訴求する。続けて、タッチパネル搭載PCのデータを示し、2013年には2009年の6倍に増加して市場が広がると予測。奥田氏は「世界最軽量かつ、頑丈、長時間駆動のコンバーチブルタブレットPCに仕上げた」と自信を見せた。
重量、駆動時間、ヒンジの弱さといった課題点を解消 | 幅広い業務用途を見込んでいる | タッチパネル搭載PCの市場予測 |
続いて、パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 システム事業グループ ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンターの谷口尚史氏が、技術的な説明を行なった。
コンバーチブルタブレットで部品が重くなるディスプレイ部分には、厚さ0.7mmのタッチパネル強化ガラス、0.5mmのデジタイザー基板、0.21mmの液晶パネルを使用。マグネシウム合金の天板とフローティング構造を組み合わせ、堅牢性と軽さを両立させた。ヒンジについても3カ所にすることで強度を高めている。
タッチ操作には、ワコムの「feel IT technologies」を採用。今回のLet'snote C1には、Windows 7対応の電磁誘電方式ペンセンサーと、マルチタッチセンサーを搭載。指でのマルチタッチ操作、ペン入力の両方を使用できる。
ゲストとして招かれたマイクロソフト株式会社 コマーシャルWindows本部 シニアエグゼクティブプロダクトマネージャの細井智氏は、Windows 7の普及が進んでいることを紹介。それによって削減できるコスト、生産性向上によって生まれる余裕(お金や時間)を使って、プラスアルファの価値を生み出せるとし、「今回のLet'snote C1も新しい分野を拓く製品」と期待を寄せた。
パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 谷口尚史氏。今回のプレゼンテーションは実際にLet'snote C1を使って、手で持った状態で行なった | コンバーチブルタブレットのディスプレイ部分の構造 | マルチタッチ、ペンタブレットはワコムの「feel IT technologies」を採用した |
会場には分解して内部を公開しているマシンが展示された。
ばらされた状態のLet'snote C1 | メイン基板。中央から水が抜ける構造 | 天板部分。下側はバッテリが2個入るスペースが見える |
ディスプレイ部分 | 画面の回転や輝度調整などのボタンを備える | 天板は窪ませた逆ボンネット形状 |
3軸のヒンジでディスプレイの開閉、回転の力を分散 | キーボードとパームレストの部分 |
(2010年 6月 2日)
[Reported by 山田 幸治]