パナソニック、コンバーチブルタブレット「Let'snote C1」発表会
~インターフェイスはワコム「feel IT technologies」を採用

Let'snote C1

6月2日 開催



 パナソニックは2日、新型コンバーチブルタブレットPC「Let'snote C1」シリーズの発表会を都内で開催した。

 Let'snote C1は、12.1型コンバーチブルタブレットPCとして世界最軽量、Let'snoteシリーズと同等の堅牢性や、長時間駆動を実現した製品。詳細は関連記事を参照されたい。

クラムシェルの形状コンバーチブルタブレットの状態。マルチタッチとペン入力の両方が可能

パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 奥田茂雄氏

 発表会では、パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 システム事業グループ ITプロダクツビジネスユニット長の奥田茂雄氏が、新製品のコンセプトを説明した。

 同社はモバイルノートPCのみを追求しており、「外に持ち出すことで業務効率に貢献したい」として、軽さと頑丈さという相反する要素を同時に実装してきた。奥田氏は、「フィールドモバイルのTOUGHBOOKは、タブレットやタッチ操作のインターフェイスでも評価されている。ビジネスモバイル(Let'snoteシリーズ)でもタッチの市場を広げたい」と語った。

 今回投入した背景については、Windows 7のタッチ操作の認知が拡大しており、市場のタッチインターフェイスの普及を挙げた。しかし、コンバーチブルタブレットの弱点として、ヒンジが弱く壊れやすかったり、重量が軽くならない、長時間駆動できない、頑丈ではない、などといった課題があった。今回それらの問題点を、これまで同社がLet'snoteおよびTOUGHBOOKで培ってきた技術を用いて克服。「パナソニックならではのコンバーチブルタブレットPCとして開発した」という。

 新製品の用途は、「さまざまな業界での活用を想定している。対面でのプレゼン、操作を簡略化する業界に役立つと考えている」とし、製薬やヘルスケア、保険業務、小売店といった幅広い分野に訴求する。続けて、タッチパネル搭載PCのデータを示し、2013年には2009年の6倍に増加して市場が広がると予測。奥田氏は「世界最軽量かつ、頑丈、長時間駆動のコンバーチブルタブレットPCに仕上げた」と自信を見せた。

重量、駆動時間、ヒンジの弱さといった課題点を解消幅広い業務用途を見込んでいるタッチパネル搭載PCの市場予測

 続いて、パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 システム事業グループ ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンターの谷口尚史氏が、技術的な説明を行なった。

 コンバーチブルタブレットで部品が重くなるディスプレイ部分には、厚さ0.7mmのタッチパネル強化ガラス、0.5mmのデジタイザー基板、0.21mmの液晶パネルを使用。マグネシウム合金の天板とフローティング構造を組み合わせ、堅牢性と軽さを両立させた。ヒンジについても3カ所にすることで強度を高めている。

 タッチ操作には、ワコムの「feel IT technologies」を採用。今回のLet'snote C1には、Windows 7対応の電磁誘電方式ペンセンサーと、マルチタッチセンサーを搭載。指でのマルチタッチ操作、ペン入力の両方を使用できる。

 ゲストとして招かれたマイクロソフト株式会社 コマーシャルWindows本部 シニアエグゼクティブプロダクトマネージャの細井智氏は、Windows 7の普及が進んでいることを紹介。それによって削減できるコスト、生産性向上によって生まれる余裕(お金や時間)を使って、プラスアルファの価値を生み出せるとし、「今回のLet'snote C1も新しい分野を拓く製品」と期待を寄せた。

パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 谷口尚史氏。今回のプレゼンテーションは実際にLet'snote C1を使って、手で持った状態で行なったコンバーチブルタブレットのディスプレイ部分の構造マルチタッチ、ペンタブレットはワコムの「feel IT technologies」を採用した

 会場には分解して内部を公開しているマシンが展示された。

ばらされた状態のLet'snote C1メイン基板。中央から水が抜ける構造天板部分。下側はバッテリが2個入るスペースが見える
ディスプレイ部分画面の回転や輝度調整などのボタンを備える天板は窪ませた逆ボンネット形状
3軸のヒンジでディスプレイの開閉、回転の力を分散キーボードとパームレストの部分

(2010年 6月 2日)

[Reported by 山田 幸治]