東京工業大学 青木尊之研究室は24日、気象庁が開発を進めている次世代気象モデル「ASUCA」(コードネーム)のフルGPU化に成功と発表した。
昨今のスーパーコンピュータへの応用などでも知られるとおり、GPUはCPUに比べ並列処理において高い性能を発揮する。気象予測もその1例となるが、従来のCPU主体のシステムをGPU化するにあたっては、全プログラムの書き直し、新しい並列アルゴリズムの導入、ノード間通信の隠蔽など障壁も多い。
そういった中、世界に先駆けてNVIDIAのGPUを680基導入した実績を持つ東工大GSICに所属する青木教授の研究室は、ASUCAの全てをGPU化することに成功。1GPUあたり44.3GFLOPSとCPUよりも約80倍高速化し、120基のGPUを搭載するシステム全体では3.22TFLOPSの実効性能を達成した。
【お詫びと訂正】初出時にTSUBAMEを青木教授の研究室の業績であるかのような記述となっておりましたが、TSUBAMEは東工大GSICの管轄です。お詫びして訂正させていただきます。
計算処理はCUDAでプログラムされており、2kmの格子間隔で3,164×3,028×48の計算格子を用いると、日本列島全土をカバーでき、6時間分の気象現象の計算が70分で終了するという。
この内容は、25日につくばで開催される「気候変動に関する次世代モデル」に関する国際会議で発表される予定。
(2010年 3月 24日)
[Reported by 若杉 紀彦]