株式会社ワコムは24日、マルチタッチにも対応したペンタブレット「Bamboo」シリーズ新製品の発表会を都内で開催した。
Bambooの新シリーズは、従来のペンによる操作のほか、タッチセンサーを搭載することで、タッチパッドのように指で直接触れて操作する機能が加わった。タッチは2本指による操作に対応するのが特徴となっている。主な仕様や機能については製品ニュース記事を参照されたい。
●新しいユーザーインターフェイス(UI)のカテゴリ代表取締役社長 山田正彦氏 |
発表会の冒頭では、同社 代表取締役社長 山田正彦氏が挨拶。同氏は、「PCが登場して25年間の間に、市場が大きく変化した。それはクラウドコンピューティング環境の整備など、技術的な側面だけでなく、それを取り巻くユーザーの使い方にも地殻変動が起きている」とした。
使い方変化としては、単純にPCに計算をさせるような「処理」ではなく、PCがネットワークによって相互に接続することで、人と人が繋がり、「感動などを分かち合う」ような使い方に変わった。それにより、PCは生活の一部分を占めるようになり、デジタルライフスタイルが生まれたとした。
デジタルライフスタイルの誕生 | 市場の変化 |
その一方で、デジタル機器の多様化と多機能化により、UIも多様化、そして複雑化していった。さまざまな機器とその機能を「使いこなす」ためには、この多様で複雑なUIの壁を乗り越えていかなければならないとし、「我々は革新的なUIをもたらす製品を開発することで、ユーザーが多様化/多機能化するデジタル機器を使いこなして、そのメリットを享受できる環境を作っていきたい」と語った。
UIに求められる要素は、「簡単さ」であり、「説明がいらないぐらいのシンプル性」が重要だとする。そのためには、UIそのものの効率よりも、感性に訴えるものが必要だと指摘した。
そこでワコムは、今回新たに、従来のペンに加えて、タッチ操作に対応したタブレットを開発。「タッチは五感のうちの1つで、人間の感性に訴えることができる。ロジックを超えて感性に近いところにあり、好奇心や冒険心などを誘う。そういった観点から、今回新たにタッチを採用することで、新しいユーザーインターフェイスのカテゴリを創出できるものだと考えている」と語った。
最後に同氏は、「新Bambooシリーズは、直感的に操作できるタッチと、表現力を高められるペンの組み合わせを提案したい。PCとPCが繋がるのはPCを繋げることが目的ではなく、人と人を繋げるのが目的であるが、Bambooも人と人の繋がりを促進するようなツールでありたい」と述べた。
タッチはロジックを超えて感性に近く、直感的である | 同社のタッチに対する概念 | Bambooにより新たなカテゴリの創出 |
●Social Creatives向けの製品
同社 オペレーションズ統括 営業本部 プロダクトマーケティング部 GMの大山和子氏は、製品について説明。同氏はまずペンとタッチが融合したメリットを、「やりたいことを思いのままにできるだけでなく、自分らしさを表現することも可能」だと表現した。
Bambooがターゲットとするユーザーも、前述のように「自分らしさを表現する人」だとする。一例としてSNS「mixi」やマイクロブログ「Twitter」で情報を発信している人などがあり、同社ではこの人たちを「Social Creatives」と名付けて、製品のターゲットユーザーとした。
そして、このSocial CreativesにBambooを使ってもらうことで、インスピレーションが生まれ、直感的に自分らしさを表現できるとした。
オペレーションズ統括 営業本部 プロダクトマーケティング部 GMの大山和子氏 | 自分らしさを表現するツールとしてのBamboo | 自分らしさを表現する人たちを同社ではSocial Creativesと名付けている |
Social Creatives向けに目指したもの | Bambooによる新たな使い方の創出 | Bambooのラインナップ |
発表会後では、実際にBambooを使い、Google Earthの直感的な操作や、LoiLoScopeを使った動画編集、プレゼンテーションの資料作成などをデモし、Bambooの操作性の良さをアピールした。
女性が水族館に出かける前の地図チェックや、水族館に行った後のビデオ編集を想定したデモ | 男性が会社に到着し、プレゼン資料作成やWebチェック、手書き入力による文書校正などを想定したデモ |
(2009年 9月 24日)
[Reported by 劉 尭]