日本HP、プリペイド式3Gデータ通信をノートPCへ搭載
~1分10円、日本通信のMVNOで

8月5日 発表



 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は、日本通信株式会社のサポートを受け、3G通信機能を搭載したノートPCを「HP Mobile Broadbandモデル」として9月下旬より順次発売する。企業向けを皮切りに、12.1型ノートPCのElitebookやタブレットPC、HP miniなどに搭載していく。

 日本HPは、日本通信と提携し、通信モジュールとSIMカードをノートPCに搭載。日本通信のインフラを利用し、ユーザーにデータ通信サービスを提供する。ビジネスマンなど、出先での利用を想定する。

Elitebook 2530pタブレット型のElitebook 2730p
日本未発売のHP mini 5101バッテリを取り外すとSIMカードにアクセスできる

 回線はNTTドコモのFOMAネットワーク(3G)。通信料はプリペイド式。3G圏内では1分間10円で、無線LANスポット(全国15,000カ所)を1日300円で利用できる。初回利用分として100分間(1,000円分)の通信時間がチャージされている。最初の登録時に、ユーザーは携帯電話による本人認証と専用のセキュア回線によるクレジットカード情報の登録が必要。チャージ料金は1,000円~10,000円。

 また日本HPは、接続ソフトとして「HP Mobile Access」を提供。登録や接続の切り替え、料金のチャージなどが簡単にできるとしている。

HP Mobile Access(右上)チャージの金額を指定する認証に電話で個人確認を行なう

●ネットワーク・レディ・ノートを企業向けから

 同日開かれた発表会では、日本HP 取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏が挨拶。

 「弊社は、企業向けのマシンからソリューション、さらにコンシューマ向けのPCなど、幅広いセグメントで展開しているが、それらの顧客すべてがモバイルでの簡単なアクセスを求めている。それに応えるのが今回のサービスで、企業向けを皮切りに個人にも展開していく」と紹介した。

日本HP 岡隆史氏日本HPが展開するビジネス

 次いで登場した、同社パーソナルシステムズ事業統括 マーケティング本部 本部長 平松進也氏は、HP Mobile Broadbandモデルの狙いを「ネットワーク・レディ・ノートPC」の提供であると述べた。

 3G通信モジュールとSIMカードが組み込まれ、通信時間がプリセットされ、通信業者との回線契約が不要であり、チャージ式で通信時間を導入できることをメリットとして挙げた。さらに、SIMカードのアクティベーションが出荷時に完了しており、本人確認とチャージ先のクレジットカードを登録し、ハード/ソフトのインストールが不要であることを挙げ、「余計な手続きがいらないインターネット・レディ」であるとした。

 最後に登場した日本通信 代表取締役 三田聖二氏は「HP Mobile Broadbandモデルは、世界最大のPCメーカーと世界最高のモバイルネットワークが合わさったもの。これまでにも3G搭載製品があったが、それらには回線への加入手続きやしばりがあった。今回はPCからほぼすべてができる世界初のリアルネットブックだ」と述べた。

日本HP 平松進也氏日本通信 三田聖二氏世界初のリアルネットブック

(2009年 8月 5日)

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