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携帯電話の電磁波による腫瘍発生の可能性が報告

 米国国家毒性プログラム(NTP)は26日(現地時間)、携帯電話が発する電磁波の影響により、心臓および脳に腫瘍が発生する可能性があることを示唆する報告書を公開した。

 2013年に国際がん研究機関は、限られた証拠においてではあるが、携帯電話の電磁波への強度の被爆ががんを引き起こす可能性があり得るとの報告をとりまとめた。このたびNTPは、2年間にわたり、ラットを使ってGSMおよびCDMAの電磁波を照射する実験を行なった。

 その結果、電磁波を浴びなかったラットには病害は一切発生しなかったが、電磁波の照射を受けたラットは、90体中2~3体程度について、脳と心臓に腫瘍などの発生が確認された。また、病害の発生数と電磁波の強度にはある程度の相関関係が認められた。

 この結果を受け、NTPは、これらの発生が電磁波の照射による可能性があるとしている。なお、病害が発生したのは、ほとんどがオスのラットで、メスのラットについては、ほぼ影響は見受けられなかった。

 今回の実験はラットの脳と心臓についてのみ調査したもので、人体についても同様の影響があるとするものではないが、NTPではさらに細かい調査を行なっていくとしている。

(若杉 紀彦)