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NVIDIA、仮想デスクトップ向けの4GPUボード「Tesla M10」
(2016/5/18 23:07)
NVIDIAは18日(米国時間)、仮想デスクトップソリューション「NVIDIA GRID」用の4GPUボード「Tesla M10」を発表した。8月より出荷開始する。
昨今、ビジネスにおいてもGPUが重要となりつつある。例えば5年前(2011年)と比較して、グラフィックスを必要とするアプリの数は2倍となり、エンタープライズにおいて半分を超えるユーザーが、少なくとも1種類以上のGPUでアクセラレーションできるアプリを使っている。また、50%を超える主要企業でも、2017年までにWindows 10を展開する計画があるという。
そういった中、高性能のサーバーにユーザーを集約し、ユーザーはシンプルなシンクライアントを使うことで、管理や導入コストを削減する目的で導入される仮想デスクトップ環境においても、GPUへのニーズが高まっているとしており、そういった用途向けにNVIDIAはNVIDIA GRIDと呼ばれる仮想デスクトップソリューションを提供している。
これまでは、このNVIDIA GRID向けのボードとして、ハイエンドMaxwellを1基だけ搭載し、ブレードサーバーに最適化した「Tesla M6」と、ハイエンドのMaxwellを2基搭載し、性能を追求した「Tesla M60」の2ラインナップを提供してきたが、最大仮想GPUインスタンスはM6が16、M60が32だった(単純に言えば、ユーザー数がそれぞれ16と32だった)。
今回追加されたTesla M10はこの間に位置し、ミドルレンジ向けのMaxwellに相当する、640基のCUDAコアを内包したGPUを4基ボード上に搭載し、合計2,560基のCUDAコアを実現。メモリは1GBあたり8GB、合計32GBのGDDR5を搭載する。そして、最大仮想GPUインスタンスは64と、ラインナップ内最多を実現し、1ボード上に集約できるユーザー密度を高めたものとなっている。
Tesla M6/M60はどちらかと言えば、デザイナーなど、高性能を必要とする仮想ワークステーション環境向けであったのだが、Tesla M10はパワーユーザーやナレッジワーカー向けの製品だと位置づけている。
このほかの仕様としては、最大28本までの1080p/30HzのH.264ストリームに対応。フォームファクタはPCI Express 3.0 x16、TDPは225W、冷却機構はパッシブヒートシンクなどとなっている。