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Intel、3D NAND技術を採用したサーバー向けSSD「DC P3520/3320」

~NVMeデュアルポートの「DC D3700/3600」も追加

Intelが発表したXeon E5 v4とIntel SSD DCの各製品

 米Intelは3月31日(現地時間)、データセンター/サーバー向け製品を発表した。プロセッサに関しては別記事で紹介している「Xeon E5 v4(開発コードネーム:Broadwell-EP)」が発表されているが、同時にサーバー向けのSSD製品が発表されている。

業界最高密度を実現した3D NANDフラッシュメモリを採用したP3520/3320

 今回Intelが発表したのはデータセンター/サーバー向けのSSDのブランドになるIntel SSD DCシリーズのブランドを冠した、Intel SSD DC P3520/3320。既に投入されているIntel SSD DC P3700/3600/3500の下位製品という位置付けの製品になる。

今回発表されたIntel SSD DC P3520/3320の位置付けは、Intel SSD DC P3700/3600/3500の下位モデル(出典:Intel Corporation、Cloud coverage Intel PCIe*SSDs for all Cloud storage needs、2016年)

 最大の特徴は、IntelがMicron Technologyと共同で開発してきた、3D NANDフラッシュメモリを利用して作られていることだ。従来の2DのNANDフラッシュメモリは1つの層しか持たない形になっていたが、3D NANDでは縦方向に複数の層を積層し作られるため、2D NANDに比べて高密度を実現可能になる。

 この3D NANDフラッシュメモリは、Samsung Electronics、東芝/SanDisk連合など他陣営に比べて高密度なのが特徴で、今回Intelも“業界最高密度”としてその点をアピールしている(なお、Intel/Micron連合の3D NANDの特徴は福田氏の記事が詳しいので、興味がある方はそちらをご参照頂きたい)。

3D NANDフラッシュメモリは縦方向にも積層していく形のフラッシュメモリ。Intelでは業界最高密度の3D NANDフラッシュメモリだとアピール(出典:Intel Corporation、Cloud coverage Intel PCIe*SSDs for all Cloud storage needs、2016年)

 フォームファクタは2.5インチHDDと同型のボックス型と、HHHL(x4)と呼ばれるPCI Express拡張カードと同じ形状の2つが用意されている。インターフェイスのプロトコルはいずれもNVM Expressになる。容量はHHHLが2TBと1.2TB、2.5インチはそれに加えて450GBが用意されている。

 ピーク時の性能は、4KBランダムリードが365K IOPS、4KBランダムライトが22K IOPSになる。Intelによれば、NVMeを採用していることでSATAのボトルネックを回避し、NANDフラッシュメモリが持つ最大性能を発揮できるとのことで、SATA接続のIntel SSD DC S3510と比較して、4KBランダムリードで約5倍、レイテンシは1/4になるとしている。

Intel SSD DC P3520/3320のスペック、ピーク性能(出典:Intel Corporation、Cloud coverage Intel PCIe*SSDs for all Cloud storage needs、2016年)
Intel SSD DC P3520/3320の特徴(出典:Intel Corporation、Cloud coverage Intel PCIe*SSDs for all Cloud storage needs、2016年)
SATAインターフェイスのIntel SSD DC S3510と比較して4KBのランダムリードで5倍、レイテンシが1/4に(出典:Intel Corporation、Cloud coverage Intel PCIe*SSDs for all Cloud storage needs、2016年)

 価格などは現時点では未公表だが、P3320は第2四半期に、P3520は今夏に投入される予定だとIntelでは説明している。

Intel SSD DC P3320の2TB、2.5インチフォームファクタ
Intel SSD DC P3320、HHHL(x4)のフォームファクタ

デュアルポートNVMeにより冗長性とSASに比べて高性能を実現したD3700/3600

 Intel SSD DC D3700/3600は、NVM Expressのインターフェイスを採用したPCI Express SSDになる。フォームファクタは2.5インチのみで、D3700が1.6TBと800GB、D3600が1TBと2TBのラインナップとなっている。

Intel SSD DC D3700/3600のスペックとリード、ライト性能(出典:Intel Corporation、Cloud coverage Intel PCIe*SSDs for all Cloud storage needs、2016年)

 最大の特徴は、IntelのPCI Express SSDとしては初めて、データポートがデュアルになっていることだ。現在、サーバーなどでストレージの冗長性を実現する場合には、SAS(Serial Attached Scsi)のデュアルポート機能を利用して実現することが少なくない。しかし、SASは最新のSAS-3でも最大転送速度は12Gbpsに過ぎず、高速なSSDの場合にはそこがボトルネックとなっている場合が多かった。

 そこで、Intel SSD DC D3700/3600ではNVM Expressのインターフェイスを採用し、かつデュアルポートとすることで、性能と冗長性の両方を実現している。Intelによれば4KBのランダムリードで、SAS SSDの3.9倍の性能を発揮できるとしている。

SASでなくても冗長性を確保できるNVM Expressデュアルポート仕様(出典:Intel Corporation、Cloud coverage Intel PCIe*SSDs for all Cloud storage needs、2016年)

 価格などは現時点では未公表だが、既にサンプル出荷を開始しており、製品は3カ月以内に出荷開始される予定だ。

Intel SSD DC D3700の1.6TB

(笠原 一輝)