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2020年に向けたパナソニックの“おもてなしイノベーション”の展示会が今年も開催

今年で2回目の開催となったWonder Japan Solutions

 パナソニックは、2016年2月5日〜10日までの平日、東京・有明のパナソニックセンター東京において、「Wonder Japan Solutions」を開催するのに先駆け、4日、報道関係者に展示内容を公開した。

 Wonder Japan Solutionsは、東京オリンピック/パラリンピックが開催される2020年と、その先の社会インフラ構築に向けて、パナソニックが開発中の独自技術やソリューションを提案する展示会で、「2020年に向けたパナソニックの“おもてなしイノベーション”」をテーマに、関係者や取引先を招待。一般には公開されない招待制のものだ。2015年2月に第1回目の展示会を開催。9コーナーに54商材を展示したが、今年は規模を拡大し、14コーナーに74商材を展示した。

 パナソニックの井戸正弘役員は、「1964年の東京オリンピックは発展途上国型のオリンピックであり、新幹線や高速道路、モノレールなどが建設された。だが、2020年の東京オリンピック/パラリンピックは、成熟国家型のオリンピックになり、ハードウェアだけでなく、ソフトウェア、サービスも組み合わせたレガシー形成が求められる。パナソニックでは、スマートトランスポーテーション、スマートコミュニティ、スマートコミュニケーション、スマートペイメント、スマートセキュリティの5つのスマートを通じて、2020年に向けて東京都が抱える課題の解決に貢献したい。これらのソリューションは、2016年から受注活動を開始し、実用化の段階に入ってくることになる」とした。

パナソニックの井戸正弘役員

 また、「国や東京都では、障害者対応、超高齢社会対応、健康増進、大会盛り上げ、競技力強化といった点に取り組むことになるが、パナソニックでは、バリアフリーナビやアシストスーツにより、障害者や高齢者を含めて誰もが快適に暮らせる社会を目指すアクセシビリティ、スポーツやヘルスケアへの興味を高め、健康年齢の引き上げに貢献するウェルネス、スポーツ解析・映像ソリューションにより競技力を強化し、スタジアムソリューションにより新たな観戦体験を提供するスポーツの3つの分野からソリューションを提供する。今回の展示でも、それらのソリューションを展示している」とした。

 Wonder Japan Solutionsは、パナソニックセンター東京の1階ホールおよび有明スタジオを展示会場に使用。街や店舗、駅、ホテルなどの様子を最新技術やソリューションで表現。2020年の街と、それを支えるパナソニックの技術を、具体的なシーンごとに幅広く展示した。

 展示技術の中には、昨年(2015年)の技術展示を元に、新たな協業が生まれ、商材として進化を遂げたものもあり、積水化学、JTB、森ビル、NTTドコモ、電通、富士通、アシックスなど、パートナー企業との連携が相次いでいたのも特徴だ。会場を見回すと、協業によって、具体的ソリューションとして展示しているものが増えた印象だ。

 「昨年のWonder Japan Solutions以降、約30社の企業と、共同開発や共同実証実験を行なっている。今回の展示では15社との協業成果を公開している」と述べた。

 メインステージでは、「おもてなしを、もっと、みんなのものに」をテーマに、2020年に向けた、パナソニックのおもてなしイノベーションを紹介。さらに、多言語翻訳ソリューションや、暑さ対策のための藤棚型ミスト、都内サイクルシェアに活用するドコモバイクシェアとの協業開始、新規充電ロッカーモデルの提案などのほか、より軽量化したアシストスーツや、手話や筆談に対応した対面KIOSK、次世代スタジアム向け映像配信ソリューション、個人向け健康増進ソリューション商材なども展示してみせた。

メインステージでは2020年に向けた、パナソニックのおもてなしイノベーションを紹介

 「2020年とその先に向け、全ての人が、より快適に、便利に、安全に過ごせるためのおもてなしソリューションを、実物で実演し、体感してもらうことにこだわった。昨年は、訪日外国人をテーマにしたソリューションが多かったが、今年は障害者、高齢者、地方といった観点からのソリューションも増やしている。昨年は約750人の関係者、取引先が来場したが、今年はその3倍となる約2,300人の登録がある。パナソニックを含めて3,000人規模でのイベントになる。1964年の東京オリンピックでは、パナソニックは新幹線建設などには貢献できなかったが、2020年は日本の技術がここまで進化しているということを全世界に見てもらう機会になり、オリンピックがなれればできなかったという、パナソニックの技術やソリューションをパートナーとともに作り上げたい」とした。

 また、内覧会では、歌舞伎俳優の市川染五郎さんがゲストとして登場。「2020年に向けた、伝統とテクノロジーの融合による新しい文化体験」をテーマにトークセッションを行なった。

内覧会では、歌舞伎俳優の市川染五郎さんがゲストとして登場した

 市川染五郎さんは、「展示を見て感じたのは、夢と思っていたことが、現実に起こること。そこにワクワクしている。自動翻訳機は、自分の言葉で話し合うことができる点はありがたい。歌舞伎には早変わりというものがあるが、ハイスピードプロジェクション技術によって、無限の早変わりができるようになるなど、歌舞伎への応用も考えたい。今年5月にラスベガスで公演が予定されているSHI-SHI-Oでは、新たな技術も活用したい。今年は凄艶をキーワードに演じたい」などとした。

 今回の展示の中では、なりきり動画ソリューションにおいて、市川染五郎さんが協力。モーションキャプチャーをつけて演目「お祭り」を撮影し、その動きを細かくデジタルデータ化。一方で外国人を撮影した3Dデータと組み合わせると、外国人が歌舞伎を演じる映像が表示されるというものだ。「30年以上、歌舞伎をやって身に付けた踊りが、一瞬で歌舞伎をやったことがない外国人が、歌舞伎俳優になりきって踊れてしまう」と語り、笑いを誘った。

 写真で、Wonder Japan Solutionsの展示内容を見てみよう。

展示内容

メガホン型の翻訳ソリューション「メガホンヤク」
ペンダント型翻訳機。昨年は2.4型のディスプレイだったが今年は3型に大画面化しながら、全体を小型化した
メガホンヤクの活用シーン。さまざまな言語に翻訳する
対話型の多言語翻訳ソリューション。マイクに向かってお互いの言語で対話できる
聴覚障害者向けの対面KIOSK
対面KIOSKは画面を見ながら、筆談や手話で対話することができる
新型グリーンエアコン。昨年は樹木型だったが今年は藤棚に。電力が半分で済み、低騒音で稼働する
ミストを噴射している様子。100分の1mmというマイクロミストを噴射。新聞も濡れない
DoCoMoシェアサイクルシステムでのコラボ展示
実証実験が行なわれている電動自転車用シェアバッテリ
電動車いすは、安全移動技術を搭載した最新式のものだ
スマートフォンをかざすと、バリアフリーの通路を表示してくれる
高指向性ビーコン。密集地でも干渉しない点が特徴で、ナビゲーションをサポートする
軽量樹脂を採用したアシストスーツ「X-GaN Ninja」。ビールケースも軽々と持ち上げられる
アシストスーツに使われるX-GaNパワーデバイス
業務用純水素燃料電池や家庭用純水素燃料電池を参考展示
水電解デバイスや光水素生成デバイス
かけっこ測定システム。靴にセンサーを取り付けて計測する
靴に取り付けたセンサー。すでに実証実験を開始している
ASICSとの協業によるフィッティングシミュレータ。カラーコーディネートができる
カフェ向け調理機器も展示した
カフェに設置したレジは翻訳機としても活用できる
ホテル向けのおもてなしソリューション
天井につるした短焦点プロジェクターにより車窓を再現するデモ
サイネージでは、さまざまな言語で案内ができるようになる
どこでもコンシェルジェ。施設内を移動しながら応対する
光ID通信により、看板にスマートフォンをかざすと情報が表示される
光ID通信を利用して手ぶら観光ロッカー。荷物のデリバリー用途にも使える
光ID通信を活用した大提灯。ここに向けるだけでスマートフォンに情報が表示される
ハイスピードプロジェクションマッピングのデモ。すくった金魚は横に振ってもちゃんと映像が追随する
スタジアム感動映像ソリューション。さまざまな情報も表示する
選手の心拍数なども表示しながら戦術に生かすといった取り組みも
競技場の芝生を管理するシステムも展示
クラウドを活用してアクティビテイデータを管理
腹筋トレーナー「ES-W860」。スポーツやヘルスケアへの関心を高める
フィットネスジムから映像配信することで、育児などでジムに通えない人もサポート
パナソニック健康保険組合によるいきいき健康ナビゲーションもデモ
LED手すり。LEDの光が流れるように表示することで避難方向を誘導する
鉄道の天井に設置するカメラ。360°の撮影も可能だ
インタラクティブ統合監視システムのデモ
ビル防災システムと連携したサイネージ。さまざまな言語で表示する
警備員が骨伝導ヘッドホンとHMD、ウエアラブルCAMを装着したセキュリティソリューション
市川染五郎さんが協力したなりきり動画ソリューション。モーションキャプチャーによりデジタルデータを生成。これに人の3Dデータを重ね合わせると、だれでも歌舞伎俳優になれてしまう

(大河原 克行)