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富士通、自社デバイスへの生体認証技術導入を加速

~PC/タブレット/スマホを使ったヒューマンセントリック技術の取り組み

手の平を使った静脈認証システムが導入されタブレットの画面

 富士通株式会社は6日、本日発表のFMVシリーズに加え、タブレット、そしてスマートフォンなどの同社デバイスと、それらに使われている技術やセキュリティ機能について紹介する「ユビキタスプロダクトビジネスグループ新商品発表会」を開催した。

 始めにパーソナルビジネス本部 本部長の竹田弘康氏が登壇。ICT(情報通信技術)の普及に伴い、セキュリティが懸念される中で、その主たる事故として、アカウントの乗っ取りや機器の紛失/盗難による情報流出といったヒューマンエラーが多くを占めていると述べる。

富士通株式会社 パーソナルビジネス本部 本部長の竹田弘康氏

 これらのリスクはパスワードの定期更新といった厳重化で軽減できるものの、不便さが増大し、ユーザービリティの低下を招いてしまう。その解決策として、富士通が開発している静脈認証や顔認証、虹彩認証といったヒューマンセントリック技術を挙げ、企業/家庭/学校といったあらゆるシーンでの有効性を説いた。

 既に官公庁での導入実績を持つ同社だが、自社および国内グループ会社(約200社)での生体認証機能や、先日発表された基幹システムや情報システムを統一するためのソリューション「MetaArc」の本格導入を進め、今後もヒューマンセントリック技術をコアとしたデバイスとセキュリティの開発に取り組んでいくという。

近年の事故原因のほとんどはヒューマンエラーという
富士通の生体認証技術により、不便さを招かずにセキュリティ強化が図れるとする法人向けに提供されている機能
他社だけでなく自社についても本格的に生体認証システムなどの導入を進める

 そのほか、本日発表のFMVシリーズやタブレット、先日発表されたばかりの最新スマートフォンについての説明も行なわれた。会場には実機が展示され、実際に手に触れて動作を確認できるようになっていた。以下がその写真となる。

9月24日に発表された2015年冬モデルのデスクトップPC「WH77/W」シリーズは、顔認証機能に対応
認証の様子を見ていたが、一瞬で認証され、瞬時にデスクトップ画面を表示。写真にログイン画面とデスクトップが画面の両方が写り込むことになった
本日発表の13.3型モバイルノート「SH90/W」シリーズの実機。ハイレゾ音源に対応するヘッドフォン出力や、旧機種からSSDをM.2に変えることで軽量化やバッテリ駆動時間の延長が果たされている
展示されていたM.2 SSDの型番はSamsungのMZNTE512だったが、製造ロットによって採用メーカーやモデルが変わるとのこと
SH90/Wでは本体内蔵のバッテリのほかに、別途バッテリを設けることで20時間以上のバッテリ駆動を実現。細かい改良点だが、バッテリカバーがスライド式になり、取り外しが楽になった
前機種ではヘッドフォン出力が右側面にあったそうだが、マウス操作の障害などになるという意見があり、左側に再配置されることになったそうだ
こちらも本日発表の機種で、15.6型のノートPC最上位モデル「AH77/W」シリーズ。オンキヨー製のハイレゾ対応ステレオスピーカーを本体に内蔵する
内蔵されているオンキヨーのスピーカー。振動板に「ODMD」(Onkyo Double-Molding Diaphragm)が使われている
手の平を使った静脈認証に対応している法人向けの「ARROWS Tab Q775/K」。本体横についているセンサーから静脈を読み取る
静脈の設定はほんの数秒で済んでしまう
静脈認証センサーを本体に実装した「LIFEBOOK A744/M」
パームレストの右側部分に組み込まれている
同じく静脈認証センサー内蔵の「LIFEBOOK S935/K」
こちらは静脈認証センサー内蔵のキーボード
法人および文教向けの「ARROWS Tab Q506/MB」で、こちらも本日発表
児童が体育館での運動を撮影するようなシチュエーションも考えられており、被写体ブレの対策を強化。会場ではおもちゃの列車を動かして撮影するというデモを行なっていた
落下に耐えるフレームのほか、狭い机から滑り落ちないように外装がマットな仕上げになっている
スマートフォン「arrows NX F-02H」も展示。夏モデルに引き続き虹彩認証「Iris Passport」を搭載している
スマートフォンの耐圧試験デモ

(中村 真司)