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ASUS、Z170マザーで“ゲーミングシリーズ”を新設

〜使い勝手を重視したアップデートが目立つ

R.O.G.シリーズの最上位モデル「MAXIMUS VIII EXTREME」

 ASUSは5日、Intelのデスクトップ版最新世代CPU「Skylake」の解禁に伴い、Z170チップセット対応マザーボードを発表した。

 発表されたのは全10製品。ゲーマーおよびオーバークロッカー向けの「R.O.G.」シリーズが4モデル、高耐久の「TUF」シリーズが1モデル、新しいゲーミング向け「PRO GAMING」が1モデル、汎用の「スタンダード」シリーズが4モデルという構成になる。

シリーズごとの概要

 なお、R.O.G.シリーズの「MAXIMUS VIII EXTREME」と、TUFシリーズの「SABERTOOTH Z170 MARK 1」は現在開発中とのことでスペックが不明であり、後者については写真もない状況。詳細は後日発表としている。両製品とも人気のあるシリーズのモデルなだけに情報が待たれるところだ。

Skylake用ASUSマザーの新機能

 ASUSは今回のZ170シリーズからいくつか新機能を投入している。1つ目はベースクロックの調整を可能とする「PRO Clockチップ」の実装で、この実体はクロックジェネレータIC。1MHz単位で400MHzまで設定可能としている。

 ASUSでは、これまでも搭載してきた電圧制御の汎用IC「TPU」(TurboV Processing Unit)、電源回路と電力供給の制御を行なう「EPU」(Energy Processing Unit)、そして今回のPRO Clockによる3つのチップによって安定したオーバークロックが可能になったとする。

ベースクロックのオーバークロックを可能にする「PRO Clockチップ」

 そのほかの新機能としては、(1)ファンコントロール用ユーティリティのFan Xpert 3に水冷用の項目を表示させるための4ピン電源コネクタ「W_PUMP」の用意、(2)OSを起動することなくBIOSからインターネット越しにBIOSアップデートをかけられる「EZ Flash 3」、(3)BIOS上でのS.M.A.R.T.情報の参照、(4)同じくBIOS上で搭載ビデオカードの詳細を確認できる「GPU POST」機能が追加された。

水冷用の電源コネクタ「W_PUMP」
BIOSからGPUの情報を表示できる「GPU POST」

 細かい部分では、一部のマザーボードでは、ASUS初となるUSB 3.1 Type-CコネクタのI/Oパネルインターフェイスへの搭載も挙げられる。

 そして、ユニークなのはCPU取り付け用のアダプタが付属されるようになったこと。CPU装着の際に誤って落下させてソケットのピンを折ってしまうといった事故を防止するための措置が講じられることになった。

ピン折れを防ぐためのCPU取り付け用アダプタ

R.O.G.シリーズ

R.O.G.シリーズの特徴

 ゲーマーおよびオーバークロッカーをターゲットとするSkylake世代のR.O.G.系マザーボードは、名前に「MAXIMUS VIII」を冠する。ハイエンドは「EXTREME」、ミドルレンジは「HERO」、ローエンドは「RANGER」、そして唯一microATXフォームファクタを採用するミドルレンジ向けの「GENE」がラインナップされる。

 これまでR.O.G.シリーズはレッドをイメージカラーとして採用していたが、今回からマットブラックに変更。レッドも使われているものの、従来品のようなアクセントにはなっておらず、ユーザーによっては好みの分かれるところかもしれない。

 そんな新R.O.G.シリーズのハードウェア側の強化点はサウンドで、オーディオ用コンデンサをELNAからニチコン製に変更、DACとしてESS ES 9023Pや汎用オペアンプTI RC4580の追加、ジッター排除のためのクロックジェネレータ実装、ポップノイズ防止リレーの装備を行なっており、今まで以上に高音質を追求。オーディオ機能は新たに「SupremeFX 2015」へと改名された。

オーディオ機能に更新がかかり「SupremeFX 2015」に

 ソフトウェアの面では、SSDのキャッシュをメモリに割り当てることで、SSDの高速化を図る「ROG RAMCache」、チップセット上のヒートシンクをLEDで好みの色に光らせるイルミネーション機能「Lightning Control」を搭載する。

 また、キーボードにマクロやショートカットを追加するKeyBotが「KeyBot II」にパワーアップし、左右反転機能が追加。利用シーンとしては、2D格闘ゲームなどでの左右立ち位置の入れ替わりを想定しており、キャラクタの方向によらないコマンド入力を行なえるようになった。

SSDキャッシュをメモリ領域に作る「ROG RAMCache」
LEDの発色自在に変える「Lightning Control」
キーボードマクロおよびショートカット追加機能「KeyBot II」
「MAXIMUS VIII HERO」
「MAXIMUS VIII RANGER」
「MAXIMUS VIII GENE」
【表1】R.O.G.シリーズ
MAXIMUS VIII HERO MAXIMUS VIII RANGER MAXIMUS VIII GENE
フォームファクタ ATX ATX microATX
対応メモリ DDR4-3600×4(最大64GB) DDR4-3400×4(最大64GB) DDR4-3600×4(最大64GB)
PCI Express 3.0 x16×3、3.0 x1×3 3.0 x16×2、3.0 x4×1
PCI -
マルチGPU対応 3-way CrossFireX、2-way SLI 2-way CrossFireX、2-way SLI
映像出力端子 DisplayPort、HDMI
SATA Express 2
SATA 6Gbps 4 2
M.2 1
Thunderbolt -
無線LAN -
有線LAN Intel I219-V
USB 3.1(Type-A/C) 1/1
USB 3.0(外部/内部) 2/4 6/2
USB 2.0(外部/内部) 4/4 -/4
電源回路 Extreme Engine Digi+(フェーズ数非公開) DIGI+ Power Control(フェーズ数非公開)
オーディオ機能 SupremeFX 2015
店頭予想価格 37,500円 31,000円 34,500円
発売時期 8月8日以降

PRO GAMINGシリーズ

PRO GAMINGシリーズの特徴

 PRO GAMINGシリーズは新設されたシリーズで、R.O.G.と違い純粋にゲーミングに重点を置いているのが特徴だ。現時点でのラインナップは「Z170 PRO GAMING」の1モデルのみで、ミドルレンジクラスをターゲットとしている。

 なお、Haswell世代のZ97マザーボードには「Z97-PRO GAMER」という製品があり、Z170 PRO GAMINGは機能的にはこちらの後継的な存在と言えるだろう。

 基板はブラック系統ながら、新R.O.G.シリーズよりもレッドカラーのアクセントが効いており、どちらかと言えば旧R.O.G.を意識したデザインになっているのは興味深いところ。

 機能的には従来のゲーミングモデルとほとんど変わらず、オーディオ機能には「SupremeFX」と「Sonic Radar II」、ネットワーク機能は「LANGuard」と「GameFirst III」を搭載している。

 新機能の1つは、前述のSSDキャッシュ技術「RAMCache」で、こちらは名前に“ROG”を冠していないが、機能的には同じもののようだ。また、マザーボードのI/Oパネルインターフェイス付近とCPU寄りのPCI Express x16スロットを光らせる「LED CONTROL」を搭載。最大3種類の光り方を選択できる。

「Z170 PRO GAMING」
【表2】PRO GAMINGシリーズ
Z170 PRO GAMING
フォームファクタ ATX
対応メモリ DDR4-3400×4(最大64GB)
PCI Express 3.0 x16×3、3.0 x1×3
PCI -
マルチGPU対応 3-way CrossFireX、2-way SLI
映像出力端子 DisplayPort、HDMI、DVI-D、ミニD-Sub15
SATA Express 1
SATA 6Gbps 4
M.2 1
Thunderbolt -
無線LAN -
有線LAN Intel I219-V
USB 3.1(Type-A/C) 1/1
USB 3.0(外部/内部) 4/2
USB 2.0(外部/内部) 2/6
電源回路 DIGI+ Power Control(フェーズ数非公開)
オーディオ機能 SupremeFX
店頭予想価格 26,000円
発売時期 8月8日

スタンダードシリーズ

スタンダードシリーズの特徴

 最後はスタンダードシリーズで、ATXマザーボードが3モデル、microATXが1モデルとなる。ハイエンド向けには「Z170-DELUXE」を、ローエンドは「Z170-A」と「Z170-K」、ミドルレンジはmicroATXマザーボードの「Z170M-PLUS」しか用意されていない。

 主要なハードウェアおよびソフトウェア機能はZ97といった前世代のマザーボードから目新しいところはなく、冒頭で説明したベースクロック変更用チップ「PRO Clock」以外の大きな変更点はない。

 細かい部分では、オーディオ機能の「Crystal Sound 3」にサウンド高品質化のために電流ノイズの低減を図るプレレギュレータ回路が追加されたが、ファンコントロール機能のFan Xpert 3や自動オーバークロックなどを行なう「5-Wayオプティマイゼーション」など、そのほかの部分はこれまでと同じである。

 ただし、一部モデルはデザインにかなり変更が加えられた。最上位のZ170-DELUXEと下位のZ170-Aは、ヒートシンク部分などがホワイトを基調としたカラーリングに変更されており、これまでのゴールドカラーはさらに下位のZ170-K、そしてmicroATXのZ170-PLUSが継承している。

上位モデルはゴールドからホワイトへと基調カラーが変更された

 また、Z170-DELUXEのみM.2とU.2インターフェイス用のアダプタを用意するほか、チップセットヒートシンク周辺に仕込まれたLEDを任意の色で点滅させたり、CPU温度のインジケータとして活用もできる「Lightning Control」を搭載。同機能は前述のR.O.G.で紹介したものと同じだ。

 そのほか、Z170-DELUXEではキーボードのF1〜F12のファンクションキーに各種機能を割り当てることができる「Key Express」を搭載。最高16キーまでのキーの組み合わせを登録するマクロ機能や、Windowsの音楽再生やボリューム調整、オーディオ出力の前面/背面切り替え、Windowsのログイン、任意のソフト/フォルダへのショートカット、USBストレージの取り外しなど、あらゆる機能を設定できる。有効/無効化はBIOSおよびWindow用ユーティリティのAI Suite IIIから行なえる。

「Z170-DELUXE」
「Z170-A」
【表3】スタンダードシリーズ1
Z170-DELUXE Z170-A
フォームファクタ ATX ATX
対応メモリ DDR4-3466×4(最大64GB) DDR4-3400×4(最大64GB)
PCI Express 3.0 x16×3、2.0 x1×4 3.0 x16×3、3.0 x1×3
PCI -
マルチGPU対応 3-way CrossFireX、2-way SLI
映像出力端子 DisplayPort、HDMI DisplayPort、HDMI、DVI-D、ミニD-Sub15
SATA Express 1
SATA 6Gbps 6 4
M.2 1
Thunderbolt -
無線LAN IEEE 802.11a/b/g/n/ac -
有線LAN Intel I219-V、Intel I211-AT Intel I219-V
USB 3.1(Type-A/C) 5/1 1/1
USB 3.0(外部/内部) 1/4 2/4
USB 2.0(外部/内部) 1/4 2/4
電源回路 DIGI+ Power Control(16+4+2フェーズ) DIGI+ VRM(8+2+1フェーズ)
オーディオ機能 Crystal Sound 3 Crystal Sound 3
店頭予想価格 47,500円 25,000円
発売時期 8月8日以降 8月5日
「Z170-K」
「Z170M-PLUS」
【表4】スタンダードシリーズ2
Z170-K Z170M-PLUS
フォームファクタ ATX microATX
対応メモリ DDR4-3466×4(最大64GB)
PCI Express 3.0 x16×2、3.0 x1×2
PCI 2 -
マルチGPU対応 2-way CrossFireX
映像出力端子 HDMI、DVI-D、ミニD-Sub15
SATA Express 1
SATA 6Gbps 4
M.2 1
Thunderbolt -
無線LAN -
有線LAN Realtek RTL8111H Intel I219-V
USB 3.1(Type-A/C) 2/- -
USB 3.0(外部/内部) -/4 2/4(うち1基はType-C)
USB 2.0(外部/内部) 2/4
電源回路 DIGI+ VRM(4+2+1フェーズ)
オーディオ機能 -
店頭予想価格 19,500円 21,500円
発売時期 8月8日以降

(中村 真司)