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GPS不要。Wi-Fiで近隣情報を伝える「Wi-Fi Aware」

近接情報発見機能を強化する「Wi-Fi Aware」

 無線LANの規格策定を行なっているWi-Fi Allianceは、都内で記者説明会を開催し、Wi-Fi Alliance マーケティング担当 ヴァイス・プレジデントを務めるケリー・デイヴィス フェルナー氏が、近接情報技術「Wi-Fi Aware」の概要について解説を行なった。

 Wi-Fi Awareは、Wi-Fi端末間で近接情報を送受信できるというもので、近接情報を基にサービスを発見したり、Wi-Fi Directなどの広帯域通信に移行するといったことを可能とする。

 現在、店舗付近のスマートフォンなどにクーポンを配布するといった、近接情報を利用したサービス提供がすでに行なわれているが、既存の「近接情報」はGPSや基地局などの位置データに基づいている場合が多く、その場合、デバイスの密度が高かったり、屋内などで携帯通信網やGPSが利用できないと機能が低下するといった問題がある。またNFCなどは位置データに依存せず近接情報を提供できるが、至近距離でないと使用できない、通信帯域が狭いといった制約がある。

Wi-Fi Alliance マーケティング担当 ヴァイス・プレジデント ケリー・デイヴィス フェルナー氏
近接情報の認識はモバイル接続にとって不可欠な要素に
既存の近接情報テクノロジーには欠点が多数

 それらに対し、Wi-Fi AwareはWi-Fiと同様の通信範囲(最大100〜200m程度)で使用可能となっており、デバイスを直接接続してクラスタを形成し、混雑した環境や屋内でも、複数デバイス間で近接情報やセンサー測定値といった小さなデータを双方向で共有できる。

 通信帯域についても、大きなデータ転送を行なう際にWi-Fi Directなどへ移行することが可能で、高速な接続を実現できるという。

 フェルナー氏は類似する技術との差異として、Bluetooth LEを利用したビーコンなどと異なり、Wi-Fi Awareでは双方向通信が可能であることをアピール。またウェイク/スリープ状態といったデバイスの状態に関わらず、常時稼働することで即時認識を実現し、迅速に情報を発見できるとした。消費電力についても、非常に小さなデータをやりとりすることで高電力効率を実現したという。

 セキュリティ面については、通信自体がWPAによって保護されるほか、Wi-Fi Awareはアプリケーションレベルで使用されるため、送受信の内容などもアプリによって制御され、個人情報の管理も容易であるとした。

Wi-Fi Awareはリアルタイムにサービスを発見、場所を問わずに提供
Wi-Fi Awareの主な特徴
革新的なWi-Fi利用体験をもたらすWi-Fi AwareとWi-Fi Direct
Wi-Fi Awareを利用した体験の例
Wi-Fi Awareを利用したソリューションのイメージ

 既にWi-Fi Aware認定プログラムは6月24日より開始されており、IntelやBroadcom、Realtek、Marvellといったメーカーの製品が認証を受けていることを発表した。

 認証に必要なハードウェアの基本要件は「IEEE802.11 ac/a/b/g/n/、およびWPAに対応している」こととなっており、すでに発売されている製品でも、ファームウェアのアップデートなどにより対応できるという。

 しかし、前述の通りWi-Fi Awareはアプリケーションレベルでの使用となるため、実際にアプリがWi-Fi Awareを利用するには、OSがサポートするか、端末メーカーが独自に対応する必要がある。フェルナー氏は、個人的見解として「来年発売のスマートフォンには対応製品が登場するのではないか」と述べた。

認証製品
主要半導体ベンダーなどによるサポート

(佐藤 岳大)