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ロジクール、MX Master新製品発表会
(2015/3/25 19:08)
ロジクールは、ワイヤレスマウス「MX Master」を4月2日に発売する。約6年ぶりに登場したMXシリーズのフラッグシップマウスであり、ホイールを回転させると内蔵のモーターによる補助で回転を続ける「オートシフト機能」を備えたほか、サムホイールを備え、画面スクロール操作の快適性が向上している。また、サムホイールのすぐそば、側面の下部にジェスチャーボタンを装備し、押下しながらマウスを動かした際の挙動に各種機能を割り当てられる。
サムホイールは現行の2006年に発売した「MX Revolution」にも搭載しており、2009年発売の現行フラッグシップ「M950t」には非搭載となっている。重量についても、MX Revolutionの147gに対し、M950tは162gとなっており、やや重くなっていた。MX Masterでは145gまで軽量化し、MR Revolution並みに戻している。
MX Revolutionはすでに生産が完了して久しく、高い人気にもかかわらず供給が途絶えていることから、Amazonマーケットプレイスなどでは一時期4万円を超える価格まで高騰していた。
ロジクールが25日に開いた発表会では、ロジテック クラスターカテゴリーマネージャーの古澤明仁氏が登壇し「大変お待たせしました」と挨拶。MX Masterの紹介を行なった。
6年ぶりのフラッグシップということもあり、昨日(24日)国内でリリースした後のユーザーの反応が気になって、ずっとPCに張り付いてしまったという古澤氏。
「反応を見ていると、本当に長いことお待たせしてしまったことを実感して、申し訳ない気持ちになった。一方で、待っていた、期待していたというコメントを拝見すると、改めて、背筋が伸びる思いがしている。今回、MX Masterがターゲットとしているユーザーは、長時間PCを使用する職業に就いている方。より気持ちよく、快適に使えて、作業効率を高められるように設計した。例えばデザインや設計などに携わる方には特に便利に使っていただけるのではないかと考えている」。
マウスとして重要な要素は"快適性"、"正確さ"、"スピード"
MX Masterのデザインコンセプトについては、プロダクトマネージャーのアルノー・ペレ・ジャンティ氏が説明した。
プロダクトデザインをする上で大事にしたのは、工業製品のデザインとして良いものを作るというだけでなく、ユーザーの体験を向上させるための設計をしているということだという。
「今回のプロジェクトで念頭に置いていたのは、顧客のニーズにいかに応えるかという点。何人かのユーザーにインタビューを行なったところ、ユーザーが求めているのは、結局はマウスの原点とも言える快適性、正確さ、スピードの3つだった」。
製品をデザインするにあたって初めにやることは、製品の形を定義すること。アルノー氏はそのプロセスについても解説した。「イメージする形が決まったら、すぐに木でモックアップを作る。ユーザーが持った時にどういう感じがするのか、どういった指の動きになるのかなどを想定して、作り込んでいく。実際に異なるモデルを複数作り、ユーザーテストを実施する。そのフィードバックから、更にブラッシュアップをする。最後には製品化のためにスキャニングを行なって形状を取り込むが、最も時間をかけるのは手で形状を作り込んでいく部分。忘れてはならないのは、マウスは最終的に手で持つ道具だということだ。そのくらい、形状は大事な要素と言える」。
サイドスクロールは複数タスクの切り替えに便利
発表会では、MX Masterの発表に先駆けて、ゲストに実際に製品を試用してもらい、話を聞くトークセッションも設けた。ゲストとして登壇したのは、株式会社ツクルバ クリエイティブディレクターの中村真広氏。中村氏は2週間程度あった試用期間の中で、サイドスクロール機能を高く評価していた。
「いくつかの仕事を平行して進めることが多いので、ふと思い立った時、すぐに画面を横に切り替えて確認できる点が気に入っている。オートシフト機能のホイールを止めるときに、モーターが軽く振動するところも萌えポイントだと思う」。(中村氏)
今後は、ジェスチャボタンを使いこなしたいという。中村氏は最後に「カスタマイズを重ねて使っていくうちに、マウス自体の形状自体が手に馴染むというだけではなく、使いこなしつつある機能が自分のワークスタイルに馴染んでいく感覚があった」と感想を述べていた。