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インテル、第5世代Coreプロセッサの強化点を解説
~Turbo Boostが進化しバッテリ負荷を低減
(2015/2/4 15:57)
インテル株式会社は4日、都内で定例記者説明会「インテル アーキテクチャ&マーケティングアップデート」を開催し、既に出荷している第5世代Coreプロセッサの機能の特徴などについて解説。冒頭では同社 クライアント事業開発部 マーケティング・マネージャーの小澤剛氏が、製品概要を説明した。
1月初旬のInternational CES 2015で発表された第5世代CoreプロセッサのSKUは、Intel HD Graphics搭載が10モデル、Intel Iris Graphics搭載が4モデル、PentiumおよびCeleronが3モデルとなる。
第5世代Coreプロセッサの特徴は主に3つ。1つ目は性能の向上である。第4世代Coreプロセッサ(Haswell)から製造プロセスが進化したことにより、トランジスタ数が9億6,000万から13億に約35%増加。これによって純粋な性能向上を実現した。
特にGPU周りが強化され、4K(3,840×2,160ドット)のビデオのハードウェアデコードが可能となり、VP8/VP9/HEVCのデコードを新たにサポート。また3Dゲームにおいても性能が最大22%向上し、最新APIのサポートを謳う。加えて、Intel Quick Sync Videoも強化され、Haswellと比較してビデオ制作や編集処理などが最大50%高速化した。
その一方で、ダイサイズを37%縮小することに成功。加えて、後述するシステム全体での消費電力の削減/最適化を行なうことで、バッテリ駆動時間が最大1.5時間向上したという。
今回発表された第5世代Coreプロセッサは、一般的に「メインストリーム」と言われている13~17型ノートPCや、薄型の一体型PCなど、市場の5割の製品をカバーできる。小澤氏は、「このメインストリームの市場は薄型化のトレンドが進んでおり、第5世代プロセッサは最適である」と位置付けた。一方で12.5型以下の2-in-1や高性能タブレットのセグメントには、Core Mプロセッサが最適であるとするが、「Intelとして使い方を制限するものでなく、今後さまざまなフォームファクタのイノベーションに対応できる」とした。
加えて、世界のPC市場の動向を見ていくと、2014年前半はWindows XPのサポート終了に伴う買い替え需要で好調だったのは周知の事実だが、後半も需要が堅調に推移し好調だったという。
2015年の見通しについても、「新しいフォームファクタや使い方の増加によって、これまで通りPC市場は堅調に推移するだろうが、注目したいのは4年前のPCからの買い替え。市場には4年前以上のPCが6億台稼働しているが、これを全て買い替えた場合は20兆円の経済効果がある。そこまで行かず10%だと見積もっても2兆円規模だ。第5世代プロセッサは、5年前のPCと比較して大幅な性能向上を実現しており、買い替えによる効果も訴求できれば、一定の市場効果が見込めるのではないか」と話した。
「第5世代Coreプロセッサ発表から1カ月で23モデル50機種以上が投入されたが、今後はさらに増える。また、インテルは20万人を超える規模のユーザー調査を行ない、PC操作が変革期に来ていると確信し、投資を続けている。これまでテキストベースだったUIがGUIとマウス操作になり、さらにタッチへと変化してきたが、これからはPCの性能向上に伴い、知覚が追加され、人間の行動を理解する時代が来る。インテルの投資の表れとして、RealSenseがある」とし、戦略事業企画室 ディレクターの亀井慎一朗氏にRealSense技術の説明とデモをバトンタッチした。
対応コンテンツが増えつつあるRealSense
RealSenseは1月に発表して以来、NECパーソナルコンピュータや富士通、デルなどから搭載製品が発売された。インテルが提供しているのは、前面カメラ向けの「RealSense 3DカメラF200」、背面カメラ向けの「RealSense 3Dカメラ」、「RealSense Snapshot」の3種類がある。現時点で主に一体型などに採用されているのはF200で、Snapshotはデルの「Venue 8 7000」が採用している。
今回亀井氏が新たに公開したのは、RealSense対応アプリケーションを集めたWebサイト「RealSenseアプリケーション・ショーケース」。現時点では種類が少ないが、70社が参加表明しているという。
今回デモを行なったのは、3D Systemsが開発した「3D Me」と、オズの魔法使いをテーマにした児童向けインタラクティブ絵本コンテンツ。3D Meは、RealSenseの深度センサーを駆使して、顔を立体的にスキャンして3Dモデルにするというもの。スキャンした3Dモデルは予め用意された3Dキャラクターの顔に差し替えられ、動かしたり、3Dプリントを注文することもできる。一方でオズの魔法使いの絵本は、手や顔を使ってミニゲームを行なうものとなっていた。
Broadwellに搭載されたTurbo Boostはシステム全体を最適化
最後に、インテル 技術本部 技術部長の竹内健氏が、Broadwellの技術特徴について解説した。
小澤氏の説明にもあった通り、Broadwellの特徴の1つは「システム全体の熱と電力管理」によるバッテリ駆動時間の延長である。それを実現するために、Broadwellではいくつかの新機能が追加されている。
1つ目は強化されたTurbo Boost。ご存知の通り、Turbo BoostはTDP(熱設計電力)内であれば動作クロックを自動的に向上させる機能であるのだが、これまでの設計は、PL1という“長期的なシステムリミット”と、PL2という“バーストリミット”の2つのパラメータがあった。
しかし、PL1とPL2だけの設定だと、一時的にバッテリに掛かる負荷が高まり、バッテリの寿命に悪影響を与える可能性があった。そこで、バッテリに与える負荷を考慮してPL2のパラメータを設定するのだが、すると今度は性能を最大限に引き出せなくなってしまうという問題があったという。
そこで今回、新たに“バッテリー・プロテクション”と呼ばれるPL3ステートを追加した。これはバッテリに対して大電流のスパイクが頻繁に発生しないことを保証するパラメータで、一時的に達することがあっても、その頻度をバッテリ寿命に対して影響を与えないレベルにする。これにより、システムの信頼性と性能の最大限化を両立させたという。
2つ目はチップセット側のスロットリング。これまで、熱設計を超えた時にCPU側のクロックを制限することはあったが、チップセットにその機能は存在しなかった。今回チップセット側の熱も制御するようになり、SATAに対して低電力ステートに移行する命令の発行、PCI Expressを強制的にL0sステートへ移行、そしてUSBの転送速度を抑えることで、チップセット側の消費電力と発熱を抑える仕組みが取り入れられた。Turbo Boostやチップセット側のスロットリングは段階的に行なわれるため、一般的な用途においてはフルに性能を発揮できるという。
加えて、Atomでも導入されているIntel Dynamic Platform and Thermal Framework(Intel DPTF)の仕組みを採用。プロセッサやチップセットのみならず、メモリや無線LAN、バッテリ充電器、表面温度、ディスプレイの輝度、ファンなどを全て監視/管理し、性能を最適化できるとした。