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慶應大学、1アンテナでのMIMO受信の実験に成功

 慶應義塾大学大学院理工学部電子工学科の眞田幸俊教授らの研究グループは11月27日、1本(素子)の受信アンテナでMIMO伝送を行なう実験に成功したと発表した。

 MIMOは無線の送受信に用いるアンテナ数を増やすことで伝送速度を引き上げる技術。理論的にはアンテナの数が2倍になれば、伝送速度も2倍になる。今回、同研究グループは、MIMOの通信速度を維持しながら受信アンテナ数を削減する信号処理方式を開発。これをソフトウェア無線機に実装し、アンテナ1本で2x MIMOと同等の伝送実証に成功した。

 この技術を用いることで、ウェアラブル端末のような小型端末にでもMIMOによる高速化が可能になるほか、受信アナログ回路の削減により、受信機の消費電力を低減できる。今後は、より多くのアンテナからの受信への対応を目指す。

(若杉 紀彦)