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インテル、さらに省電力になったAtom Z3700シリーズを解説

インテル クライアント事業開発部事業開発マネージャーの山中徹氏

 インテルは26日、都内で会見を開き、最新Atomプロセッサである「Z3700シリーズ」のCステッピング品の特徴などについて説明した。

 Atom Z3700は、前世代製品から、最大で3倍の性能と、同一性能において5分の1の消費電力を実現するなど「あらゆる価格帯のタブレットをカバーできるCPUである」(インテル クライアント事業開発部事業開発マネージャーの山中徹氏)とし、タブレットの市場拡大に寄与するプロセッサであることを改めて強調した。

 また、Z3700シリーズを搭載したデバイスとして、マウスコンピューターが8型タブレットの「WN801」、ジェネシスホールディングスが発売するgeaneeブランドの7型タブレット「WDP-71」、プラスワンマーケティングの10型タブレット「freetel Gaia」をそれぞれ発表。さらにジェネシスホールディングスの10型タブレットも参考展示された。

マウスコンピューターの8型タブレット「WN801」
ジェネシスホールディングスの7型タブレット「geanee WDP-71」
プラスワンマーケティングの10型タブレット「freetel Gaia」
参考展示されたジェネシスホールディングスの10型タブレット

 開発コードネーム「Bay Trail Refresh」と呼ばれたAtomプロセッサ Z3700シリーズは、Cステッピングへの更新に伴う性能向上により、従来モデルに比べて約2割のグラフィック性能向上を実現したほか、タブレットの普及価格帯を狙うためエントリーSKUを追加し、幅広いラインアップを揃えたこと、SoCだけでなく基板から周辺機器までのコスト削減を可能としたといった特徴を持つ。

 「250ドル以上の性能モデル向けやミッドレンジモデル向け、150〜250ドルのバリューモデル向け、75〜150ドルのエントリーモデル向けというように幅広いラインアップを揃えている」(同社)。エントリー向けには、E/F/Gという型番の製品を新たに用意した。

インテル モバイル&コミュニケーションズ事業部プラットフォーム・ハードウェア・エンジニアの平井友和氏

 また、インテル モバイル&コミュニケーションズ事業部プラットフォーム・ハードウェア・エンジニアの平井友和氏は、「優れた性能、優れた電力効率、業界最先端の22nm SoCプロセス技術を持つのがAtomプロセッサZ3700シリーズ」だとし、電力効率の強みについて説明。

 「プラットフォームの低消費電力化により、長時間駆動が可能となり、バッテリを小型化することでタブレット筐体の小型化、軽量化にも貢献しているのがZ3700シリーズ。さらにUSB充電が可能になるプラットフォームであるという点も省電力化の特徴の1つ。PCは、コンテンツ作成などの長時間作業で利用する場合が多いが、タブレットでは、タッチ機能の利用が多くコンテンツ消費の利用が主体。頻繁な画面のオン/オフが多く、スリープ状態からの速やかな復帰が求められるという特性もある。Z3700シリーズは、そのようなタブレットに最適化した新たな電力制御を採用している。具体的には、動作環境を示すS0への復帰を実現するS0iXステートを追加。中でも、S0i3ではスリープ状態であるS3に近い低消費電力状態から高速な復帰を実現。ここでは300〜500msの高速化を実現している。S0ixは、InstantGoの要求する電力制御エリアをサポートするものになる」などとした。

 タブレットをスリープ状態にすると、CPUコアはC7の状態となるとともに、GPUはランタイムD3に移行。これにより、Windows側では、InstantGoの状態になったことを確認。この時、音楽再生をすると、システムステートは、S0i1という状況になり、すべてのデバイスがランタイムD3となり、ローパスエンジンを使用して、低消費電力での利用が可能になる。

 さらにS0i3ステートにおいては、画面をオフにした状態では、アプリケーションはサスペンド、Wi-Fiはオフロード、ドライバは省電力モードに移行。Windows環境では30秒ごとにカーネルメンテナンスとして、デバイスの状況を確認するが、それとは別に、Wi-Fiがウェイクアップし、電子メールをプッシュ処理する時も、ディスプレイを起動せずにバックグランドで動作を実行することができる。

 また、「稼働中のS0状態では、パネルの消費電力が高く、また、S0i3では、Wi-Fiの消費電力が高い。それぞれのSステートにあわせた最適な消費電力の制御を可能にしている。S0ix対応タブレットのバッテリ駆動時間を延ばすには、不必要なネットワークデバイスを停止するとともに、サービスアプリにS0ix中の動作を可能にするといった見直しが必要になる。こうしたことにも取り組んでいく」としたほか、「S0ixの実現には、デバイスやソフトウェア、BIOS、フォームウェア、インターフェイス設定などの全てに対応することが必要であり、インテルは、この技術のために数年を費やしてきた。今後もより進化したS0ix対応タブレットが続々と登場することになる」とした。

 インテルの基本戦略およびタブレットに関する取り組みについても言及。「データセンター、クライアント、タブレット、さらにはウェアラブルやIoTといった、ネットに繋がる全てのモノに対して、最適な体験を、CPUに留まらず、ソリューションとして提供するのがインテルの基本戦略。その中でも、2014年は、タブレットに力を注いでいる。年間4,000万台のタブレットが出荷され、WindowsやAndroidに対応したタブレットは、エントリーから高性能製品まで、130以上もの製品が登場している。タブレットの成長は、今後、落ち着いてくるとの見方もあるが、まだまだ注目すべき分野である。特にWindowsタブレットは300%以上の成長を遂げている。生活の中にも定着し始めている」(インテル山中氏)などと述べた。

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(大河原 克行)