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ルネサス、世界初のCortex-Aシリーズ搭載mbedボード

「RZ/A1」を搭載したルネサスのmbedボード

 ルネサス エレクトロニクス株式会社は21日、ARMが推進する製品プロトタイプ開発のエコシステムであるmbedプロジェクトに参画し、Cortex-A9コアを採用する「RZ/A1」シリーズを搭載したマイコンボードを提供することを発表した。発売は2014年末を予定。株式会社コアが開発、株式会社若松通商が製造/総販売元となる。

 mbedボードの多くは、ARMのマイコン向けプロセッサであるCortex-Mシリーズを搭載するが、ルネサスのmbedボードはアプリケーションプロセッサであるCortex-A9をコアとするプロセッサを採用するのが大きな特徴。ルネサスでは、Cortex-Aシリーズを搭載したmbedボードは世界初としている。

 搭載CPUは「RZ-A1」シリーズで、mbedで採用されているCortex-M用のリアルタイムOSであるCMSIS-RTOS「RTX」に対応。開発環境はmbedプロジェクトが提供するものを利用できる。これにより、Cortex-Mで開発したソフトウェア資産を、大きな修正を行なうことなくCortex-Aへ移行できる。

 RZ-A1シリーズの動作クロックは400MHzで、メモリ10MB、ビデオ(カメラ)入力、グラフィックス出力、オーディオ機能、USBなどの各種インターフェイスを統合。Cortex-Mシリーズ搭載ボードと比較し、CPU性能はDMIPS値換算で約4倍、メモリサイズは約40倍となる。

 ニュースリリースで公開されたボードの写真では、ルネサスの電子工作向け製品らしくピンクの基板を採用することが分かる。ボードの詳細な仕様は現時点で公開されておらず、9月上旬に同社の電子工作コミュニティ「がじぇっとるねさす」のWebサイトで公開される。また、9月に行なわれるがじぇっとるねさすのイベントにおいてβユーザーを募集するとしている。

(多和田 新也)