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Amazon.co.jp、小説やマンガを1話ごと自動配信する「Kindle連載」を開始
(2013/10/25 13:30)
Amazon.co.jpは25日、連載形式の小説やマンガの新しいエピソードが出る度に自動配信する「Kindle連載」を同日より開始すると発表した。
発表会で同サービスについて説明した同社Kindleコンテンツ事業部事業部長の友田雄介氏は、通常の紙の雑誌などで連載されている小説やマンガタイトルについて、最新号が発売される度に買いに行く必要がある、欲しい号が売り切れることがある、連載途中から読み始めると内容が分からないし、以前の号を読み返せない、そしていつ単行本になるか分からないという課題があると指摘。
これに対しKindle連載は、連載対象のタイトルを一度購入すると、まず1話が配信され、2話目が発売になると自動的にKindle端末あるいはKindleアプリに配信される。1話と2話は内部的に1つのファイルに結合され、最終的には最終話が配信された段階で、従来のように単行本化を待つことなく、1つの単行本が完成する。また、連載がすでに開始されているタイトルを途中で購入した場合も、第1話から最新話まで全てが配信される。
なお、新しいエピソードが追加されても、現在読んでいる場所、ハイライト、メモした内容は維持される。また、単行本が完成した後に、タイトルによっては何らかの修正が入る場合があるが、その際ユーザーは、すでに持っている版の単行本を所持し続けることもできるし、修正版に変更することもできる。
現在、18の小説/マンガがKindle連載として発売されている。購入に当たって、Kindle連載バージョンの作品は、作品名に「(Kindle連載)」と表記される。また、内容紹介にもKindle連載である旨と、総配信回数、現在の号、各号間の発行期間(更新頻度)が明記される。単行本として完成すると、これらの記載は削除され、一般のKindle本扱いになる。万が一、何らかの理由で連載が途中で停止された場合は、返金される。
Kindle連載のタイトル選定はAmazon.co.jpが行なう。前述の通り、連載が完了すると普通のKindle本になるので、都度新たなタイトルをKindle連載として補充していく。友田氏によると、当面、常時20タイトル程度を確保するとしており、今後拡大する予定はあるものの、数多くある週刊誌のマンガタイトルが続々対応というわけではないようだ。また、現時点ではKindle ダイレクト・パブリッシングのように個人の作品を扱う予定はないという。
余談だが、僚誌「DOS/V POWER REPORT」で連載の「高橋敏也の改造バカ一台」の総集編もKindle連載で発売されている。通常価格3,333円が初回限定で980円となっている。
発表会には、「UNDERGROUND MARKET ヒステリアン・ケース」でKindle連載を行なう藤井太洋氏がゲストとして招かれ、Kindle連載が長さなどのフォーマットが自由で、原稿用紙100枚分でも1話として掲載できる点や、時事ネタを扱うにあたりスピーディな配信が活きてくるなど、著者視点でのメリットを語った。