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MSI、4画面出力可能なワークステーションノートなどノートPC新製品を披露
~AMD「Richland」やGeForce GT 730Mなどの新チップへの更新も
(2013/3/29 19:22)
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社(MSI)は29日、都内で報道関係者向けに説明会を開催。同社が4月以降に発売を予定するノートPCを披露した。詳しい仕様などについては発表時点で明らかにするとしている。
MSI本社から来日したAPAC地域のノートPC部門マネージャーのGrant Huang氏は、「今年はモバイルワークステーションシリーズなどラインナップを拡充する。タブレットなどを含めて、いろいろなところからチャレンジしていきたい」と挨拶した。
また、製品の説明は、同じく台湾本社から来日したノートPC部門のプロダクトマネージャであるGeorge Kuo氏が務めている。
Quadro搭載で4画面出力が可能なワークステーション
「GT70」および「GT60」は、MSIにとって初めて“モバイルワークステーション”というカテゴリで投入する製品となる。前者は17.3型液晶、後者は15.6型液晶を搭載するモデルとなる。正式な国内発表は5月を予定している。
いずれもNVIDIAのQuadroを搭載し、3台の外部ディスプレイをサポートすることで4画面出力に対応。内蔵ディスプレイと合わせて最大4画面を利用できるのが特徴。ディスプレイ出力インターフェイスはミニD-Sub15ピン、DisplayPort、HDMIを搭載する。
両モデルではGPUも異なり、GT70はQuadro K3000MおよびK2000M。GT60はQuadro K2000MおよびK1000Mを搭載。本社のラインナップとして各モデルに2SKUを用意しているが、日本国内でどのGPUを搭載したモデルが発売されるかは発表を待って欲しいとした。
内蔵液晶は両モデルともフルHD(1,920×1,080ドット)表示の非光沢タイプで、TN方式となる。GT60の15.6型液晶のみ、NTSC 95%の色域をカバーするパネルを採用する。17.3型はGT60と同等の色域を持つパネルを調達できなかったとしており、将来の製品では部材が調達できれば切り替えたいとしている。
ゲーミングノートPCをベースにした設計となっていることから、Qualcomm AtheronのKiller NIC(E2200)や、LEDバックライト液晶内蔵のSteelSeriesキーボードを搭載するのも特徴。また、ヘッドセット拡張機能の「Audio Boost」やTHX TruStudio Proに対応する。「Cooler Boost」と呼ばれるファンの回転数を一時的に高める機能なども、ゲーミングノートPC製品と同等になっている。
ただし、SSDをRAID構成で利用する「Super Raid」機能は、ゲーミング製品ではRAID 0での利用となっていたが、ワークステーション製品ではRAID 1構成を選べるようにする。ストレージは両モデルとも、128GB SSD×2台と750GB HDDを搭載する。
そのほかのスペックは現時点で未公表だが、CPUは第3世代Coreプロセッサ、メモリ最大32GBなどとなっている。
一般向けノートPC「CX61」
“Classic Notebook”シリーズに属する一般/マルチメディア向けノートPCの新製品となる「CX61」は、15.6型液晶を採用。
特徴は、GPUにNVIDIAのGeForce GT 730Mを搭載した点。同GPUは大々的な発表は現時点で行なわれていないが、今年に入ってひっそりとNVIDIAのWebサイトに登場した、Keplerベースのモバイル向けGPUとなる。MSIの説明では、GeForce GT 640Mと比較して、7%の性能向上になるという。
ゲームの利用も現実的な性能と述べ、それに適応できるようキーボードも「Rock-Solid」と呼ばれる独自のものを採用。これは押したときのフィーリングを高めるために、これまでと異なるラバー素材を採用したほか、底面に金属プレートを埋め込んだものとしている。
CX61のそのほかの仕様は、CPUに第3世代Coreプロセッサ、SRS PC Sound対応、USB 3.0、Bluetooth 4.0、HDMI 1.4搭載などとなっている。
Richland+Radeon HD 8970M搭載のゲーミング製品
ゲーミング製品も春以降にスペックの更新を予定する。17.3型の「GX70」と、15.6型の「GX60」が投入され、APU/GPU以外のMSI独自機能などは従来製品を受け継ぐ。
そのAPU/GPUは、AMDが3月12日に発表した「Richland」のコードネームを持つ新APU「A10-5750M」と、未発表の「Radeon HD 8970M」を搭載するのが特徴で、いずれも“世界初採用”で、かつ“MSIとしても日本で最初に発売する”としている。
APUの更新によりCPU性能が3DMark 11で21.5%、PCMark7で10.7%向上するとする。また、Radeon HD 8970Mについては、GeForce GTX 680Mと比較して7.5%高速とするAMDの資料などが提示されている。