既報の通り、米Hewlett-Packard(HP)は現在、中国・上海でプレス向けイベント「Global Influencer Summit 2012」を開催している。
この中で、デュアルコアと思われるIvy Bridgeを搭載した14型Ultrabook「HP ENVY 4 Notebook PC」(以下ENVY 4)と、「HP ENVY 6 Notebook PC」(以下ENVY 6」を公開した。
また同時に、薄型筐体を採用しながらも、Ultrabook非準拠で低価格化を図った「Sleekbook」を独自展開することを明らかにした。
●ENVY 4のUltrabookENVY 4のUltrabookは、Sandy Bridge(第2世代Coreプロセッサ)またはIvy Bridge(第3世代Coreプロセッサ)を搭載する14型ノート。Sandy Bridge版については即日より出荷され、価格は749.99ドルからとなっている。
筐体が薄いUltrabookは音質面で設計が窮屈になりがちだが、本製品は「Beats Audio」を搭載し、ステレオスピーカーに加えてサブウーファーを内蔵する2.1ch構成となっている。また、独自の冷却技術「HP CoolSense」を備える。
本体サイズなどを含む詳細なスペックは明らかにされていないが、BTOに対応しているようで、最小構成でメモリ4GB、32GB SSD(キャッシュ用)+500GB HDD、1,366×768ドット表示対応14型ワイド液晶ディスプレイ、OSにWindows 7 Home Premium(64bit)などを搭載する。
なお、Ivy Bridge搭載モデルに関しては、CPUにCore i5-3317U(1.7GHz)、チップセットにIntel HM77 Expressを搭載していることを確認できた。なお、キーボードはLEDバックライト付きオプションも選べるようだが、説明員によればアジア地域向けにはオプション提供しないという。
インターフェイスは、SDカードスロット、USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI出力、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、HD対応Webカメラ、音声入出力などを備える。バッテリ駆動時間は最大9時間。
ENVY 4シルバーモデル | ENVY 4ブラック/レッドモデル | Ivy Bridge搭載版のCPU |
●ENVY 6のUltrabook
ENVY 6のUltrabookも同じく、Sandy BridgeまたはIvy Bridgeを搭載する15.6型ノート。Sandy Bridge版については即日より出荷され、価格は799.99ドルからとなっている。
主な特徴はENVY 4と同様、Beats AudioやCoolSenseを搭載。こちらも本体サイズなどを含む詳細なスペックは明らかにされていないが、BTOに対応する。最小構成はENVY 4と同等で、液晶は1,366×768ドット表示対応の15.6型ワイド液晶ディスプレイとなる。
インターフェイスや重量、バッテリ駆動時間などもENVY 4に準じるものとなっている。
ENVY 6 | インターフェイスなど | Ivy Bridgeモデルの搭載CPU |
●HP独自の「Sleekbook」とは?
さて、既報の通り、HPはUltrabookの「ENVY 6」とまったく同じサイズ/重量の筐体を採用しながら、AMDのAPUを搭載した「ENVY 6」を展開しているが、こちらは今後HPが独自に「Sleekbook」として新たにラインナップに追加している。
Ultrabookはご存知のように、Intelが提唱する軽量薄型ノートのロゴ規格となっているため、ロゴ取得にはサイズや重量だけでなく、IntelのRapid StartやIntel Smart Connect Technologyの搭載などの、一定要件を満たす必要がある。そのため、AMD APU搭載では当然適用できず、ロゴ取得できない。
しかしその代わり、同じサイズと重量をより低価格で実現できている。一例としてUltrabookのENVY 6は799.99ドルからだが、SleekbookのENVY 6は599.99ドルから、といった具合だ。HPは今後、HDD採用で起動時間やサスペンド復帰時間などがやや長いものや、PentiumブランドCPU採用のもの、AMD CPU/APU搭載のものなど、Ultrabookに適合しないものをSleekbookとして展開し、低価格で薄型ノートPCの市場を拡大していきたい考えという。
ENVY 4のSleekモデル | ENVY 6のSleekbookモデル |
AMDのTrinity搭載のENVY 6 Sleekbookについては別記事で既に紹介しているが、ENVY 4でもSleekbookが用意される。CPUはSandy BridgeまたはIvy Bridgeを搭載し、メモリは4GB、500GB HDD、1,366×768ドット表示対応14型ワイド液晶ディスプレイなどといった仕様で、価格は699.99ドルと、Ultrabook版と比較して50ドル安い価格設定となっている。
なお、今回のUltrabook/Sleekbookは14型と15.6型が中心となっているが、HPによれば欧米市場では15.6型がもっとも人気で、中国市場では14型がもっとも売れているため、この2つを主力に置いて開発したという。さらには「出張が多いビジネスマンでも13.3型が一番適している」とのことで、米国メーカーにとって、11.6型以下のモバイルノートに注力して展開するのは難しいという一面が伺えた。
(2012年 5月 10日)
[Reported by 劉 尭]