UQ、WiMAXエリア拡大や高速化に向けた施策を発表
〜対応スマートフォンの待ち受け時間延長技術も近々実装へ

野坂章雄氏

11月21日 発表



 UQコミュニケーションズ株式会社は21日、WiMAX事業戦略説明会を開催。同社代表取締役社長の野坂章雄氏、および技術部門副部門長の要海敏和氏が、エリアの拡大、高速化、新料金体系などについて説明した。

 まず、野坂章雄氏は直近の状況について、10月度の加入者純増数がソフトバンク、KDDIに次ぐ3位だったこと、RBB TODAYと価格.comの総合満足度で1位と、好調だったことを報告。現在約133万人の加入者数を2012年3月までに200万人へと増やす目標に変わりはないが、新たな製品と料金プランを提供開始することでさらなる弾みをつける。

要海敏和氏 10月の加入者純増数は第3位
顧客満足度でも総合1位を獲得 2011年度末までに200万人を目指す

 新製品は据え置き型のWiMAXルーター「URoad-Home」。従来、技術基準適合証明では送信出力が最大23dBm、アンテナ利得が最大2dBiで、最終出力は最大25dBmと規定されていたが、4月の改正でそれぞれ、26dBm、5dBi、28dBmまで引き上げられた。これにあわせる形で、URoad-Homeでは、送信出力が25dBm、アンテナ利得が3dBiで最大出力28dBmを実現し、実効性能を引き上げ、これまで利用が困難だった弱電界地点でも接続できるケースが増えた。同製品では、Ethernet×2を装備し、有線+無線で最大12台までの機器を接続できる。発売は11月22日。

URoad-Home 出力と受信感度を上げた 従来品との実測の比較

 また、12月1日より、2回線を同時に使える割引サービス「ファミ得パック」を提供する。現在、1契約に付き、1台あたり月200円で、2台まで接続端末を追加できるが、同時に接続できるのは1台となっている。ファミ得パックを利用すると、2つ目の回線を月2,480円で追加できる。これにより、家の固定回線代わり+モバイルルーターで屋外での利用といった場合も、不自由なく接続できるようになる。

月額2,480円のプラスで2回線同時利用可能に 家と屋内、離れた家族でそれぞれ1台ずつといった用途を想定

 利用エリアについては、都営地下鉄三田線の大手町駅での基地局設置工事が始まり12月末より利用可能になることが発表された。2012年内に、三田線、浅草線、新宿線、大江戸線の全区間での順次サービス開始を目指しており、開通した駅ではトンネル内であっても途切れずにWiMAXの利用ができる。また同社では、東京メトロ、大阪市営交通とも協議中のほか、各政令指定都市の地下鉄へも順次対応拡大を図っていく。

 地上においても、ビルの影や、商店街のアーケードなど電波の入りづらい場所に基地局を置いたり、基地局を設置するための高い建物がない場所へはポールを立てて設置するなどし、既存エリアでは速度が5Mbps未満だった地域でも10Mbps以上出せる場所を増やし、電波の入りづらい場所でも快適に利用できるようにした。

三田線大手町駅での工事が着工 既存エリアでも緑の5Mbps未満が減り、青の10Mbps以上が増えた 商店街アーケードへの基地局設置も進めている

 これ以外にも、エリア/性能強化に向け、近々にいくつかの施策を打つ。1つは屋内での利用環境改善策で、制御信号にHARQ機能を適用し、分割メッセージの再送+合成で受信エラーを減少させ、繋がりにくかった場所でも接続できるようにする。

 2つ目はハンドオーバー時の速度劣化対策で、ハンドオーバーで届かなくなったパケットを別の基地局経由で送るという、物理層の転送処理で救済することで、IP性能を維持する。

 3つ目はWiMAX対応スマートフォン向けのもので、ページングサイクルのダイナミック化により、アイドルモード時のパケットチェック時間を引き延ばし、待ち受け時のバッテリ消費を減らす。これは、端末ごとの最適化が必要だが、待ち受け時間を最大2倍に引き延ばすことができる。

制御信号にHARQ機能を適用 ハンドオーバーで物理層の転送処理による救済を行なう WiMAXスマートフォンでアイドル時のパケットチェックを減らし、待ち受け時間向上も計画

 同社は14日に、12月より上りの最高速度を10Mbpsから15.4Mbpsに引き上げることを発表している。これを踏まえた実効速度は下りが約30Mpbs、上りが約7.5Mbpsに達すると言い、野坂氏はモバイルブロードバンドでWiMAXが実効速度1位であると述べた。また、2012年3月の目標である20,000基地局を達成すると、実人口カバーが1億人になることから、その実現に向け「WiMAXエリア全力宣言」のキャッチコピーのもと、積極的なエリア拡大と品質改善に努めると語った。

 なお、上り15.4Mbpsの対応については、既存の機器ほぼ全てでファームウェアのアップデートにより利用可能になる見込み。

実効速度No.1を謳う 2011年度末に実人口カバー1億人を目指す

(2011年 11月 21日)

[Reported by 若杉 紀彦]