キングジム、BluetoothでiPhoneにも繋がる新型ポメラ
~繰り返し使えてPCにも取り込める手書きメモパッドも

「ポメラDM100」

11月25日より順次発売
価格:
ポメラDM100:37,800円
Boogie Board Rip:14,800円



 株式会社キングジムは、Bluetoothや液晶バックライトなどを新たに装備し、デザインを一新した文章入力端末「ポメラDM100」を11月25日より、繰り返し使える液晶型メモパッド「Boogie Board Rip」を12月2日より発売する。価格は前者が37,800円、後者が14,800円。

●ポメラDM100

 ポメラはコンパクトなクラムシェル型で、文章の入力に特化した端末。従来までのモデルは、閉じた時に正方形に近い形状で、利用時は液晶を開けてから、さらにキーボードを左右に開く構造になっていた。これに対し、新型はキーボードが折りたたまないストレートタイプになり、閉じたときの形状は長方形になった。これにより、たたんだ時の横幅は2.5倍以上になったが、厚さは若干薄くなり、打鍵時の安定性が向上した。キーピッチは従来と同じ17mm。

 日本語入力システムは引き続きATOKを採用するが、新たにPC版ATOKのユーザー辞書を取り込めるようになった。また、キーの割り当て変更に加え、親指シフトに対応し、そのためのキートップシールが付属する。

 また、シリーズで初めてBluetoothに対応。これにより、USBだけでなく、無線でPCに接続し、データを転送できるようになったほか、iPhone/iPadなどiOS 4.0以降を搭載する端末のBluetoothキーボードとしても利用可能になった。対応プロファイルはHIDとFTP。

 入力については、横書きに加え縦書きに対応。さらに、1ページあたりの行数と文字数を固定するフレーム表示機能や、Excelのような表形式の入力機能(書式はCSV)、2つのファイルを同時に開ける2画面編集機能を追加した。また、液晶の右横に国語/英和/和英の3つのボタンを備え、選択している言葉をそれぞれの辞書で調べる機能も搭載した。

 液晶は引き続きモノクロだが、4型から5.7型に大型化するとともに、解像度も640×480ドットから800×600ドットに高精細化したほか、バックライトを搭載した。一方で、電池を単4形から単3形に変更することで、駆動時間は従来の1.5倍に伸びた。

 本体メモリは128MB、1ファイルあたりの最大文字数は全角4万文字で、最大1,572ファイルを保存可能。インターフェイスはUSB(ミニB)、SDカードスロット。電源は単3形アルカリ乾電池/エネループ×2で、駆動時間は約30時間/25時間。対応OSは、Windows XP/Vista/7、Mac OS X 10.5以降。

 本体サイズは263×118.5×24.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約399g(電池含まず)。

 なお、現行モデルは引き続き販売する。

開いたところ。フォームファクタはVAIO Pに近い閉じたところ。天板はマットな感じ裏面。電池は単3形×2になった
右側面左側面。microUSBとSDカードスロットがある前面の厚さは11.9mm
キーボードはノートPCにかなり近い液晶は大型/高精細化。左右に余裕ができた分、各種ボタンが配置される初代ととの比較
こちらは開けたところiOS端末のBluetoothキーボードになる新製品は入力しやすさを追求した

●Boogie Board Rip

 Boogie BoardはA4用紙程度のサイズの薄い板状になっており、表面にスタイラスなどで描画すると、画いた部分が変色して、メモを取ることができる製品。表示部分は、バイステーブル型の液晶を使っており、電子ペーパーのように表示については電力を消費しないため、ずっと表示を保つことができる。消去ボタンを押すだけで画面は消去できるので、繰り返し使える。消去の際は電力を消費するが、バッテリは1日8時間の使用で約5日間持続する。

 米Kent Displaysによる製品で、キングジムは、これまでも取り扱いをしていた。新製品となる「Boogie Board Rip」では、画いた内容を本体に保存し、PCに転送する機能が追加された。

 保存する場合は、保存ボタンを押してから描画し、終わったら保存ボタンを再度押す。描画内容はベクターPDFとして内蔵メモリに保存される。メモリ容量は8MBで、100枚以上のメモを保存できる。PDFデータは、本製品をPCにUSB接続して、転送できる。なお、通常の描画は爪など先の細いものなら何でも使えるが、保存ができるのは付属のスタイラスで画いた場合のみ。また、本体上ではある程度の筆圧を表現できるが、保存データは線幅が一定になる。

 また、今後提供予定のPCアプリを使うと、本製品をPCに繋ぎながら、タブレットとしてリアルタイムにPC上で描画できるようになる。

 本体サイズは179×282×13mm(同)、重量は325g。入力エリアのサイズは9.5型。インターフェイスはmicroUSBで、充電もここから行なう。

Boogie Board Rip文字を書いたところ。表示には電力を消費しないスタイラスが付属
スタイラスは上部に収納本体背面保存データの転送と充電はUSBで行なう
スタイラスで画いた内容は本体にベクターPDFとして保存可能アプリを別途インストールするとタブレットのようにも利用できるようになる発表会ではキングジム代表取締役社長の宮本彰氏(右から2番目)と、Kent Displaysの社長兼最高財務責任者にJoel Domino氏が挨拶した

(2011年 11月 8日)

[Reported by 若杉 紀彦]