台湾E Ink Holdingsとセイコーエプソン株式会社は17日(日本時間)、世界最高解像度の300dpiを達成した「高精細電子ペーパーデバイス」を開発した。
電子ペーパーディスプレイと表示制御プラットフォームからなるもので、電子ペーパーディスプレイ部をE Inkが、制御部をエプソンが開発。端末メーカーはこのデバイスを採用することで、高精細の電子ペーパータブレットを短期間で効率的開発できるという。
E Inkが今回開発した電子ペーパーディスプレイは9.68型で、2,400×1,650ドットからなる。紙のように環境反射光を利用して表示を行なう。従来の電子ペーパーと同様、低消費電力で薄く、軽いなどの特徴を持つ。
一方エプソンが開発した表示制御部は、コントローラIC、アプリケーションプロセッサ、システム用電源管理IC、ファームウェアなどを統合。プリンタ事業で培った高画質を実現する画像処理技術を組み込んだほか、ページ送りの高速化をはじめ、快適な操作性や表示制御を可能にしたという。
新デバイスはビジネスや教育用途をターゲットにしており、複雑で精細な図面やイラスト、漢字などを、なめらかな階調表現で正確に表示できるという。試作品は、5月15日~20日にアメリカのロサンゼルスで開催中のディスプレイ関連の展示会「SID Display Week」のE Inkのブースで出展する予定。
(2011年 5月 17日)
[Reported by 劉 尭]