日本マイクロソフト、同社初の商品横断キャンペーン
~Kinect、Windows、Officeを同時にアピール

日本マイクロソフト 執行役 ホーム&エンターテイメント事業本部リテールビジネス事業部長 五十嵐章氏

2月24日 発表



 日本マイクロソフト株式会社は24日、2011年春商戦向け施策について報道向け説明会を実施した。

 2010年11月に冬商戦向け店頭施策の説明会を実施したが、日本マイクロソフト 執行役 ホーム&エンターテイメント事業本部リテールビジネス事業部長の五十嵐章氏は冬商戦を振り返り、「スタンダードPCの販売状況は、Windows 7発売以来、対前年同期比5期連続で成長している。地デジ対応PCの増加で、PCでも地デジを見ることができることなどが伝わったことが下支えとなっているが、最大の要因はWindows 7が大変評判がよいことにあるのではないか」と、Windows 7の高評価がPCの販売増加につながっていると強調した。

 Office 2010についても、GfKのデータをもとにした自社集計で店頭販売の63%を占めているとした上で、「製品発売以降も、店頭販売員さん向けトレーニングを実施してきた成果が出ているようだ。また、年末に発売したマウス付き限定パッケージが好評だったこともシェア向上につながった」と説明した。

 同じく冬商戦で店頭向け施策を強化するとしていたXbox 360についても、KinectをきっかけにこれまでXbox 360を販売していなかった店舗でも販売がスタート。店頭でのKinect試遊イベントは全国で44,000人が体験したという。

スタンダードPCがWindows 7発売以降好調な売れ行きを継続Office 2010パッケージについても、好調な販売が続くXbox 360もKinectをきっかけに取り扱い店舗が増え、店頭では44,000人が体験

 年末に発売し、人気となったフレキシブルデザインの「Arc Touch mouse」については、2月25日から「Office Professional 2010」にバンドルした製品がソフトバンクBBから発売され、「春商戦に向けたOffice販売増加の下支えとしていきたい」(五十嵐執行役)という。

「胸ポケットに入るArc Touch mouseは大好評発売中」と五十嵐執行役2月25日からは「Office Professional 2010」にArc Touch mouseをバンドルした特別パッケージがソフトバンクから発売されることに

日本マイクロソフト 執行役 オフィスプレインストール事業統括本部長 宗像淳氏

 Office 2010プレインストールPCについては、日本マイクロソフト 執行役 オフィスプレインストール事業統括本部長宗像淳氏がGfKのデータを元に算出したパッケージ販売、プレインストールPCの合算数をあげ、「昨年(2010年)7月以来、好調な実績を続けている。通常、発売翌年は販売量が落ち込むのだが、そういう傾向も出ていない。JEITAから発表されたPC出荷数は、今年1月は前年割れとなっていたが、店頭販売に関しては好調を維持し続けている(編集部注:2010年1月はスクールニューディール政策特需があったため比率では減少だが、通常の出荷は伸びている)。心配していたSandy Bridge不具合による影響も、PCメーカー各社が相当努力した結果、当初予測していた20万台から30万台への影響までには至らないことがわかった」と説明した。

 冬商戦向けに実施したプロモーション「動き出す年賀状を作ろう!」は、20万のユニークユーザーが来訪。「利用者の年齢、性別も偏りがなく、改めて使い方提案の重要さを認識した」(宗像執行役)と成功に終わったとした。

 春商戦については、「いいことはじまる マイクロソフトで新生活」のキャッチフレーズで、同社としては初めてWindows、Office、Kinectなど製品横断キャンペーンを実施する。キャンペーン告知は、3月の毎週末、日本マイクロソフトのトップページを、桜をイメージしたキャンペーンカラーピンク色の画面にして行なうなど、全社的なキャンペーンとしてアピールする。

春商戦は「いいことはじまる マイクロソフトで新生活」のキャッチフレーズで製品横断キャンペーンを初めて実施新生活を始めた若者がPCやマイクロソフト製品を活用していく店頭デモ用ビデオを制作コンシューマ製品の春の連動キャンペーンを開催
3月の毎週末は、日本マイクロソフトのトップページがコンシューマキャンペーンのテーマカラーである桜色にキャンペーンでは、購入、知る、つぶやくなどさまざまな内容を用意冬商戦向けプロモーションとして実施した動き出す年賀状は20万ユニークユーザーが来訪

 「これまでWindows、Officeなど製品ごとにマーケティグチームが存在する関係上、Webでのアピールや店頭キャンペーンも個別に行なわれていた。今回、マイクロソフトとしては初めて全てのマーケティングチームが一堂に介し、統一キャンペーンを実施することとなった。これまで各部隊が在籍するビルが分かれていたのが、品川本社に集合したことで、今回のキャンペーンとなったわけではないが、お客様がOfficeから入ってArkTouch mouseの存在を知るといった具合に、旬な製品を通じて、さまざまな製品、サービスなどを知るきっかけになってもらえば」(五十嵐執行役)とする。

 キャンペーンでは店頭デモPCに、各製品の活用方法をアピールする新生活を始めた若者の日常の中から、マイクロソフト製品やPCの活用方法を伝えるビデオをバンドル。各製品の活用方法を紹介すると共に、具体的な利用シーンを訴求していく。

 オンラインではコンシューマ製品のポータルサイトを設け、「春のマイクロソフト検定」、購入後の登録キャンペーンなど複数のオンラインキャンペーンを展開する計画だ。

 さらに店頭デモイベントとして、3月4日から27日まで、全国19店舗でデモイベントを実施。3月26日と27日には、Windows Liveアドバイザーのマイクロまいこ、Office 2010のプロモーション担当の冴子2010による店頭イベントを開催する。

 「マイクロまいこがみなさんの就活を応援します」のタイトルで、無料ですぐに使えるWindows Liveの活用方法や、テンプレートの有効活用術など実践的な活用方法をアピールする。

店頭デモイベントは、冴子2010、マイクロまいこが登場マイクロまいこ起用のWindows Liveの就職活動支援用チラシ

 「2011年の家電量販店は、エコポイントの反動でTVをはじめとした家電製品の売れ行きが伸び悩むという見方が出ている。その分をカバーするためには、PCの販売を強化するしかないという声が販売店側からあがっており、PCの店頭販売については昨年に引き続き、好調な売れ行きが期待できるのではないか」(五十嵐執行役)と期待を寄せる。

 Office 2010プレインストールPCの春商戦施策としては、冬商戦で利用提案が好評だったことを受けて新生活向けテンプレート150種類を用意。若い女性、子供、ビジネスマン、学生など利用者のキャラクターに合わせた内容で、従来のテンプレートはPowerPoint向けが多かったが、Word、Excel、OneNote向けも用意する。テンプレートは、キャンペーンサイト「楽しもう! Officeライフ」で提供される。一部メーカーのPCには、キャンペーンサイトにアクセスできるアイコンも搭載する。

 「このサイトでは、テンプレートを随時更新し、PCメーカーとの連動企画やHow toを、サポート部隊と連携し、よくある質問をあらかじめ紹介するなど、PC新規購入者を支援する内容となっている」(宗像執行役)という。

 特にOffice 2010のHome and Businessに搭載されているOneNoteの使い方をアピールしていく計画だ。「現在、プレインストールPCの75%がHome and Businessになっているので、大半のユーザーはOneNoteを利用できる環境になっている。使い方を理解してもらえば、このソフトの面白さに気がついてもらえるはずなので、アピールしていく」(宗像執行役)。

Office 2010はパッケージ、プレインストールPC共に好調に推移PC新規購入者向けポータルサイト「楽しもう! Officeライフ」を開設楽しもう! Officeライフにアクセスできるアイコンも用意
Office 2010の春商戦施策として150種類のテンプレートを無償提供テンプレートはキャンペーンサイトで提供される

 また、子供を対象にしたPC活用提案サイト「あこがれのあの人に一歩近づく Startup Dream」を2月25日からオープン。これまでは保護者向けコンテンツを提供してきたが、直接、子供達にPC活用方法を紹介する内容とする。

 「子供向け施策としては、2月26日、27日にNPO法人CANVASが実施するワークショップコレクションに出店し、PCを活用した子供の創造力、表現力を高めるワークショップを実施し、さらにPCメーカーが販売しているキッズ向けPCによる学習コンテンツなどを紹介する試みも実施する」(宗像執行役)。

 さらに4月からは、女性モデルを起用し、Office 2010の身近な活用方法を提案する「応援隊プロジェクト」を実施。「エンドユーザー目線で、もっと色々な情報を発信していく」(宗像執行役)ことも計画している。

キッズ向けPC活用提案サイトを新たにオープン4月からは女性モデルを起用したOffice 2010応援隊プロジェクトが始動

(2011年 2月 25日)

[Reported by 三浦 優子]