AMD、200ドルクラスのゲーマー向けGPU「Radeon HD 6800」シリーズ

Radeon HD 6870

10月21日(現地時間)発表



 米AMDは21日(現地時間)、「Radeon HD 5000」シリーズの後継となるGPUの最初の製品として「Radeon HD 6800」シリーズを発表した。

Radeon HD 6850

 Radeon HD 6000シリーズは、「Northern Islands」のコードネームで呼ばれてきた製品で、今回発表となるRadeon HD 6870および同6850には「Barts」というコードネームが与えられている。

 Bartsのシェーダー部分に関する基本的アーキテクチャはRadeon HD 5800シリーズと共通だが、その位置づけは、5800シリーズの性能をより安価な価格で提供することにある。そのため、Bartsでは基本アーキテクチャの改善/強化を行なっているものの、シェーダ数は削減されている。

 具体的にはBartsは150〜250ドルの価格帯の製品となり、発表当初300〜400ドル程度だった5800シリーズより引き下げられる。AMDの説明によると、この150〜250ドルの価格帯というのは、伝統的にRadeon HD x800シリーズに割り当てられていたものだったが、5800シリーズのみが例外的に高価格な製品になってしまったのを、もとのラインに戻したのだという。

1ドル当たりの性能の推移 Radeon HD 6800シリーズのブロックダイヤグラム

 強化点の1つはテッセレーション部分で、スレッド管理やバッファリングの改善などにより、Radeon HD 5000シリーズに対して最大2倍の性能を実現した。また、DirectComputeを利用し、スーパーサンプリング方式より高速なMorphologicalアンチエイリアスの対応や、異方性フィルタリングの画質向上も図られた。

 ディスプレイ出力や、UVD周りも強化。リファレンスカードでは、DVI×2(シングルリンク+デュアルリンク)、Mini DisplayPort×2、HDMIという構成。DisplayPortはバージョン1.2で、デイジーチェーンあるいは、マルチストリームトランスポートHubを使うことで、1つのポートから複数のディスプレイに出力可能になり、1枚のカードから最大6台のディスプレイに出力できる。

 HDMIもバージョン1.4aへの進化し、これによりステレオ3Dの出力が可能になった。同社ではステレオ3Dについて、XpanDやRealDといった業界標準規格を採用する。そのため、3Dメガネなどは同社からは提供せず、TV製品のように3D液晶と3Dメガネがセットになったものを利用する形になる。3DはBlu-rayだけでなく、ゲームにも対応。ゲームではDDDやiZ3Dの汎用変換技術を使うが、2011年以降はネイティブな3Dゲームも登場予定という。

ディスプレイ出力 DisplayPortPort 1.2はデイジーチェーンやHubを使ったマルチディスプレイ構築が可能
構成方法はかなり柔軟で異なる解像度でも対応可能。ステレオ3Dにも対応 HDMIもバージョン1.4aになり、Blu-ray 3Dや対応ゲームの立体視が可能に

 ビデオ再生支援エンジンのUVDもUVD3へと進化。新たに、Blu-ray 3Dのマルチビューコーデックのほか、MPEG-2/MPEG-4 part 2(DivX/xVid)の再生支援が可能となった。

 それ以外の主な仕様は、Radeon HD 6870が、SP数1,120基、SPクロック900MHz、ROPS数32基で、メモリは4.2GHz駆動/256bit接続のGDDR5 1GB。理論ピーク性能は2TFLOPS。消費電力は最大151W/アイドル時19W。電源コネクタは6ピン×2。

 Radeon HD 6850は、SP数960基、SPクロック775MHz、ROPS数32基で、メモリは4GHz駆動/256bit接続のGDDR5 1GB。理論ピーク性能は1.5TFLOPS。消費電力は最大127W/アイドル時19W。電源コネクタは6ピン×1。

 いずれも製造プロセスは40nmで、カード厚は2スロット。Radeon HD 6870のトランジスタ数は17億、ダイサイズは255平方mm。

 今後およそ1カ月のうちに、Bartsの上位製品となるコードネーム「Cayman」こと「Radeon HD 6970/6950」が登場予定。さらに、デュアルGPUとなる「Antilles」こと「Radeon HD 6990」も第4四半期中に投入予定。なお、下位モデルのRadeon HD 5700シリーズは継続販売される。

直近のロードマップ こちらは型番ベース

(2010年 10月 22日)

[Reported by 若杉 紀彦]