ソースネクスト株式会社は、ドキュメント管理サービス「Evernote」の3カ月プレミアム会員権と、「EVERNOTEハンドブック」のダイジェスト版をセットにしたパッケージ「EVERNOTE スターターパック」を7月2日に発売する。価格は1,500円。
米国Evernoteとソースネクストの協業により実現したパッケージ製品。パッケージには、PDF形式の機能解説ガイド「EVERNOTEハンドブック」の特別版(基本操作と使い方を説明した第1章と第2章のみ)および、Windows/Mac OS X向けのプログラムのダウンロードへのリンクが入ったCD-ROMと、3カ月分のプレミアム会員権のシリアル番号が同梱される。
これまでEvernoteのプレミアム会員権は、クレジットカードによるオンライン決済のみだったが、パッケージで提供することにより現金による支払いにも対応し、より幅広いユーザー層に対応できる。また、ハンドブックを同梱することで初心者への展開も狙う。
パッケージ内容 | スタンダードとプレミアム会員の機能の違い | Phil Libin CEO |
15日に都内で開かれた記者会見では、来日した米EvernoteのPhil Libin CEOが、Evernoteの特徴や今後の展開について説明した。
同氏は、Evernoteを生活のすべてを記録する「脳として機能するモノ」として例え、「会議のメモだけでなく、レストランで飲んで気になったワインやパーティーの写真など、あらゆるデータを生成して、保存して、記録できる。そのためにはPCだけでなく、スマートフォンなどさまざまなデバイスに対応する必要があるが、我々はそれに対応し、普段の生活に密着できる」とした。
また、強力な検索機能についても触れ、「我々の検索機能は日時や場所、キーワードだけでなく、画像に埋め込まれたテキストもOCRの技術によって認識でき、それをも検索できる。それはすなわち名刺やワインのラベルなどを写真に収めても、ちゃんとテキストベースで検索できる」と述べた。
Evernoteの今後については、「現在、約15%(35万人)が日本のユーザーであり、日本は我々がアメリカに次いで最も注力している市場である。今回のソースネクストとの協業により、パッケージ版を販売することで、より幅広いユーザー層に我々のサービスを提供できるようになり光栄に思う。今回は、長期的なパートナーシップの第1弾でしかないので、今後はより一層広げていきたい」とした。
Evernoteの概要 | マルチプラットフォームへの展開 |
今後はEvernote関連のソフトなども展開予定 | Phil Libin CEOとソースネクスト 代表取締役社長 松田憲幸氏 |
●音声認識で英日/日英に翻訳するソフトも
このほか、ソースネクストは、音声認識で瞬時に英日/日英翻訳を行なうソフト「超速通訳 ツージル」を7月2日に発売する。価格は64,800円。学割版も用意され、価格は49,800円。
米国のCarnegie Mellon大学と、ドイツのKarlsruhe大学の両大学でコンピューターサイエンス教授を務めるワイベル博士が開発した技術を搭載した製品。マイクに向かって日本語または英語で発音すると、平均約1.5秒で瞬時に翻訳される。本製品はトラベル会話向けにチューニングされている。
超速通訳 ツージル | 英日/日英の翻訳が可能 | 約1.5秒で瞬時に翻訳される |
事前の設定が不要 | 発表会での翻訳のデモ | 「この近くに良いレストランはありますか」を翻訳させたところ |
特徴としては、特殊なメソッドを採用することにより、日本語特有の「主語なし表現」に対応する点。例えば「搭乗券をなくしました(I lost my boarding pass)」、「頭ががんがんする(My head is throbbing)」、「モーニングコールをお願いします(I would like a wake-up call,please)」などを翻訳できる。
また、音声認識の事前設定が不要な点も特徴。従来では自分の声にあわせてチューニングを行なうため、あらかじめいくつかの文を読み上げて調整する必要があるが、本製品はそれが不要なため、旅行先で外国人との相互翻訳を円滑に行なうことができる。また、インターネットに接続しなくても利用できる(初回アクティベーション時のみ必要)。
パッケージには小型マイクが同梱するほか、「ジーニアス英和辞書MX」、「ジーニアス和英辞書MX」が同梱する。
【動画】実際に翻訳をさせてみたところ |
(2010年 6月 15日)
[Reported by 劉 尭]