Fusion Garage、NVIDIA ION搭載iPad型スレート端末「joojoo」を国内発売
〜FlashやHTML5をサポートするフル機能Web端末

joojoo

5月21日 発表
価格:44,990円



 Fusion Garageは21日、NVIDIA IONプラットフォームを採用したスレート端末「joojoo」を国内で発売すると発表した。本日より、日本向けの受注を受け付ける。最も早い場合で納品は6月1日の予定。価格は44,990円。

 iPadのような形状のスレート端末。米国では2009年12月に発表、3月末から出荷が開始された。プラットフォームにはNVIDIAのIONを採用し、CPUはIntelのAtom N270(1.6GHz)というx86構成。メモリは1GB、ストレージは4GBのSSD。OSにはLinuxカーネルをベースに独自で開発したWebブラウザOSを搭載。液晶は静電容量式マルチタッチが可能な1,366×768ドット表示対の12.1型。インターフェイスは、USB 2.0、IEEE 802.11b/g無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、130万画素Webカメラ、音声入出力を装備する。

 本体サイズは199×324.5×3.8〜18.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.1kg。加速度センサーと、明るさセンサーを内蔵。バッテリ駆動時間は無線LAN利用時で5時間。

チャンドラセカル・ラサクリシュナン氏

 発表に当たり、同社創業者兼最高経営責任者のチャンドラセカル・ラサクリシュナン氏が来日し、製品の説明を行なった。

 joojooというのは西アフリカで「魔法の力を秘めたもの」を意味する「juju」に由来し、タッチ1つで、インターネット上の全てのものにアクセスできることを示唆する。

 本製品のもっとも特徴的な部分の1つは、独自開発したOS。Linuxカーネルをベースとしているが、基本的に立ち上がるのはブラウザのみ。別途ユーザーがアプリケーションを追加したりすることはできない。機能をブラウジングのみに特化するのは、割り切った仕様と言えるが、逆に、無駄をそぎ落とすことで、完全な電源オフからでも9秒で起動できる。

 その分、Web上の標準規格は網羅すると豪語しており、フル機能のFlashやJavaが利用可能。また、HTML5への対応も表明している。

 また、ブラウザに限定されるとはいえ、その用途は、Webのブラウズ、SNSやTwitterなどの利用のほか、Gmailを代表とするWebメールや、Google Docsを使ったオフィススイート系アプリケーションの利用、YouTubeなどの動画再生、各種Flashゲームなどが挙げられる。

 対応する動画形式はAVI、MPEG-4、FLV、MOV、OGG、OGM/OGV、WMV、DiVX、画像形式はJPEG、PNG、GIF、TIFF。メディアファイルはローカル保存はできないが、USBにストレージを繋ぐことで、そこに保存されたデータを再生できる。なお、本製品はオンラインでの利用が前提となるが、Google Docsの編集や、USBストレージ上のファイル再生については、オフラインでもできる。

 ブラウジング専用端末に、Atom+IONという構成はオーバースペックに見えるが、この点についてラサクリシュナン氏によると、x86プラットフォームにすることで、幅広いリソースを利用でき、開発が容易になるためという。IONを採用したのは動画再生のアクセラレーションを考慮してのもので、動画はフルHDをフルフレームで再生可能。OpenGLにも対応し、ブラウザベースの3Dゲームなどもプレイできるという。

製品の仕様概要 短辺の片方に電源ボタンとUSBポート。USBにはカバーがついてる 逆の短辺に音声入出力と電源ポート
長辺側にはインターフェイスはない 右下にjoojooロゴ。電源を入れると白く光る
USBポートを空けたところ。電源ボタンも白く光る フレーム部分にWebカメラと環境光センサー 13.3型のVAIO Zシリーズと並べたところ。フレームの幅があるので、縦横は同じくらいになる

 ちなみに、同社は2008年に設立されたばかりのスタートアップ企業。スタッフ数は14名で、OSの開発には2年、ハードウェアの開発には1年をかけた。ビデオドライバのベースはNVIDIAが開発したLinux用のものだが、これを独自にカスタマイズしている。

 ホーム画面には、左側にアプリケーションのジャンルが文字で並び、その横に各ジャンルに含まれるアプリケーションのアイコンが表示される。アプリケーションといっても、前述の通り、機能はブラウザのみなので、これらのアイコンは、Facebook、Twitter、Gmailなどのサイトへのショートカットを意味する。最上部には、ホームに戻る、各種無線、音声、バッテリなどの状態を示すアイコンが表示されるバーを呼び出せる。

 全ての操作はタッチを前提にしており、マルチタッチを使った操作も可能。加速度センサーを内蔵し、本体を回転させると、それに併せて、画面も回転する。ラサクリシュナン氏は、本製品の利用スタイルとして「Couch Friendly」(ソファになじむ)を提唱しており、ネットの利用が卓上という場所から解放されるとしている。

ホーム画面。ジャンルごとにアイコンが並ぶ 縦横の向きを自動判別する ブラウザを開いたところ

 キーボードはソフトウェア式で、片手で入力する用の小さなものと、両手で入力する用の大きなものが利用できる。細かな点だが、ソフトキーボードの最下部には、GoogleやWikiなどのボタンがあり、キーボードで入力して、Googleボタンを押して、1ステップで検索結果を表示ということができる。今回披露された製品はまだ英語版だったが、もちろん日本語IMEも実装される。

 周辺機器については、USBがキーボード、マウス、ストレージなど、Bluetoothがキーボード、マウス、ヘッドセットなどに対応。外部ディスプレイへの出力機能はないが、何らかの手段を検討しているという。

 日本での販売についてだが、当初は直販のみだが、すでに量販店と店頭販売のための交渉を始めているという。サポートについては、当初はメールによる質問への応答や、アフターケアを行なう。故障した際には、送料メーカー負担でセンドバックし、修理期間中は代替機が貸与される。日本オフィス設立について、具体的な予定はないが、同社では前向きな姿勢を見せている。

 また、今後3G通信機能搭載モデルも計画されており、日本でもすでにキャリアと交渉を始めているという。なお、SIMロックについてラサクリシュナン氏は「我々はこの製品を可能な限りオープンにしたいと思っている。しかし、3Gについては各地域の事情により、必ずしもオープンにはならない場合がある」としており、地域によってはSIMロックがかけられることを示唆した。なお、WiMAXについては現時点では予定がない。

 今回日本で発売に至った経緯についてラサクリシュナン氏は、「日本人は我々と同じようなガジェットに対する熱意と興味を持っており、共感してもらえると感じた。この製品はとても良く仕上がっており、きっと日本市場にも受け入れられるだろう」と述べている。

【動画】完全電源オフから起動する様子

【動画】ブラウザは、複数起動し、左右にワイプできる

【動画】キーボード入力の様子

【動画】HD動画をフルスクリーン再生

【動画】画面の縦横自動回転

(2010年 5月 21日)

[Reported by 若杉 紀彦]