マイクロソフト株式会社は、ソフトウェア開発者向けの統合開発環境「Visual Studio 2010 ベータ2 日本語版」の一般提供を開始した。
Visual Studio 2010では「更なる使いやすさ」、「次世代技術への対応」、「テスト機能強化」という3つのポイントを中心に強化されている。
Visual Studioの進化 | Visual Studioの主な特徴 |
「更なる使いやすさ」の面では、UML(Unified Modeling Language)の対応や依存関係の分析、Silverlightの標準対応、エディタおよびマルチディスプレイの強化などが挙げられる。
「次世代技術への対応」としては、Windows 7とWindows Azureへ標準対応したほか、マルチコアアプリケーション開発における、並列処理のパフォーマンス分析やスレッド単位のデバッグなどを追加した。
「テスト機能の強化」としては、デバッグの履歴取得や、計画/実行/追跡の専用ツール、テストの自動化と、UI操作の再現などが挙げられる。
Visual Studio 2010のラインナップは、設計から導入まで、アプリケーション開発におけるすべての工程に対応する最上位の「Ultimate」からはじまり、管理機能を省いた「Premium」、データベース開発やWindows Embedded対応などを省いた「Professional」の3種類に集約される。
また、テストや導入においては、「Team Lab Management」、「Test Elements」の2種類を用意。さらにチーム コラボレーション サーバーとして「Team Foundation Server」をラインナップする。
開発者向けのラインナップ。詳細なエディションごとの違いはこちらを参照 | テストや導入に向けたツール群 |
正式リリースは2010年前半を予定しているが、それぞれの製品の価格については改めて発表するとしている。
●業界全体にポジティブな影響を与えられる製品執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 大場章弘氏 |
13日に都内で開かれた製品発表会では、同社 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏が、Visual Studio 2010提供の背景と目的を説明。
同氏は、「我々はITにおけるバックラウンド、クライアント、開発ツールの3つのカテゴリで製品展開をしているが、Windows AzureやWindows 7、そしてWindows phoneの登場により、新しい環境が実現され、今後はビジネスや生活の中でますますITを使う機会が増える。しかし、使いやすいアプリケーションを実現するためには、開発者の努力が必要であり、我々はこの開発者をサポートするツールこそが重要だと考えており、その中でVisual Studioが重要な位置を占めている」と説明した。
また、新しいVisual Studio 2010では、.NETを中心とし、Windows AzureやSilverlightをサポートすることで、クラウドにおけるユーザーエクスペリエンスに優れた「ソフトウェア+サービス」が実現できると強調。開発者が今まで培ってきた.NETやASP開発の経験を活かして、新たなアプリケーションを作ることで、業界全体にポジティブな影響が与えられると説明した。
マイクロソフトが手がけるソフトウェア群 | Windowsプラットフォームの好循環 | ビジネス、そして個人におけるITの利用 |
開発者は従来から培ってきた技術で新たなアプリケーションを開発できる | Visual Studio 2010によって実現する開発環境 |
(2009年 11月 13日)
[Reported by 劉 尭]