店頭に並んだWindows 7のパッケージ |
Windows 7発売の陰で、Macが健闘していた。
BCNの調べによると、10月22日のWindows 7発売を含む10月19~25日の集計において、デスクトップPC分野では、Macのシェアが14.7%に達した。ここ数週間、7~8%で推移していたことに比べると、一気に倍増していることになる。
アップルは、Windows 7が発売となる前日の10月21日、液晶一体型のiMacをフルモデルチェンジし、同日から順次販売を開始した。また、ノートPCのローエンドモデルであるMacBookをモデルチェンジ。同じく21日から販売を開始している。
量販店店頭では、Windows 7の積極的なプロモーションの裏で、陰に隠れた感じが強かったMacの新製品だが、着実な売れ行きを見せていたといえる。
BCNの調べによると、デスクトップにおけるWindows 7搭載PCの構成比は40.8%となったのに対して、Macは14.7%。ノートPCにおいては、Windows 7搭載PCの構成比は23.8%に対して、Macは3.0%となった。
Macが健闘する一方で、Windows XPも相変わらず堅調な売れ行きとなっている。
デスクトップにおける構成比では10.4%だが、ノートPCでは24.1%となり、依然として約4分の1をWindows XPが占める結果となった。ノートPC分野では、東芝をはじめとするネットブックにおけるWindows XP搭載モデルの動きが堅調だという。
Windows 7発売前後のデスクトップPCのOS別構成比推移 |
Windows 7発売前後のノートPCのOS別構成比推移 |
実は、PCの新OS搭載モデルの動きで見ると、Windows 7発売時よりも、Windows Vista発売時の方が構成比が高くなっている。
2007年1月30日のWindows Vista発売時の2007年1月29日から2月4日までの集計では、デスクトップでは49.0%と約半分が新OSであるのにの対して、今回のWindows 7の場合は40.8%。一方、ノートPCではVista発売時には新OSの構成比が51.8%と過半数に達したのに対して、Windows 7のわずか23.8%と大きな差が出ている。
Windows Vista発売前後のデスクトップPCのOS別構成比推移 |
Windows Vista発売前後のノートPCのOS別構成比推移 |
また、今回の2009年10月19~25日の集計では、ノートPCにおいては、Windows Vistaが48.7%、Windows XPが24.1%。これに次いで、Windows 7は23.8%と3番目の構成比となっており、7割以上が旧OSとなっているのだ。
こうした動きは、Windows 7が既存のPCでも動作するという要素が影響しているといえよう。
パッケージ版では、Windows Vistaの発売時に比べて、Windows 7は1.91倍という伸びを見せており、既存のPCで、Windows 7に移行するといったユーザーが多いことが裏づけらる。
マイクロソフトでも、「個人、企業を含めて約7,000万台のインストールベースのうち、3,400万台以上がそのままWindows 7にアップグレードが可能。残る市場において、PCの買い換え需要が想定される」(樋口泰行社長)としており、パッケージ版によるアップグレードが半数を占めると見ている。
また、在庫処分で販売されていたWindows Vista搭載PCを購入して、アップグレードでWindows 7に移行するというユーザーも少なくないようだ。
Windows 7搭載のネットブック | Windows Vista搭載機の在庫処分 |
まずは、パッケージ版でアップグレードするユーザーが先行したともいえ、今後、PC本体の買い換えがどんな動きとなるかが注目されよう。
(2009年 10月 27日)
[Reported by 大河原 克行]