パナソニック、新Let'snoteの高性能と長時間駆動をアピール

10月22日より順次発売

価格:オープンプライス



 パナソニックは29日、Windows 7を搭載するモバイルノートPC「Let'snote」シリーズの新製品発表会を開催。高性能と世界最長というバッテリ駆動時間を実現した“プロフェッショナルモバイル”をアピールした。

 今回、新たなシリーズとしてLet'snote S8、同 N8を追加。JEITA測定法で約16時間のバッテリ駆動時間を実現しながら、12.1型の筐体に通常電圧版のCore 2 Duo P8700を搭載して性能も高められている。新製品の詳細については関連記事を参照されたい。

パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 奥田茂雄氏

 発表会ではまず、パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部の奥田茂雄氏が、同社が取り組むモバイルPCのコンセプトを説明した。

 奥田氏は最初に国内ノートPC市場の動向を示し、堅調なノートPCの中でも、14型以下のモバイル製品が伸びていると指摘。その市場において、パナソニックは4年連続でシェア1位を獲得しており、さらにシェアも拡大している。そして新製品で「さらなる躍進を図っていく」と意気込みを述べた。

 奥田氏はこれまでのLet'snoteシリーズを振り返り、軽量・長時間の「CF-R1」からを第1世代、そこに頑丈さを加えた「CF-W4」から第2世代と位置付けた。そして新製品は“高性能”を追加した新世代と表現。これまでの長時間駆動、頑丈設計に加えて、高速処理、WiMAX標準搭載による高速モバイル通信の4つを備えるのが“プロフェッショナルモバイル”だとした。

国内ノートPC市場の動向パナソニックが定義する「プロフェッショナルモバイル」新製品の大きな3つの特徴

 製品説明は、AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部の島田氏と坂田氏が担当。MCとのトーク形式で説明を行なった。

 通常電圧版CPU採用による高速化について島田氏は、「会社ではデスクトップ、外出先ではモバイルノートと使い分ける必要がない、メインマシン&モバイルとして使えるPCを提供しようと考えた」と採用理由を語った。坂田氏は「従来と同じ設計、筐体では通常電圧版は無理だったが、2.5倍の熱(TDP 25W)を排熱できる設計にした」と説明。Let'snote F8シリーズから約3割小型化したファンなどを新たに採用して実現した。独自のベンチマークでは、夏モデルの「CF-W8G」(超低電圧版Core 2 Duo SU9400)との比較で約1.7倍の高速さを達成したという。

 世界最長という駆動時間については、「屋外でワイヤレス環境を使うとさらにバッテリ駆動時間が必要になる。徹底的に駆動時間にこだわろうとした」とし、自社開発の大容量リチウムイオン充電池により実現した。バッテリパックとしては、従来機種の約1.4倍の容量だという。

 ノートを持ち出す場合に感じるストレスというアンケートでは、多くのユーザーがバッテリ切れで悔しい思いをしたことがあるという結果を示した。現状ではJEITA測定法が実際の駆動時間を示すことができなくなっているため今回の約16時間という数字はカタログ値になるが、実使用で勤務時間のほぼ1日(約8時間)を使える性能を目指して開発した。

F8シリーズより約3割小さいファン通常電圧版CPUにより、大幅に性能が向上業界最高容量を誇る自社開発のバッテリ

 さらに、高速モバイル通信としてWiMAX標準搭載するほか、直販のマイレッツ倶楽部ではFOMAハイスピード対応ワイヤレスWAN、Bluetoothを搭載できるとした。

 このほか、Let'snote発表会ではお馴染みの、キーボード防滴や、100kgf耐圧、76cm落下耐性などタフさの実演を新製品で実施。加えて、サポートでも新しい取り組みを行なうとして、法人向けのLet'snote S8とN8の標準モデルは、通常3年間無償保証を4年間無償保証に延長すると発表した。

 坂田氏は今後のLet'snoteについて、「これからもモバイルに必要な、軽量・長時間駆動・タフ・高性能といった相反する要素を(同時に)追求していきたい」とまとめた。

カバンにそのまま入れられる100kgf耐圧キーボード防滴のデモ法人向けのLet'snote S8/N8は4年保証

奥田氏と握手するインテルの吉田和正社長

 最後にゲストとしてインテルの吉田和正社長が招かれた。吉田氏は新製品に祝辞を述べたあと、「世界のモバイルノートを牽引しているのはパナソニック」と評価。現状を「インターネット上にアプリケーションが構築され、クライアントPCによるモバイルの比率が高まっている。この不況の中で(PC市場に)元気を付けていくのがモバイル」と期待を寄せた。

 また、通常電圧版のCore 2 Duo P8700を搭載し、さらに「WiMAX、vProを標準搭載している点も世界で見ると革新的」と表現。「部品やノウハウ、システムなどを含めた“ものづくり”に今後も期待できる。Let'snoteの素晴らしさを体感してほしい」と述べた。

 質疑応答ではWindows 7についての期待を聞かれ、奥田氏は「Windows 7には期待している。企業はXPユーザーが多いのだが、Windows 7(Pro)にはXPモードがあるため容易に移行できると考える」と話した。

ステージに展示されたLet'snote S8/N8マイレッツ倶楽部では6色の天板を用意。2色はプレミアムモデルLet'snote S8(左)とLet'snote W8の比較。LEDバックライト液晶の採用などもあり厚みは減った
新開発のアンテナ。従来のパームレストの左右手前から天板に移動し、感度が向上法人モデルでは指紋センサー(写真左)、FeliCaポート(同右)も追加可能

(2009年 9月 29日)

[Reported by 山田 幸治]