エイサー、法人向けのAspire one/Timeline WiMAX搭載モデル

AO531h-Bk86X

9月11日より順次発売
価格:54,800円~99,800円



 日本エイサー株式会社は、WiMAXモジュールを搭載したネットブック「Aspire one」およびスリムノート「Timeline」を、法人向けに9月11日より順次発売する。販売はCaravanYU、e-TREND、ioPLAZA、NTT-X Storeの4つのオンラインサイト限定となる。

●Aspire one

 Aspire one「AO531h-Bk86X」は、コンシューマ向けでは未発売の「AO531」をベースにWiMAXモジュールを搭載したモデル。発売日は9月11日で、価格は54,800円。

 本体サイズが255×183×19~26.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量が約1.15kgと、薄型軽量を実現しつつ、6セルバッテリの搭載で最長7.5時間の駆動を可能にした。長時間駆動が求められるビジネスシーンでのモバイルに好適としている。

 主な仕様は、CPUにAtom N280(1.66GHz)、メモリ1GB、Intel 945GSE Expressチップセット(ビデオ機能内蔵)、160GB HDD、1,024×600ドット(WSVGA)表示対応10.1型ワイド液晶、OSにWindows XP Home Editionなどを搭載する。

 インターフェイスは、SDカード/MMC/メモリースティック(PRO)/xD-Picture Card対応カードリーダ、USB 2.0×3、ミニD-Sub15ピン、Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、WiMAX、Bluetooth 2.1+EDR、30万画素Webカメラ、音声入出力などを備える。

会場に展示されたAO531h-Bk86X。バッテリは6セルのため背面にやや出っ張る本体を裏返したところ。底面は流線型のデザインとなっている上からでも側面のインターフェイスを確認しやすいようにアイコンが斜面に印刷されている

●Aspire Timeline

 Aspire Timelineは、Core 2 Duo搭載モデル(型番:AS3810T)とCeleron Dual-Core搭載モデル(同AS3410)が用意され、それぞれにWindows Vista Home Premium/メモリ2GB搭載モデルとWindows XP Professional(Vista Businessダウングレード)/メモリ1GB搭載モデルが用意される。発売日はAS3810Tが9月11日、AS3410が9月17日。

 現在コンシューマ向けで発売中の13.3型Timelineシリーズをベースとしたモデルで、WiMAXを新たに搭載した。本体サイズは322×228×23.4~28.9mm(同)、重量は1.6kgと薄型軽量でありながら、10万円を切る低価格を実現した。最長8時間の長時間駆動もウリにしている。

 AS3810Tの主な仕様は、CPUにCore 2 Duo SU9400(1.40GHz)、Intel GS45 Expressチップセット(ビデオ機能内蔵)、160GB HDD、1,366×768ドット表示対応13.3型ワイド液晶などを搭載。メモリはVistaモデルが2GB、XPモデルが1GB。価格は前者が92,800円、後者が99,800円。

 AS3410は、上記からCPUをCeleron Dual-Core SU2300(1.20GHz)に変更。価格はVistaモデルが72,800円、XPモデルが79,800円。

 インターフェイスは、SDカード/MMC/メモリースティック(PRO)/xD-Picture Card対応カードリーダ、USB 2.0×3、HDMI出力ミニD-Sub15ピン、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、WiMAX、Bluetooth 2.1+EDR、30万画素Webカメラ、音声入出力などを備える。

Aspire Timeline(参考展示でWiMAXモジュール非搭載)天板はメタリックな感触で高級感がある

●モバイルノート市場を牽引

日本エイサー 代表取締役社長 ボブ・セン氏

 8月25日に都内で開かれた記者発表会では、同社代表取締役社長 ボブ・セン氏が挨拶。同氏は、「これまでモバイルコンピューティングに注力して製品を開発してきたが、今回の製品の発表を嬉しく思う」と述べた。

 今回の新製品については「現在Aspire oneは市場から既に多大な支持をいただいているが、今回強調したいのはTimelineシリーズである。薄くて軽い、長時間駆動、そして10万円を切るリーズナブルな価格という3つの特長で、日本のモバイルPC市場をリードしていけるものだと確信しているからだ」と語った。

マーケティングコミュニケーション課 瀬戸和信マネージャー

 Timelineシリーズを説明した同社マーケティングコミュニケーション課の瀬戸和信マネージャーは、「Timelineはモバイルに欠かせない4つの特長がある。1つ目は電力を集中管理することで8時間駆動を実現したこと、2つ目は低消費電力で高性能なCPU、3つ目は飛行機にも応用された冷却技術、4つ目は10万円を切るコストパフォーマンス」とし、Timelineがモバイルに最適であることをアピールした。

 特に3番目の冷却技術については、「我々のアンケートによると、ノートPCの排熱が気になるユーザーは81.6%にのぼり、特に膝の上に載せて使う際に気になることが多いということがわかった。我々はこの部分を改善することでモバイル利用における不満を解消した」と説明した。

 今回の製品のターゲットユーザーとしては、ボリュームゾーンである中小企業をメインとしている。同氏は、「WiMAXを搭載モバイルPCとして打ち出していくことが、今後ビジネスユーザーを展開する際の1つ武器になる」と述べた。

 コストパフォーマンスについても強調し、「現在市場の出荷台数比で言うと、10.2型以下のネットブックと、15.4型以上のノートPCの割合が多く、10.3型~15.3型までのモバイルPCは割合として最も少ない。これはこのラインのPCが15万円以上と高価であったからであると考えている。我々は10万円を切る価格帯で、メインマシンにもなり得る高性能のモバイルPCを出すことで、このモバイルPCの市場を活性化したい」と述べた。

 さらに、画面サイズ別の価格帯推移のグラフも引用し、「ノートPC市場で10.3型~14型の平均価格がもっとも高い現状を、Timelineシリーズで改善していき、“安かろう悪かろう”というイメージを払拭し、モバイルノートPC市場を牽引していきたい」と語った。

中小企業をターゲットに展開するモバイルPC市場を活性化するTimeline
画面サイズ別の市場平均売価(青線)とエイサーの売価(赤線)。10.3型~14型が最も高いが、このプライスを下げたいというのがエイサーの目標WiMAX搭載と8時間駆動を武器に法人へ展開する

 発表会では、UQコミュニケーションズ株式会社 マーケティング戦略部長の坂口肇氏がゲストとして招かれた。坂口氏は、「今後、国内での基地局建設のスケジュールの前倒しや、世界141カ国でWiMAXの普及の動き、WiMAX内蔵ノートPCの増加などにより、WiMAXはますますユーザーの利便性を高めるネットワークとなる。今回のエイサーのWiMAX内蔵PCの発売は、そのネットワークを支えるデバイスであり、歓迎したい」と語った。

UQコミュニケーションズ株式会社 マーケティング戦略部長の坂口肇氏基地局建設スケジュールの前倒し
世界141カ国でWiMAXの導入が進んでいるネットワークを支えるコンテンツとデバイスノートPCへのWiMAXモジュール搭載率は2014年で80%を見込む

 また、インテル株式会社 事業開発本部 本部長の板越正彦氏も招かれ、Timelineの薄型軽量化を支える超低電圧版のCore 2 DuoとIntel GS45 Expressチップセット、搭載されたWiMAX/WiFi Link 5150などを紹介し、「これらにより、Timelineでは薄型軽量化、低消費電力、低コストを実現した」とアピールした。

インテル株式会社 事業開発本部 本部長の板越正彦氏Timelineに搭載された薄型パッケージのCPUとチップセット、WiMAX/WiFi Link 5150など

(2009年 8月 25日)

[Reported by 劉 尭]