富士通、原子力機構の国内最速スパコンを受注

大規模クラスタで使われる
「PRIMERGY BX900」

7月16日 発表



 富士通株式会社は16日、独立行政法人 日本原子力研究開発機構からスーパーコンピュータを受注したと発表した。理論ピーク性能は214TFLOPSで、国内最速の性能となる。稼働開始は2010年3月を予定。

 今回のスーパーコンピュータは、3つの異なる用途のシステムで構成される。1つは大規模並列演算部で、同社の「PRIMERGY BX900」2,157ノード。CPUはクアッドコアのXeon X5570(2.93GHz)が4,314個、計17,256コア、ノード間はInfiniBand QDRで接続。OSはLinuxを採用。理論ピーク性能は200TFLOPSで、1ジョブ100TFLOPS規模の核融合シミュレーションなどに使用される。

 2つ目は次世代コード開発部。SPARC64 VIIを搭載する「FX1」320ノードのクラスタシステム。主な用途はペタスケールコンピュータ向けのアプリケーション開発。3つ目は共有メモリ型演算サーバーで、SPARC64 VII搭載のUNIXサーバー「SPARC Enterprise M9000」で構成される。用途は高速増殖炉開発のシミュレーションなど。

 この3つのシステムを、富士通のミドルウェア「Parallelnavi」シリーズで一元管理。ストレージは「ETERNUS DX80」を36台用意し、計1.2PBの容量を持つ。

 日本原子力研究開発機構はこれまで、共用スーパーコンピュータと高速増殖炉プロジェクト用スーパーコンピュータを使ってきたが、膨大な計算需要を処理しきれない状況が続いていたという。そのため、両システムを整理・統合し、今回の新システム導入を決定した。

(2009年 7月 16日)

[Reported by 山田 幸治]