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iPhone 9をスキップ。前面覆うSuper Retina有機EL搭載の「iPhone X」

~iPhoneを見つめるとオンになる高精度顔認証機能

 米Appleは、iPhone 8と同時に、筐体前面を覆う有機ELディスプレイを搭載するスマートフォン「iPhone X」(テン)を発表した。10月27日より予約を開始し、11月3日より発売する。64/256GBモデルが用意され、税別価格は112,800円より。日本ではau、NTTドコモ、ソフトバンクから発売される。

 シリーズで初めて有機ELを採用。サイズは5.8型で、解像度は2,436×1,125ドット。dpiは458dpiに達し、「Super Retina Display」の名称が与えられている。従来の有機ELは、液晶に比べ、高コントラストで薄いなどのメリットがあったが、輝度、色域、色の正確さでは液晶に劣っていた。これに対しSuper Retina Displayは、それらの弱点を克服しているという。

 またSuper Retina Displayは筐体の前面のほぼ全域を覆っており、これに伴いホームボタンがなくなった。ホーム画面にアクセスするには、画面を下からスワイプする。また、スワイプを途中で止め、横スワイプするとアプリを切り替えられる。

 前面上部は一部切り取られたかたちとなっているが、この部分には、前面カメラ、マイク、スピーカー、環境光センサー、近接センサー、フラッシュに加え、赤外線カメラとドットプロジェクターを搭載。これにより顔の形状や奥行きなどを高精細に捉える顔認証機能「Face ID」を実現した。

 Face IDはCPUに内蔵したニューラルエンジンとの組み合わせにより、これまでのTouch IDでは5万分の1だった他人受入率を100万分の1にまで高めた。写真はもとより、立体的に作られた精巧なマスクも本人ではないと見破る。一方で、髪型を変えたり、メガネをかけたり、年齢によって顔の造形が変化しても、本人を認識できるという。また、画面を見つめるだけでスリープ状態からアンロックする機能も搭載するほか、Apple Payの認証にも利用できる。

 カメラは背面に1,200万画素のセンサー2基と、f1.8、f2.4の広角、望遠レンズを搭載。どちらも光学手ぶれ補正に対応するほか、さまざまなライティングをシミュレーションする機能を搭載する。前面カメラは700万画素。動画撮影は最大4K 60fpsに対応。

 ニューラルエンジンを除き、SoCはiPhone 8と同じA11 Bionicで、2つの高性能CPUコアと4つの高効率CPUコア、独自開発のGPU、独自開発のISP(Imagine Signal Processor)を内蔵する。

 こういった高性能化を図りつつもバッテリ駆動時間は、iPhone 7より2時間長くなっている。

 iPhone 8同様、防水仕様でQi準拠の無線充電に対応。さらに、Apple Watch Series 4と新しいAirPodsケースも同時に無線充電できる充電台「AirPower」も発売予定。AirPowerの機能は独自仕様だが、今後Qi規格に盛り込むよう働きかけていくという。

 本体サイズは70.9×143.6×7.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は174g。